相談者:Mさん(鹿児島県在住)
本人30歳(会社員)
Q. 月の黒字5万円を、どう貯蓄・運用すればいい?
実家暮らしで契約社員だった2014年に、一度ご相談させていただきました。
その後、アドバイスをもとに家計を改善。正社員登用を経て一人暮らしをスタートさせ、今年から彼と同居を始めました。結婚も視野に入れていますが、まだ具体的には何も決めていません。
もともと旅行やお酒を飲みに出掛けるのが好きでしたが、コロナ禍で外食が減り、最近は毎月5万円ほど黒字に。黒字分は貯蓄し、ある程度貯まったら定期預金に移しています。今年から賞与が月々の給料に上乗せになったので、特別支出は毎月の黒字から賄っています。
今年からつみたてNISAを始めましたが、今後、毎月の黒字5万円をどのように貯蓄・運用していくのか迷っています。
今のまま、定期預金に貯める形でいいのでしょうか。投資も気になっています。現在の職場は退職金がないので、老後資金が心配です。
奨学金の返済は、あと4年半。保険はクレジットカード付帯のもので、将来的に見直しも考えています。 このまま結婚した場合は、子どもも希望。よきアドバイスをお願いします。
A. しばらくは月4万円を定期預金中心で運用を
うち老後資金は月1万円程度に。食費・日用品費は切り詰めすぎでは?
嬉しいご報告をありがとうございます。働きながら大学の夜間部を卒業し、一人暮らしを実現したのですね。前回相談時には50万円だった貯蓄も、奨学金を返しながら300万円を超えています。パートナーとの同居も開始し、いよいよ次のライフステージが視野に入ってきたようです。
寄せられた家計簿は、あなた一人分(=個計簿)でしょうか。お試し同居の段階で経済は別々かもしれません。でも、食費と日用品費が月1万5000円というのは、切り詰めすぎでは?
Webアンケートなどでためたポイントを食費に回している分を加えても、1日あたり548円です。同世代の一人暮らし勤労女性の食費平均(総務省家計調査2021)が997円なので、食材を格安で入手、自炊を徹底など、かなりの努力をなさっているのでしょう。とはいえ「からだが資本」ですから、昨今の物価上昇に対抗しすぎて健康を損なわないように気をつけてください。
月5万円の黒字の運用法で迷っておいでですが、特別支出や食費アップを考慮すると、貯蓄に回せる金額は4万円と考えるべき。この先、子どもの教育やマイホーム目的の貯蓄も必要になりそうなので、現段階では老後向けは月1万円程度にとどめるのが無難です。
老後に向けた運用法としては、節税しながら自前の退職金がつくれる「個人型確定拠出年金iDeCo」や「税制適格特約ありの個人年金保険」の利用がよいでしょう。
投資はつみたてNISAで着手しているので、しばらくは定期預金中心の運用を続けてはいかがですか。
回答者 高橋伸子さん
生活経済ジャーナリスト。長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。
消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。
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1カ月の収支、家計状況と質問を書いて投稿フォームから応募を。
相談内容(保険、ローンなど)に関するデータは詳しく。
確認のため電話番号は必ず明記してください。
採用者には商品券2000円分を進呈。
転載元:
「リビング北九州・熊本・かごしま」2022年5月21日号掲載
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高橋伸子
生活経済ジャーナリスト
長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。2016年に内閣総理大臣より消費者支援功労者表彰を受ける。