子どものおもちゃ選びに迷ってしまうことも多いと思います。今回は子どもの知的発達に役立つ知育玩具の選び方について、年齢別にご説明いたします。子どもが喜ぶだけでなく、親も一緒に楽しめるおすすめの知育玩具をピックアップしていますので参考にしていただければ幸いです!
子どもの教育に役立つ!知育玩具とは?
そもそも知育玩具ってなに?
知育玩具と聞くと、子どもの知的発達に良さそうな印象を抱くかと思います。その印象で間違いはありません。少し詳しくご説明すると、「知育」とは知的能力を育てる、知識を習得させるための教育のことを指します。「玩具」はそのまま、おもちゃの意味です。
つまり、「知育玩具」は「楽しく遊びながら、知的発達の向上が期待できるおもちゃ」のことです。
以下では、知育玩具がどのようなおもちゃか、子どもに知育玩具を与える意味は何か、についてもっと詳しくお伝えします。
知育玩具は脳の発達を促進するおもちゃ
先ほどお伝えしたように、知育玩具は子どもの脳を育てるおもちゃです。
子どもの脳は生まれてから驚異的なスピードで成長します。生後6~8か月で約2倍の大きさになり、3歳頃には脳の発達は80%程度完了すると言われています。そういった脳の成長期に刺激を与えてくれるのが知育玩具なのです。
乳幼児期は、視覚や聴覚をはじめとした五感においても、いろいろなことを学習しようという感受性が高まっています。この時期に良い刺激をたくさん受けることで、子どもの知能の発達が促進されるのです。
すべてのおもちゃは知育玩具
知育玩具と聞くと、特別なものや高価なものを想像するかもしれません。しかし、乳幼児にとってはどんなおもちゃも珍しく刺激になります。すべてのおもちゃは広い意味での知育玩具です。
たとえば、積み木のように昔からあるおもちゃも、子どもの脳の発達に良い影響を及ぼします。高価なものや目新しいものにこだわる必要はありませんが、できるだけ良い効果を与えられるよう、ポイントを押さえながら選びましょう。
知っておくと役に立つ!知育玩具を選ぶポイント
今はおもちゃの種類もたくさん。そんな中で、親が知育玩具を選ぶときのポイントを2つご紹介いたします。
知育玩具選びのポイント①:子どもの年齢に合ったものを選ぶ
知育玩具としての効果を期待するなら、子どもの年齢に合ったものを選びましょう。たとえば、まだ物を持ったり掴んだりできない子どもに、積み木やパズルを与えてもうまく遊べません。
子どもが興味を持たないのに無理に遊ばせるのは良くありません。子どもの成長には個人差もあるので、発達の程度に合ったものを選ぶことが大切です。
知育玩具選びのポイント②:親子で一緒に楽しく遊べるものを選ぶ
知育玩具を与えても、子どもが最初から関心を示すとは限りません。ですが、親が楽しそうに遊んでいるのを見れば、多くの子どもは興味を持ちます。
知育玩具の中には、大人も遊べるものもたくさんあります。親子でコミュニケーションをとりながら一緒に遊ぶことで、子どもの発達をより促進できます。
【0〜1歳】乳児期におすすめの知育玩具
0歳児の間は、指先もまだ発達していません。音を聞く、動きを見る、手で触るなど、いろいろな感覚に刺激を与えられるおもちゃで遊ばせてみましょう。
0歳児におすすめの知育玩具
ファーストトイとも言える乳児期の知育玩具。多くの人が買ってよかったと感じているおもちゃとしては、次のようなものが挙げられます。
音が鳴って動く「オルゴールメリー(ベッドメリー)」
オルゴールに合わせて人形などが動く「オルゴールメリー」は、まだ動けない赤ちゃんの聴覚や視覚を刺激するのに役立ちます。赤ちゃんがメリーを目で追うようになったり、笑ったりするようになることで、成長を実感できるのも嬉しいものです。
「オルゴールメリー」には、人気キャラクターのもの、カラフルなデザインの海外製のもの、木製や布製など天然素材にこだわったものなどいろいろあります。子育てが楽しくなるものを選びましょう。
赤ちゃんの「ラトル(ガラガラ)」
「ラトル」は振ると音が出るおもちゃで、日本では昔からガラガラと呼ばれているものです。3~4か月くらいまでは大人が近くで鳴らして音を聴かせますが、5~6か月くらいになると赤ちゃんが自分で手に持って遊べるようになります。
赤ちゃんの手首に付けられる布製の「ラトル」は、まだ手に持つことができない赤ちゃんでも自分で音を鳴らせます。木製のものも肌触りが良くておすすめです。
仕掛けも楽しめる「布絵本」
その名の通り布で作られた絵本。読んで楽しむ絵本というよりも、見たり触ったりして楽しむおもちゃです。
「布絵本」には、紐で結んだりボタンを留めたり、いろいろなことを覚えられるような仕掛けがあるものをおすすめします。
【1歳〜】幼児期におすすめの知育玩具
1歳〜の幼児期には、できることが飛躍的に増えてきます。大人が一緒に遊べる知育玩具もたくさんありますので、子どもの発達の段階に合わせて楽しみながら選んでみましょう。
1歳児におすすめの知育玩具
1歳くらいになると大人の様子を見ていろいろなことに興味を示すようになります。まだ指先はうまく使えないので、簡単に動かせて五感を刺激するおもちゃがよいでしょう。
①自分で音を奏でられる「シロフォン」「グロッケン」
1歳頃には手に何かを持って叩く動作ができるようになります。この時期におすすめなのが「シロフォン」とも呼ばれる木琴です。叩く場所によって音の高さが変わるので、音感を鍛えるのにも役立ちます。
また、「グロッケン(グロッケンシュピール)」と呼ばれる鉄琴は、木琴とは違った深く表情豊かな音色を奏でます。ドイツ製のものが主流ですが、子どもに本物の音を聴かせたいというこだわりがある人はぜひチェックしてみてください。
②ビーズを自由に動かせる「ルーピング」
「ルーピング」は、ルーピングコースターとも言い、複雑な形のワイヤーに通されたビーズを動かして遊ぶおもちゃです。決まったルールがなく、1歳くらいの子でも好きなように遊べます。手を使ってビーズを動かすことで、脳に刺激が与えられ、またワイヤーやビーズがカラフルなものを選べば、色を識別する力も養うことができます。
2歳児におすすめの知育玩具
2歳くらいになると、子どもは自分の意思で行動したがるようになります。子ども自身が考えながら遊べるおもちゃを選んでみましょう。
①叩いてビックリ「ハンマートイ」
ハンマーで叩くことで変化が起こるのが「ハンマートイ」。ハンマーでペグを叩くと引っ込むものや、ハンマーでボールを叩くと反対側からボールが飛び出すものなど、幼児の好奇心を刺激するものがたくさんあります。
2歳くらいになると力を入れて叩いたり、狙った箇所を叩いたりすることができるようになります。自分の意思で操れるおもちゃは知的な発達に効果的です。
②不思議な形の積み木「ネフスピール」
出典:つみきや
子どもが大好きな積み木ですが、特に知育に役立つものが欲しいなら「ネフスピール」がおすすめです。スイスのネフ社が1958年に発売した不思議な形をした積み木で、60年以上世界中で愛されているロングセラー商品です。四角い積み木ではできない形が作れて、バランスを考えて積まなければならないのでバランス感覚も養われます。
3歳児におすすめの知育玩具
3歳になると言葉も増え、好奇心も旺盛になってきます。文字や数にも興味が出てくるので、考える力を育むおもちゃを選んでみましょう。友達と一緒に遊べるものもおすすめです。
①数を覚えられる子ども用そろばん「アバカス」
アバカスとは日本でいうそろばん。数の概念や数え方を覚えるためのおもちゃが「アバカス」です。よくあるタイプのものは、そろばんのように平行な複数の棒に、それぞれ同じ数のビーズが通してあるもの。ビーズを動かしながら数の数え方を覚えることもできます。
②ママも欲しくなる「ままごとセット・キッチン」
ままごとのようなごっこ遊びをすることで、子どもの想像力は鍛えられます。友達と一緒にままごとをすれば、協調性も身に付くことも期待できます。
「ままごとセット」は安いものから高いものまで種類も豊富です。特に注目したいのは、流しやコンロの付いた「ままごとキッチン」。ナチュラルテイストの木製のものもあり、あまりのかわいらしさに大人もつい欲しくなってしまうでしょう。
4歳児におすすめの知育玩具
4歳くらいになると、指先も器用になり、自分の思い通りに遊べるようになってきます。おもちゃを与えるなら、創造力を引き出すものが良いでしょう。
①男の子にも女の子にも人気の「レゴブロック」
「レゴブロック」と言えば、もはや知らない人はいないくらいの世界的大ヒット知的玩具。子どもの頃に遊んだ人も多いのではないでしょうか。
「レゴブロック」には1歳半から遊べる「デュプロ」という大きめのブロックもありますが、通常のレゴブロックは4歳くらいからが対象。男の子向き、女の子向きなどいろいろなセットが出ているので、お子さんに合ったものを選んでください。
②ひらめきに任せて遊べる「ピタゴラスシリーズ」
ピタゴラスは玩具メーカー「ピープル」の知育玩具。その中でもロングセラーとなっているのが「ピタゴラス」シリーズです。いろいろな形のプレートが磁石でひっつくようになっており、子どもがひらめきに任せて自由自在に組み立てて遊べるようになっています。
ひらめきプレートは、元々は中学校の先生が図形や立体の勉強のために作った教材。幼児が算数を理解するのにも役立つと言われています。1歳半から遊べますが、4歳くらいになるとかなり興味を持つと思います。特にWORLDシリーズは4歳児にちょうどよいのではないでしょうか。
5歳児におすすめの知育玩具
5歳は保育園や幼稚園での集団生活にも慣れてきた頃。集中力を鍛えるおもちゃを親子で楽しんでみてはいかがでしょうか。
①「カタミノ」
出典:つみきや
フランスのギガミック社製の「カタミノ」は、世界各国で評判になっている優れた知育玩具です。これは、決まった枠の中にさまざまな形のブロックを隙間なくはめていくというもの。ゲームのテトリスと同じような遊び方です。シンプルですが飽きがこない「カタミノ」は、図形に対する感覚を鍛えられるだけでなく、集中力も鍛えられます。大人もつい夢中になってしまうおもちゃです。
6歳児におすすめの知育玩具
6歳になると、小学校入学を前に勉強に向けて準備をさせたいという親が多いと思います。教育効果が高いと言われるおもちゃで、一緒に遊んでみてください。
①「LaQ(ラキュー)」
出典:LaQ 公式
日本製の知育玩具の中で、大人にも人気なのが「LaQ(ラキュー)」です。7種類の小さなパーツから平面、立体、幾何学体などあらゆる形を作れるパズルブロック。5歳くらいから長く遊べます。
「LaQ」には想像力や思考力の発達を促進する効果があります。Webで“LaQ芸術祭”というコンテストも実施されているので、親子で作品作りにチャレンジしてみるのも楽しいでしょう。
知育玩具は手作りしてもOK
知育玩具を見ていると、あれもこれも欲しくなってくると思います。ですが、何もかも買うわけにはいきませんよね。おもちゃは手作りすることもできます。ここでは、筆者が子育て中に実際に手作りしたおもちゃをご紹介します。
手作り布絵本
一見、難しそうに感じる布絵本ですが、それほど凝ったものでなければ簡単に作れます。筆者の場合には、キルティングの布にフェルトで動物のアップリケをして作りました。
アップリケした動物の上に布をかぶせて「いないいないばあ」をして遊べるようにしたり、赤ちゃん用の帽子を縫い付けて動物が帽子から顔を出しているデザインにしたり、自分なりにいろいろ工夫をしてみました。
人に見せるわけではないので、上手にできなくても気にする必要はありません。ママの気持ちのこもった世界に一つだけのオリジナル絵本をぜひ作ってみてください。
家にあるものを利用したままごとキッチン
2~3歳の子どもにちょうどいい高さのベンチチェスト(たんす)があったので、これを使ってままごとキッチンを作りました。たんすの上がコンロとまな板を置くスペース。段ボールをくり抜いて、ステンレスのボールをはめこんだ流し台を別に作って横に置きました。
コンロには本物の鍋をセッティング。包丁とまな板はホームセンターで買ってきた板で、野菜はフェルトで作りました。公園で拾ってきたどんぐりなども食材に見立ててキッチンに並べると、色とりどりで素敵なキッチンになりましたよ。
まとめ
感受性の豊かな乳幼児期に知的玩具で遊ばせることによって、子どもの発達を促す良い効果が得られます。いろいろな工夫が施されている知育玩具がたくさんあり、インターネット通販でも手軽に入手できます。楽しみながら選んでみて、子どもの目線で一緒に遊んでみるのがおすすめです。
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森本 由紀
AFP(日本FP協会認定)、行政書士、夫婦カウンセラー
大学卒業後、複数の法律事務所に勤務。30代で結婚、出産した後、5年間の専業主婦経験を経て仕事復帰。現在はAFP、行政書士、夫婦カウンセラーとして活動中。夫婦問題に悩む幅広い世代の男女にカウンセリングを行っており、離婚を考える人には手続きのサポート、生活設計や子育てについてのアドバイス、自分らしい生き方を見つけるコーチングを行っている。