相談者:Oさん(鹿児島県在住)
夫48歳(会社員)、妻43歳(会社員)、長女8歳
Q. 住宅ローン完済後の貯蓄運用と教育資金作りは?
約8年前、マイホーム購入前に一度ご相談させていただきました。
住宅ローン控除が終了する10年目での完済を目標に、夫婦共働きで毎年100万円ずつ繰り上げ返済を実行。2023年の8月には完済予定です。
今回相談したいのは、住宅ローン完済後の貯蓄の運用方法や、長女の教育資金作りについて。
貯蓄は現在普通預金と定期預金のみ。投資初心者ですが、住宅ローン完済後は外貨建て保険やiDeCo、NISAなども活用したいと思っているため、アドバイスをいただきたいと思っています。
また、児童手当は教育資金として全額を長女名義で貯蓄しており、それ以外に学資保険(払い込み期間残り2年)で300万円を準備する予定。長女の進路は大学進学まで全て公立で、と考えていますが、教育資金は十分でしょうか。
今後は、春以降に車を買い替え予定です(手出し約300万円で一括購入)。
これから先、必要になってくる自宅のメンテナンスやリフォームなどの資金準備や、現在加入中の保険についても助言をいただけると幸いです。
A. 運用に力を入れたいなら使途別に金融商品を選んで
家のメンテナンス費を見積もり、専用口座へ。教育資金は払えそう
住宅ローンを10年で返し終えるという高い目標を立てて、貯蓄に励んだのですね。夫婦の小遣いが月1万円ずつ、とは驚きました。
黒字の状況からみて、車を買い替え、ローンの残債を一括返済しても、1年半後の貯蓄残高は現在とほぼ同水準を維持できそう。その後は年500万円近くを貯蓄に回すゆとりが持てます。
課題は、貯蓄のうち使途が明らかなのが長女名義の預金と学資保険のみ、という点です。運用に力を入れたいなら、使途別に運用する準備をしましょう。いつ、何のために使うお金かによってリスク許容度が違い、選ぶべき金融商品が異なるからです。
車の買い替え費用は、使う時期が近いので、夫の普通預金からそのまま使えばOK。着手すべきは、家の屋根や外壁の塗り替えやリフォームなどの準備です。メンテナンス計画を立て、費用を見積もってください。高額な住宅設備や家具家電品の買い替えも含め、いつ、いくらぐらいかかりそうか調べて、専用の定期預金口座などに入れて使うと安心です。
教育資金が手当て済みの預金や保険で十分か気にしておられますが、不足しても給与やボーナスで払えそう。ただ、自宅外通学や留学などで必要になるかもしれない分も貯蓄として確保しておくと安心度が増します。ジュニアNISAの活用や、外貨建て商品を研究して―。
セカンドライフ資金も視野に入れましょう。節税を兼ねてiDeCoやNISAで長期投資に着手するのがよさそう。保険については、夫のガン保険の追加を検討してはいかがですか。
回答者 高橋伸子さん
生活経済ジャーナリスト。長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。
消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。
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確認のため電話番号は必ず明記してください。
採用者には商品券2000円分を進呈。
転載元:
「リビング北九州・熊本・かごしま」2022年2月5日号掲載
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高橋 伸子
生活経済ジャーナリスト
長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。2016年に内閣総理大臣より消費者支援功労者表彰を受ける。株式会社西日本フィナンシャルホールディングスの社外取締役監査等委員。