一般的に引っ越しにはお金がかかるイメージですが、ファミリー世帯よりも荷物が少ない一人暮らしの引っ越しではどうでしょうか。本記事では、一人暮らしの引っ越し全般について、料金相場やコストカットのポイントを紹介していきます。
引っ越しにかかる費用について解説!
引っ越しにかかる全体的な費用について、さまざまなパターンに分けて解説していきます。データを参照する場合は、その都度出典元を明記しています。
引っ越し費用に含まれるもの
引っ越し費用は国土交通省が定めた基準運賃(運輸費用)が基本となり、それに人件費や付帯サービス費用などを合算した総計です。引っ越し費用の簡易シミュレーションではこの総計のみが表示されることが多く、総計を比較することがほとんどです。なお、この基準運賃は業者によって大差はありません。詳細な引っ越し費用見積もりには、基準運賃とその他費用が分けて明記されていますので、確認してみましょう。
基準運賃とは
国土交通省・近畿運輸局によると、基準運賃は時間制と距離制があります。時間制は4時間と8時間から選べ、移動距離が100㎞以内の場合に適用されます。距離制は、移動距離が100kmを超える場合に適用されます。
人数別・引っ越しにかかる総額の平均
価格ドットコムの調査によると、世帯の人数別で引っ越しにかかる費用総額の平均は以下のような結果でした。(基準運賃に人件費などを加えた一般的な引っ越し費用を表記しています)
単身世帯 | 約3.7〜5万円 |
結婚前2人世帯(同棲) | 約7.8万円 |
ファミリー世帯 | 約10万円 |
単身世帯の金額の差について
上記の表では、単身世帯の引っ越し費用に大きな差があります。この差は、荷物の多さによるものです。一人暮らしの人で荷物が少ない場合は約3.7万円程度で済みますが、荷物が多い場合は約5万円近くになることがあります。詳しくは後述しますが費用を削減するポイントとして、事前に荷物を整理して限りなく少なくすることが挙げられます。
移動距離別・引っ越し費用総額の平均
引っ越しする世帯の人数のほか、移動距離によっても料金が変わります。一般的な目安として、距離数に応じた平均費用を紹介します。以下の表は、一人暮らしの場合の金額の目安です。なお、距離数のみで算出しているため、離島などの別料金は含んでいません。こちらも同様に、基準運賃+諸費用を含めた総額で表記しています。
移動距離 | 繁忙期 | 閑散期 |
約45km | 約4.7〜6.1万円 | 約3.7〜4.9万円 |
約90km | 約4.8〜7.7万円 | 約4.4〜6.4万円 |
約350km | 約5.5〜9.5万円 | 約5.4〜7.9万円 |
約500km以上 | 約6.7〜12万円 | 約6.2〜9.8万円 |
閑散期と繁忙期
引っ越し業界では、閑散期と繁忙期で費用が大きく変わります。一般的に4月からの新生活に向けた引っ越しが多いシーズンのため、繁忙期は3月から4月を指すことが多いです。これ以外の時期を閑散期と呼び、特に6月は梅雨の時期のため屋外で荷物の移動がある引っ越しを敬遠する人が多い傾向にあります。
一人暮らしの引っ越し料金の目安
ここからは、一人暮らしの賃貸物件への引っ越し費用の目安について解説します。
一般的な引っ越し費用とは
一般的な引っ越し費用には、以下のような項目が含まれます。
引っ越し業者に支払う料金
賃貸物件へ入居する際の初期費用
新生活準備のための家具家電購入費
引っ越し業者に支払う費用
引っ越し業者に支払う費用は、転居先までの距離数や荷物の多さ、閑散期か繁忙期かによって変動します。引っ越しが決まったらまずは数社に見積もりを依頼し、あらかたの予算の目途をつけることをおすすめします。そのなかで対応に安心できる業者や、価格の安さなどを基準に決めましょう。
賃貸物件入居の初期費用
賃貸物件へ入居するときの初期費用も、引っ越し費用として必要です。金額の目安は、入居する部屋の家賃の5~6ヶ月分程度です。物件によっては、初期費用無料キャンペーンを行っていることもあります。しかし、完全にゼロになることは少なく、最終的な入居費用に関しては不動産会社から提示される見積書で確認しましょう。
家具家電購入費
現在すでに一人暮らしの人が部屋を変えるだけの引っ越しであれば、家具家電を新たに購入することはほとんどないかもしれません。しかし東日本と西日本で電源周波数が違うため、転居先によっては家電の買いなおしが必要になります。ガスの場合では都市ガスとプロパンガスでは使用できるガスコンロが違うため、買いなおさなければいけない場合があります。転居先がIHコンロの場合は、鍋などキッチン用具の買い替えも必要です。このように、転居先の状況によっては買い替えが必要になるため、あらかじめ費用は多めに準備しておく方が安心です。
福岡の一人暮らしの引っ越し費用相場は?
ここからは、福岡の一人暮らしの引っ越し費用相場(基準運賃+諸費用込みの引っ越し費用)について紹介します。以下のデータは「引っ越し侍」より引用しています。
閑散期・福岡の単身引っ越し費用相場
移動距離 | 荷物少なめ | 荷物多め |
〜15km未満 | 約2.1万円 | 約2.5万円 |
〜50km未満 | 約2.3万円 | 約3万円 |
〜200km未満 | 約4万円 | 約3.5万円 |
〜500km未満 | 約6万円 | 約7.9万円 |
繁忙期・福岡の単身引っ越し費用相場
移動距離 | 荷物少なめ | 荷物多め |
〜15km未満 | 約4.2万円 | 約4.3万円 |
〜50km未満 | 約4.5万円 | 約7万円 |
〜200km未満 | 約5.4万円 | 約8万円 |
〜500km未満 | 約9万円 | 約16万円 |
急な引っ越しの強い味方アプリカードローン
家族の引っ越しよりも費用は少ないとはいえ、急な場合は足りないことも予想されます。その場合は、西日本シティ銀行の※アプリカードローンがおすすめです。来店不要で、申し込みから借り入れまでがアプリで完結します。特に使い道を限定されたローンではないため、引っ越し費用だけでなく新生活準備に必要な資金としても使えて便利です。最短5分で審査が完了し、パートやアルバイトの人、新入社員としてあらたに働き始める人でも申し込みが可能です。利用に関する問い合わせは、近くの店舗またはコールセンターをご利用ください。
※アプリカードローンは西日本シティ銀行の営業エリア内にお住まいの方のみお申し込みいただけます。東京都内、大阪府内の店舗ではお取扱いしておりません。詳細はwebまたは店頭窓口にてご確認ください。
「単身パック」と「単身プラン」はどう違うの?
一人暮らしの引っ越しの場合、まず思いつくのは「単身パック」や「単身プラン」などのセットサービスではないでしょうか。どちらも同じような内容をイメージしますが、実は含まれるサービスや運んでもらえるものに大きな違いがあります。正しく内容を知っておくと、どちらが自分にとって利用しやすいかわかります。ぜひ参考にしてください。
単身パックとは
単身パックは、荷物が少ない人に向いているサービスです。単身パック用のコンテナに、入りきる量の荷物だけを運んでもらえます。引っ越し業者指定のコンテナに、あらかじめダンボールに梱包した荷物を積めます。大型タンスやベッド、エアコン、自転車といった、コンテナに入りきらない荷物は対象外となります。単身パックで使うコンテナのサイズは業者によって差があるため、事前に確認しておきましょう。
一般的な単身パックでは訪問による事前見積もりはなく、ダンボールがもらえるサービスもないため、後述する単身プランよりは費用が安く抑えられます。
単身プランとは
単身プランは、単身パックよりも料金が割高です。しかし、単身パックの指定されたコンテナに入りきらないような大きい家電や自転車などについても一緒に運んでもらえるため、便利です。
単身パックと単身プランの選び方
一人暮らしの引っ越しの場合、準備自体になかなか時間が取れない場合もあるのではないでしょうか。明らかに荷物が少なく、所定のコンテナに入りきるようであれば単身パックの方が割安で便利です。マイカーを保有していてコンテナに入りきらない荷物は自分で運べる場合などは特に、単身パックで費用を抑えられます。一方、マイカーでの移動ができない遠方への引っ越しや荷物が入りきらない場合は、多少割高になっても単身プランを利用する方が便利です。単身パックと単身プランのどちらを選ぶかは、まずは自分の荷物の量を把握することが大切です。
荷造りの際に知っておきたいポイント
一人暮らしの引っ越しでは、ワンルームの場合でだいたいダンボール10枚から15枚程度が必要です。では、そのダンボールはどこで入手できるのでしょうか。ダンボール以外であったら便利なものについても紹介します。
ダンボールはどこで入手する?
引っ越しに必要なダンボールは枚数が限られている場合がほとんどですが、引っ越し業者が無料で提供してくれることがあります。しかし、単身パックを利用する際はダンボールの提供がないことが多いです。無料でもらえる場合は、何枚もらえるのか確認しておきましょう。
近所のスーパーなどで譲ってもらう
近所のスーパーや家電量販店などでは、商品が入っていたダンボールを譲ってもらえる場合があります。引っ越し日程が決まったら、譲ってもらえそうなスーパーにたずねてみてもよいでしょう。ただし、引っ越しの繁忙期では譲ってもらえなかったり、すでにほかの人に譲ることになっているという場合もありますので注意しましょう。
新品のダンボールを購入する
引っ越し業者によっては、自社のダンボールを販売している場合があります。1枚単位で購入できるため、必要な枚数だけ手に入れられて便利です。また、ネット通販やディスカウントショップでも、ダンボールが購入できます。1枚だけでも購入できますが、まとめて購入した方が割安になります。あらかじめ必要な枚数をカウントして、まとめて購入するようにしましょう。
あったら便利なアイテム
ダンボール以外にも、荷造りの際にあったら便利なアイテムがあります。
ハンディラップ(本などをまとめて梱包できる)
新聞紙や緩衝材(プチプチ)
掃除道具(荷造りと同時並行で簡単な掃除を済ませる)
100円ショップでも手に入る便利アイテム
荷造りで活躍するハンディラップや緩衝材、掃除道具は100円ショップでも販売されています。緩衝材がない場合は、新聞紙で代用できます。あまりお金をかけずに引っ越しをするためには、100円ショップを上手に利用しましょう。
引越し時のコストを抑える3つの方法
引っ越し時にかかるコストをより抑えるために、工夫できる3つのポイントについて紹介します。
引っ越しの閑散期を利用する
引っ越しの閑散期と呼ばれる時期に利用すれば、費用はかなり割安になります。前述した福岡の引っ越し費用の500km未満で荷物が多い単身者の場合、繁忙期は約16万円であるのに対し、閑散期は約半分の8万円程度です。同じ場所に引っ越しをするのに時期が違うだけで半額になると考えると、そのお得さがわかるのではないでしょうか。
引っ越しを依頼する曜日や時間帯もポイント
閑散期や繁忙期の考え方と同じく、引っ越しを依頼する曜日や時間帯によっても値段が変わります。土日祝日の午前中は引っ越しが多く、見積もりの料金が高い傾向にあります。つまり、その逆の曜日や時間帯を依頼すれば、通常の見積もり料金よりも割安になります。平日の昼間がねらい目です。
なるべく荷物を少なくする
荷物が少ない場合は、単身パックの方が割安です。単身パックで指定されたコンテナに入りきればよいので、荷物が少なければそれだけお得になります。引っ越し費用を節約するために荷物の整理をし、不要なものは思い切って処分するというのもよいかもしれません。
引っ越し見積もりを手軽にしよう
一人暮らしの引っ越しの場合、留守で見積もりの対応ができない場合もあるのではないでしょうか。インターネット上では、引っ越しの見積もりを簡単にできるサイトがあります。また、引っ越し業者ごとに簡易見積もりができるサイトもあります。最終的には現地で確認してもらうことになるとしても事前に見積もりを済ませておくだけで、時間的な負担が減ります。また、見積もりを複数社から取り寄せることで、値段やサービスの比較ができて安心です。その際、金銭的な比較だけでなく実際の利用者の口コミなどもあわせて調べておくと、さらに安心です。
まとめ
一人暮らしの引っ越しでは、準備期間が短かったり複数の見積もりを集める時間がなかったりします。なるべくスムーズに済むよう、事前に断捨離をしてなるべく荷物を少なくしておきましょう。また、急な引っ越しによる資金面のサポートは、西日本シティ銀行※「アプリカードローン」の利用をおすすめします。
※アプリカードローンは西日本シティ銀行の営業エリア内にお住まいの方のみお申し込みいただけます。東京都内、大阪府内の店舗ではお取扱いしておりません。詳細はwebまたは店頭窓口にてご確認ください。
大野翠
芙蓉宅建FPオフィス代表、FP技能士センター正会員
金融業界歴10年目、お金と不動産の専門家。生命保険、損害保険、各種金融商品の販売を一切行わない「完全独立系FP」として、プロの立場から公平かつ根拠のしっかりしたコンサルティングを開催している。