事務職は人気があり、求人倍率も高くなる傾向にあります。
ライバルが経験者の場合、就職活動が難航する可能性も十分に考えられるのです。
少しでも有利に転職活動を進めるためには、資格を取得すべきと考える人も多いと思われます。
この記事では、一般事務・経理事務・貿易事務の3つに分けて、それぞれにおける職場で求められる資格を紹介していきます。
これから資格を取って事務職に挑戦したい人、事務職のなかでキャリアアップを狙っている人は、参考にしてください。
1.一般事務におすすめの役立つ資格5選
まずは、一般事務におすすめの資格を5つ紹介します。
一般事務なので、業務内容も幅広く、さまざまな分野の知識を広く押さえておくとよいです。
MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)
秘書検定
日商PC検定
ITパスポート
文書情報管理士資格
それぞれの資格について、確認していきましょう。
MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)
MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)は、Word・Excel・PowerPoint・Access・Outlookといった、Microsoft社のOfficeソフトが使えることを証明する資格です。
取得難易度は高くないものの、基本的なPCスキルを一通り学べるため、事務職と相性がよいと言われています。
資格はソフトウェアごと、バージョンごとに分かれています。ご自身が使われるであろうソフトウェアとバージョンを選んでおくことは大切です。
MOSは、事務職だけに限らず、あらゆる業種で必要とされており、取得しておいて損はありません。
勉強時間も100時間以内で合格が狙えるため、未経験の場合はまず、このMOSを狙うとよいでしょう。
秘書検定
秘書検定は、ビジネス検定試験の1つです。
ビジネスパーソンとしてのマナーを学習できる資格で、資格名に秘書とあるものの、幅広い分野で活躍できます。
秘書検定には3級・2級・準1級・1級と4段階あり、一般事務で働く場合は2級あたりを狙っておきましょう。
秘書検定2級であれば、合格率は50%前後と独学でも十分に狙える難易度です。
試験では学科だけでなく面接もあり、社会人としての言葉づかいや作法も問われます。
対策に当たっては実際に誰かに面接官役をお願いし、練習をしておくとよいでしょう。
日商PC検定
日商PC検定は、MOSと同様、PCを扱うにあたって必要な知識を一通り学べます。
有名な資格の一つである日商簿記検定試験と同様、日本商工会議所が主催しています。
日商PC検定では、PCの扱いだけでなく、データの活用やプレゼン資料の作成なども問われるケースが多いです。
具体的に試験で問われる内容としては、以下の3つに分かれます。
文書作成・・・Wordによる文書作成や取り扱い能力
データ活用・・・Excelによるデータ分析やグラフ作成能力
プレゼン資料作成・・・PowerPointを用いたプレゼン資料作成能力
MOSよりも実務的なので、試験勉強をするにあたっては、自分で資料を作る練習から始めてみましょう。
ITパスポート
ITパスポートは、IPAが主催する情報系の国家資格で、アイパスと呼ばれることが多い資格です。
受験者における合格率は50%前後と、統計上は半分近くの人が合格します。
このことから、国家資格のなかでも簡単な部類と認識されており、IT系・非IT系関わらず、多くの受験者が集まります。
しかし、出題範囲はテクノロジ・マネジメント・ストラテジと分かれており、テクノロジはさらにセキュリティ・ネットワーク・データベースなど細かく分かれているのです。
そのことから、幅広い知識が必要とされ、勉強時間はおよそ100時間かかります。
出題範囲が非常に広く、計算問題も多いことから対策に時間がかかるため、ITパスポートを狙う方はゆとりをもって計画を立てましょう。
対策自体は市販のテキストでも十分可能です。
文書情報管理士資格
文書情報管理士は、公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)が認定する資格です。
職場で伝票や会議資料などを管理するにあたり、スキャナでデータとして管理したり、マイクロフィルムを利用して書類として保存したり、保存方法が問われるケースはよくあります。
文書情報管理士資格では、これらの規格に関する知識や、関連する法律の知識が得られます。
難易度は2級・1級・上級と分かれており、合格率は2級と1級が70%、上級が40%ほどです。
戦力として認定される2級であれば2か月~3か月あれば十分に間に合います。
2.経理事務におすすめの役立つ資格:日商簿記
事務職のなかでも、経理事務は専門性が高く、会計・簿記の知識は不可欠です。
したがって、上記の資格に加えて簿記も持っておくとよいでしょう。
簿記は初級・3級・2級・1級と分かれており、中小企業の経理事務で働く場合は2級を取得しておくと理想的です。
簿記2級では、3級で学習する商業簿記に加え、物の製造から販売までといった、一連の流れを把握できる工業簿記を学べます。
日本における製造業は66万社あるといわれており、簿記2級の活躍できるフィールドが広いことは言うまでもありません。
簿記2級の合格率は20%~30%で、70点以上必要です。
簿記は問題の難易度によって、合格率が大きく変動するといった特徴があります。
1度や2度落ちてもあきらめず、根気よく受け続けることが大事です。
幸いなことに、最近では好きなタイミングでコンピュータを用いて受験できるCBTが実施されており、1か月内で何度も受験できます。
簿記1級になると難易度が急激に上がり、受験回数も年に2回と限られてしまいます。
簿記1級を持っていても、中小企業の経理職ではオーバースペックとなってしまい、費用に見合った恩恵を得られません。
大企業の経理部長や、税理士・公認会計士といったスペシャリストを目指さない場合は狙うメリットが少ないので、無理に狙うことはやめておきましょう。
3.貿易事務におすすめの役立つ資格
貿易事務とは、輸入・輸出などの貿易に係る企業で働く事務職を指します。
主にメーカーや商社で勤務する場合、貿易事務のポジションが用意されていることが多いです。
貿易事務の仕事をする上で役に立つ仕事は以下の2つです。
TOEIC
貿易実務検定
TOEIC
TOEICは国際コミュニケーション英語能力テストのことで、英語によるコミュニケーションとビジネス能力を990点満点で評価します。
試験自体による合格・不合格はないものの、企業ごとに550点以上・730点以上など、ラインが設けられており、その基準に満たなければ採用されないケースもあります。
TOEICはリスニング495点・リーディング495点に分かれており、すべて4択のマークシートです。
一般的な英語力だけでなく、ビジネス特有の言い回しや、速読、問題を解くにあたっての時間配分、解く順番など、個別の試験対策が必要とされます。
幸い、1か月にほぼ1回ペースで実施されているため、インプットを重ねるよりは何度も受験し、アウトプットしつつ慣れて行く方が得点を上げやすいです。
貿易実務検定
貿易実務検定は、日本貿易実務検定協会が実施する民間資格です。
貿易をするにあたっては、自国だけでなく他国の法律・外国企業との決定事項・貿易にかかる税法など、知っておかなければいけない知識が非常に多いです。
これらの知識を体系的に学べる貿易実務検定は、まさに貿易事務向けの資格といえます。
級はA級・B級・C級の3つに分かれており、それぞれの級について、目安は以下の通りです。
A級・・・貿易実務において、判断業務を行える実力を証明する。
B級・・・貿易実務経験者の中堅層が対象。
C級・・・定型業務をこなすために必要な知識を証明する。
未経験の場合はC級を狙っておきましょう。
おすすめの事務資格まとめ
今回は、一般事務・経理事務・貿易事務のそれぞれにおいて、あると有利な資格を紹介しました。
資格は就職・転職に必須ではありませんが、持っておくと有利になる可能性が高いです。
とくに未経験でライバルが多い場合、差別化につながります。効率よく資格を取って、内定へと繋げましょう。