こんにちは。薬膳料理研究家・SATOEです。福岡市平尾にあるキッチンから、皆さんの体調やココロを整える薬膳料理を発信しています。コラムでは、季節の過ごし方、体調別のおススメ食材、ご家族で美味しく食べることのできるカンタン薬膳レシピをお伝えします。今回のテーマは「春のダイエット薬膳」。薬膳料理で身体とココロを整えて、おいしく楽しい生活を送りませんか?
新緑の美しい、気持ちのいい季節になってきましたね。気温もだんだんと上がり、お昼になるともう半袖一枚で過ごしている方もいらっしゃると思います。
そこで気になるのが、薄着になったときの今まで気づかなかったカラダのライン。
今年は特に、ステイホームの自粛期間中にいつもより食べる量が増えてしまい、例年にも増してカラダのラインが気になります、という声も耳にします。
ダイエットしたい、でも、単に食事を減らすダイエットでは免疫や体力を失ってしまいますよね。健康な体のまま、カラダをスッキリさせるダイエット、薬膳料理で実現しましょう!
薬膳の世界では、太る原因は体質にあると考えられています。
次の3つの体質になっている場合、カラダが太りやすい状態にあると考えてください。
以下の項目にチェックを入れてご自分の体質を診断してみてください。
A
□ 歩くと息切れする
□ 疲れやすい
□ 消化が弱い
□ 食欲がでない
□ お腹が張っている
↓
B
□ カラダがだるい
□ むくんでいる
□ 口の中が粘っこい
□ 痰がでる
□ お腹がグルグル鳴ることがある
C
□ 最近イライラする
□ ため息がでる
□ 気持ちが落ち込みやすい
□ 最近よく眠れない
□ 脇の付け根を押すと痛い
いかがですか?A,B,C、それぞれ当てはまる項目はいくつありましたか?
診断結果は次の通りです。
Aにチェックの多い方は
【気虚(ききょ)体質】
「気」の不足により、臓腑の機能やカラダのエネルギーが低下している状態です。食べる量が少ないのに太ってしまうタイプです。
おススメ食材は、山芋、南瓜、椎茸、栗、牛肉、鰻、鯛、なつめ、蜂蜜です。
⇒おススメの薬膳料理は、【レシピNO1】南瓜粥
Bにチェックの多い方は
【痰湿(たんしつ)体質】水分代謝の異常により、痰や湿がカラダにたまっています。むくみにより体重が増加しているタイプです。
おススメ食材は、里芋、海苔、大麦、はと麦、とうもろこし、冬瓜、あずき
⇒おススメの薬膳料理は、【レシピNO2】はと麦と里芋のミネストローネ
Cにチェックの多い方は
【気滞体質】気の流れが停滞し詰まっていることで、気分にムラが出やすくなっています。ついつい暴飲暴食しやすいタイプです。
おススメの食材は、みかん、ゆず、オレンジ、蕎麦、ターメリック、クミン、カルダモン
⇒おすすめの薬膳料理は、【レシピNO3】薬膳キーマカレー ~紅花ライス添え~
では、ぞれぞれの体質別に3つのおススメの薬膳レシピをみていきましょう!
【レシピNO1】南瓜粥
【材料(4人分)】
南瓜・・・・・・・・160g
くこの実・・・・・・10g
南瓜の種(乾燥)・・・・・・8g
白米・・・・・・・・1合
水・・・・・・・・・1800cc
【作り方】
1 クコの実は少量の水に15分ほどつけ、やわらかくしておく。
2 南瓜は皮をむき、1センチ角に切る。
3 土鍋に、白米、南瓜、水を入れ、強火→(沸騰したら)弱火で30分たく。途中でかき混ぜながら南瓜をつぶしていく。
4 火を止めたら、蓋をしたまま30分そのまま蒸らす。
5 お粥を器に盛り、クコの実と南瓜の種を飾る。
【レシピの効果】
南瓜には「気」をチャージする効果があります。元気が足りない、消化機能が弱っているなど「気」が足りないせいで体重が増加している、そんなときにおススメなのがこの南瓜粥です。お粥はそもそもカロリーのかなり少ない料理です。食事を減らす代わりに、一日三食カラダに優しい南瓜粥を食べてみてください。きっと、無理なくカラダをスッキリさせることができるはずです。
【レシピNO2】はと麦と里芋のミネストローネ
【材料(2人分)】
はと麦・・・・・・・40g
里芋・・・・・・・・60g
玉ねぎ・・・・・・・40g
セロリ・・・・・・・40g
人参・・・・・・・・40g
トマト・・・・・・・200g
ニンニク・・・・・・1片
野菜出汁・・・・・・300cc
塩・・・・・・・・・小さじ1
蜂蜜・・・・・・・・大さじ2
オリーブオイル・・・小さじ1
パセリ・・・・・・・適量
【作り方】
1 はと麦は、良く洗い、柔らかくなるまで茹でる(約20分)。
2 里芋は皮をむき、1cmの角切りにし、水から茹でる。
3 玉ねぎ、セロリ、人参、里芋は、1cm長さ(角)になるように包丁で切る。ニンニクはみじん切りにする。トマトはざく切りにする。パセリはみじん切りにする。
4 鍋にオリーブオイルとニンニクを入れて熱し、ニンニクの香りが立ったら1の玉葱、セロリ、人参を加えて炒める。
5 2に野菜出汁300cc、カットしたホールトマト、はと麦、里芋、塩、蜂蜜を加え、弱火で15分煮込む。
4 器に盛る。みじん切りにしたパセリを散らす。
【レシピの効果】
里芋には痰を取り去る効果、はと麦にはむくみとりの効果があります。この2つを組み合わせることで、水分代謝の不調によりカラダに溜まった痰湿を取り除きます。食べるとお腹いっぱいになりますが、野菜たっぷりなのでカロリーも少なめ。ダイエットしたい方の中には、太っているのではなく実はむくんでいるという場合もあります。まずは、このスープでむくみを取ってからダイエットを始めてみてください。
【レシピNO3】薬膳キーマカレー ~紅花ライス添えー~
【材料(2人分)】
<スパイス>
姜黄(ターメリック)・・・・・小さじ1.5
クミン・・・・・・・・・・・・小さじ1.5
小豆?(カルダモン)・・・・・小さじ1.5
コリアンダー・・・・・・・・・小さじ1.5
唐辛子(粉)・・・・・・・・・小さじ1
<キーマカレー>
鶏ひき肉・・・・・・・・・・300g
玉ねぎ・・・・・・・・・・・260g
ニンニク・・・・・・・・・・1かけ
生姜・・・・・・・・・・・・20g
トマト・・・・・・・・・・・160g
しめじ・・・・・・・・・・・40g
ひよこ豆・・・・・・・・・・40g
ヨーグルト(プレーン)・・・・大さじ3
水・・・・・・・・・・・・・100cc
しょうゆ・・・・・・・・・・小さじ2
塩・・・・・・・・・・・・・小さじ1
オリーブオイル・・・・・・・大さじ2
<紅花ライス>
紅花・・・・・・・・・・・・0.4g
白米・・・・・・・・・・・・1合
【作り方】
1 スパイスは、全て混ぜ、フライパンで乾煎りしておく。
2 炊飯器に、白米と水(通常通りの量)を加え、そこに紅花を加え混ぜ、そのまま炊く。
3 玉ねぎは1cm角に切り、トマトはヘタを取って乱切りにする。しめじは石づきをとってほぐしてみじん切りにし、ニンニクと生姜は擦りおろす。
4 フライパンにオリーブオイル大さじ2を熱し、玉ねぎを加え、中火できつね色になるまで炒める。
5 玉ねぎがきつね色になったら鶏ひき肉を加える。しっかり水分を飛ばしながら炒める。
6 鶏ひき肉に火が通ったら、乾煎りしたブレンドスパイス、生姜、ニンニクを加え、全体を良く混ぜる。
7 4にトマト、しめじ、ヨーグルト、ひよこ豆、水、しょうゆ、塩を加え、全体の水分がなくなるまで混ぜながら煮る(約10分)。
8 炊きあがった紅花ライスを丸く器によそい、上からキーマカレーをかける。
【レシピの効果】
カレーを食べてやせるなんて?!と思う方もいらっしゃると思いますが、薬膳カレーを食べて発汗して気を巡らせることでダイエットになります。ターメリック、クミン、カルダモンは、特に気を巡らせる効果の強い食材です。そこに紅花ライスの血を巡らせる効果を合わせることで、カラダ全体の巡りを良くするレシピになっています。油分の少ない薬膳キーマカレーです。つい食べ過ぎてしまうという方は、この薬膳カレーをストックして食べてみてくださいね。
【まとめ】
ダイエットをしている方は、食事の量を減らそうとしがちです。でも、それではカラダとココロに負担がかかりますよね。特に、このコロナ禍の中で免疫を下げるような無理なダイエットはお勧めできません。食べる量を減らしてダイエットするのではなく、体調の偏りを改善して自分本来の食欲や体型を取り戻してください。ご自身に合った薬膳料理を食べることで無理なくダイエットができます。
「薬膳料理で楽しく美味しく体質改善」。ご自宅でも作れるカンタン薬膳料理。これからの薄着の季節に向けて今から薬膳でダイエットしませんか。
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SATOE
薬膳料理研究家。国際薬膳師。「薬膳ハウス金木犀」主宰。株式会社金木犀代表。株式会社LeQUALIA共同代表。
約12年にわたり公務員として勤務。自身の体調不良をきっかけに薬膳と出会い、薬膳料理家に転身。福岡市内の料理教室「薬膳ハウス金木犀」を主宰。メディア出演や情報誌などでもコラムを掲載。「楽しく美味しく体質改善」をテーマに、ハーブやスーパーフードも取り入れた新たな薬膳料理を提案。