毎日の通勤や休日のドライブなど、車は私たちの生活で身近な存在です。大切に乗っている車でも、いつかは買い替えの時期がやってきます。本記事では、車の乗り換えのタイミングについて解説します。また、お得に買い替えができる時期や注意したいポイント、新車に買い替える前にしておきたいことについても紹介するので、参考にしてください。
車の乗り換えを検討する時期はいつ?
見た目に損傷がなくても、車はいつか買い替えをする必要がでてきます。そもそも車には、目に見える寿命がありません。一般的な乗り換えを検討する時期について、項目に分けて解説します。
車の寿命とは?
2019年(平成31年)に、自動車検査登録情報協会が取りまとめた車の使用年数(最初の購入から廃車まで)では、約13.26年というデータが公表されています。廃車とはそのあと誰も車に乗らないということなので、寿命とも捉えられます。ただし、この調査では廃車の理由までは不明なため、本当に故障してしまい物理的に乗れない車だったのか、まだ手を加えれば乗れる状態だったのかまではわかりません。
一般的に買い替えが多い時期とは?
一般的に新車を購入した人の場合、7年目から10年目の間で買い替えが多い傾向にあります。自動車検査登録情報協会によると、2020年(令和2年)の平均車齢(車の使用年数)は、8.72年でした。このため、一般的に買い替えが多い時期は、8年程度であることがわかります。
乗り換えを検討する時期の目安
車の乗り換えを検討する時期の目安には、以下のようなポイントがあります。
車検の時期に合わせる
自動車税が上がる時期
走行距離が10万キロを超える時期
メーカー保証が切れる時期
修理の頻度が上がり金額も高くなる時期
車検の期間に合わせる
新車で車を購入した場合、3年目が初回の車検です。そのあとは2年ごとの車検が義務付けられているので、5年目、7年目、9年目、11年目…と続きます。車検は、乗り出してからの年数が浅いうちは、そこまで費用がかからず金銭的な負担も軽減されます。しかし年数が経つと、メンテナンス費用などがかさむようになり、車検の事前見積りの結果次第では乗り換えた方がよい場合もあります。見積り金額次第で、乗り換えを検討するとよいでしょう。
自動車税が上がる時期
乗り換えを検討する時期でわかりやすいのは、自動車税が上がる時期です。普通車、軽自動車ともに、初度登録から13年超で自動車税が上がります。軽自動車税の方が自動車税よりも税率が高いため、税の値上がり後は経済的な負担を感じることが多いようです。また、税金に関しては割引などの制度がないため、誰でも等しく払う義務があります。したがって、自動車税の値上がりをひとつのポイントとして買い替えを検討する方がよいかもしれません。
10万キロを超える時期
走行距離10万キロに到達する時期を、車の買い替えの一つの目安にしてもよいでしょう。車の利用状況によっては、走行距離が10万キロ以降でも特に走行に影響がなく、まだまだ大事に乗り続けられる場合もあります。しかし、一般的なひとつの目安として走行距離が10万キロを超えた車は「過走行車」とみなされることがあり、下取りでは値段がつきにくいことも考えられます。
また10万キロ以降になると、メンテナンスの費用が高額になったり、車のメインとなる部分の交換が必要になったりする場合もあります。よって、10万キロは買い替えのひとつの目安として意識しておくとよいでしょう。
メーカー保証が切れる時期
新車を購入すると、一般的にはディーラー保証やメーカー保証などの名称で、購入した自動車販売店が一定の範囲内で車のトラブルを保証してくれるサービスが付帯されています。購入から3年あるいは走行距離6万キロまでなど、ディーラーによって保証内容の詳細には差があります。このメーカー保証期間であれば、メンテナンスにかかる費用の実費負担はほとんどありません。しかし保証期間を過ぎると、発生した費用すべてを自己負担することになります。その後の諸費用を考えると、メーカー保証が切れる時期は車を買い替える目安になります。
修理の頻度が上がり金額も高くなる時期
メーカー保証期間内で10万キロを超えていなくても、修理の頻度があがり一回当たりの費用が過分にかかる場合は、買い替えた方が家計負担が減ることもあります。オイル交換などのこまごまとしたメンテナンスではなく、長期間の修理や費用が何度もかかる場合などは、買い替えの目安です。
新車であればディーラー保証などのサービスがありますが、保証のない中古車を購入した場合などは買い替えた方がよいといえます。経済的な負担軽減というだけでなく、安全面からも同様です。
知っておきたい!お得に車を買い替えできる時期とは
自動車の買い替えは、いつでもよいというわけではありません。お得に買い替えられる最適なタイミングがあります。ここからは、知っておきたいポイントについて解説します。
下取り価格が高い時期
新車購入後、最初の車検は3年目に実施します。初回の車検前に売却すると、一般的な売却価格より高く値段がつきます。初回車検ではない場合でも車検時期が長く残っている車は、下取り価格が高くなる傾向にあります。加えて、12月から3月は中古車販売が盛んな時期であることから、買取価格も高額になる傾向です。これらを総合的に判断すると、より車検の年数が長く残っている車を、12月から3月の間に売却することがベストであるといえます。
安く車が買える時期
ディーラー独自の決算セールや新型モデルの発売直前などは、車が安く購入できるチャンスです。特に、モデルチェンジに際する旧モデルの値引きに関しては、ディーラー担当者がいる場合は事前に教えてもらうよう伝えておくとよいでしょう。最近では、インターネットや雑誌で車のモデルチェンジ情報を容易に入手できます。決算セールでは、特定の車種やグレードを指定した車を台数限定で安く発売することもあります。ディーラーの決算セールは、一般的に9月と3月の2回です。これらの情報を基に、よりお得に購入しましょう。
車を買い替える際に注意すべき3つのポイント
ここから、車を買い替える際に注意すべき3つのポイントについて解説します。いずれも早めの対策で事前に備えられます。買い替えを検討する際には、ぜひ参考にしてください。
人気の新車では納車待ちの場合も
買い替えを決断して気に入る車が見つかったとしても、人気の車種の場合は半年から1年程度待つ可能性があります。買い替え前の車がまだ乗れる状態であれば、納車されるまで使用できるので安心です。一方、故障が続き安全面に不安がある場合や、車検前に買い替えを希望しているなどの理由で検討するのであれば、今の車に乗り続けられません。
新車が納車されるまで長く期間が空くようであれば、別の車種を探すなどの対策が必要です。この他、急な買い替えの必要がある場合では十分に車を選ぶ時間がなく、買った後に後悔するかもしれません。そのため、なるべく時間的に余裕を持つことをおすすめします。
思ったより下取り価格がつかない
買い替えの際は、今の車を下取りしてもらって少しでも新車購入費用に充てたいと考える人がほとんどではないでしょうか。年式の浅い人気の車種や車検の残り期間が長いなど、高く下取りされる条件が揃っていれば高額で買い取ってもらえます。しかし、どんなにきれいに使用していた車でも、下取りの相場は一律の基準が設定されているため、思ったより下取り価格がつかない場合もあります。
また、一般的な中古車情報の販売価格と、実際の下取り価格は全く違います。中古車で50万円で売りだされているからといって、50万円に近い金額で下取りしてもらえることはありません。あくまでも、ディーラー側が査定した下取り価格でのやりとりになります。思ったより下取り価格がつかず、新車の購入費用が想定より多くなることも十分に考えられます。
マイカーローン金利は各社比較すること
新車購入時は、ローン契約を組む場合が多いです。その際には、必ず各社のローン金利を比較しましょう。西日本シティ銀行では書類の郵送も不要なWebやアプリで契約可能なマイカーローンを準備しています。新車購入だけでなく、中古車購入や他社マイカーローンの借り換えに利用できます。
新車にする前に用意しておくべきこと
新しい車に乗り換える前にしておくべきことについて、大きく3つのポイントを紹介します。直前でバタバタしなくてもよいように、あらかじめ確認しておきましょう。
任意保険の引継ぎ
今までの車でかけていた自動車保険の引継ぎは、必ず早めに対応しておきましょう。自動車保険の引継ぎは、車両入れ替えともいいます。だいたいの納車予定日がわかれば、車両入替の事前連絡は可能です。車両入替に際し、特に車両保険を付加している場合は保険料が大きく変わることがあります。これまでの保険料に上乗せして支払う必要がある場合は、いつから保険料が変更になるのかなどを加入している損害保険会社に確認しておきましょう。逆に、安全性の高い車に買い替えた場合は、保険料がこれまでより安くなることもあります。
必要書類の準備(納税証明書など)
自動車保険の納税証明書など、買い替えの際に必要となる書類は早めにそろえておきましょう。特に普通自動車の納税証明書の再発行には、時間がかかる場合もあります。必要となる書類の取り寄せにかかる時間も考慮して、早めに対処しておきましょう。行政窓口での取り寄せが必要な書類に関しては、マイナンンバーカードがあればコンビニでも発行可能なものがあります。コンビニで発行できない場合は、開庁時間内に手続きをする必要があります。時間的に余裕をもって準備しましょう。
自動車ローンの取り扱い
今乗っている買い替え前の車を自動車ローン契約で購入しており、まだローン残高が残っている場合はどのように取り扱うのかを必ず確認しましょう。ローン残高が買い替えの下取り価格と同額程度であれば、相殺することもできます。相殺が難しい場合は、残りのローン残高についてどう取り扱うのがよいか、自動車購入の際の担当者とよく話し合いをしてください。別途手数料が発生する場合もありますので、費用面についても確認しておきましょう。
まとめ
自動車の買い替えは、最適なタイミングを見計らって行うことで、とても快適に進められます。中古車販売の流通量が増える時期に下取りに出してより高値で売れたり、決算期を狙って購入することでより安く買えたりします。西日本シティ銀行のマイカーローンでは、Web上で契約が可能です。書類の郵送もなくスムーズな取引ができるため、一度相談してみてください。
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大野 翠
芙蓉宅建FPオフィス代表、宅地建物取引士、2級FP技能士
金融業界歴10年目、お金と不動産の専門家。生命保険、損害保険、各種金融商品の販売を一切行わない「完全独立系FP」として、プロの立場から公平かつ根拠のしっかりしたコンサルティングを開催している。