就業不能保険の仕組みとは?メリット・デメリット&他の保険との違いを総まとめ

就業不能保険の仕組みとは?メリット・デメリット&他の保険との違いを総まとめ

病気やけがで入院しても、医療保険に入っていれば給付金が受け取れます。しかし、退院後も自宅療養などですぐには働けない状態が長期化すると、収入が無い期間が生じる可能性があります。そこで活用したいのが「就業不能保険」です。この記事では、就業不能保険の仕組みと役立つシーンについて解説します。

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病気やけがで働けないリスクのための就業不能保険とは?

就業不能保険の特徴

毎月の給与代わりに働けないときの生活費をカバー

就業不能保険とは、病気やけがで働けなくなったら、決められた期間に一定の給付金を受け取れる保険です。このような保障がメインとなった保険商品であるパターンと、死亡保障など他の保険に就業不能特約として付加されるパターンがあります。また、保険商品によってスペックが異なることが多いため、就業不能保険は比較検討が難しい商品なのです。

保障内容の例

以下は、一般的な就業不能保険の契約例です。

被保険者

30歳・男性

保険期間・払込期間

60歳まで

給付金/月

10万円

保険料/月

3,000円

上記の例では、保険会社所定の「就労不能状態」となったら、60歳まで毎月10万円の給付が受けられます。

一般的な就業不能保険の共通点

就業不能保険は、一定の期間を保障する定期保険であることが一般的です。また、途中で解約したり、保険契約が満了したりしても返戻金がない「掛け捨て」タイプとなっています。

他の保険との違い

収入保障保険との違い

就業不能保険と非常に似た名前の保険商品に、「収入保障保険」があります。言葉は似ていても、この両者は全く違う保険です。

就業不能保険は、自分が働けない場合において、自分や家族の生活費が保障されます。このとき、給付金を受け取るのは自分自身です。

これに対し、収入保障保険は、自分が亡くなった場合の遺族の生活費が保障されます。給付金・保険金の支払い方法が主に年金形式なのは共通ですが、収入保障保険で保険金を受け取るのは遺族です。

所得補償保険との違い

病気やけがで働けないときの保険には、就業不能保険の他に「所得補償保険」があります。この両者は保障(補償)内容が似ていますが、就業不能保険は生命保険の商品で、所得補償保険は損害保険の商品です。

その他の違いには、以下のようなものがあります。

就業不能保険

所得補償保険

保険金額

10万円など任意の月額

前年度所得の50~70%を月割りにした金額

保険期間

65歳まで/10年など長期

主に1年更新

保険金・給付金の受取期間

5年などの一定期間、または保険期間満了までなど、商品や個々の契約ごとに異なる

1年更新の場合、主に最長2年

保険料

年齢・性別・保険金額・保険期間によって決まる

職種によって決まる

加入できる人

一部制限あり

働いて収入のある人(例外あり)

所得補償保険には、60歳までなど長期の補償をする「長期所得補償保険」もあります。

医療保険との違い

病気やけがのリスクに備える保険といえば「医療保険」です。医療保険にはない、就業不能保険ならではの特徴にはどのようなものがあるでしょうか。

医療保険との違いは以下のとおりです。

就業不能保険

医療保険

どんなときに使うのか

病気やけがで働けないとき

病気やけがで入院するとき

目的

働けないときの収入減に備える

入院時の医療費に備える

給付の時期

免責期間後、所定の期間(医療保険に比べて長期)

多くの場合、60日~120日(入院中のみ)

一般的に、医療保険の保障期間が終わっても働けない状態が続くと、就業不能保険の保障がスタートします。

就業不能保険のメリットとデメリット

就業不能保険のメリットとデメリット

死亡や入院ではなく、働けない状態を保障してくれる就業不能保険には、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

メリット

長期にわたって働けないときの経済的ダメージを軽減できる

病気やけがによる入院は短期化の傾向にありますが、退院後すぐに働けるようになるとは限りません。働いていなくても、食費や光熱費はかかります。そして、働けない期間が長期化すると、収入減少が家計を圧迫するでしょう。そのような場合でも毎月給付金を受け取れたら、経済的なダメージを軽減することが可能です。

公的保障で賄いきれない生活費を補填できる

会社員や公務員が業務外の事由による病気やけがで働けなくなった場合、健康保険から傷病手当金を受け取れます。傷病手当金の支給額の目安は、月給の約3分の2です。例えば、月給30万円の場合、傷病手当金は20万円なので、生活費が不足する場合も考えられます。そんなときに、保険からの給付金が受け取れたら、足りない生活費を補えます。

デメリット

就労不能になってもすぐに給付金が受け取れない

就業不能保険には、60日や180日などの免責期間(給付がされない期間)があります。免責期間中に回復し、仕事に復帰した場合は給付金が支払われません。

支払対象になる「就労不能」の要件が保険会社によって違う

支払対象となる「就労不能状態」の判定基準は、保険会社により異なります。病気やけがで働けないケースが全て「就業不能」と認められるわけではなく、むしろそれより厳しい場合もあります。どのような場合が支払対象かは必ず確認しましょう。

うつ病などの精神疾患が対象にならない商品が多い

一般的にうつ病などの精神疾患は完治が難しく、治療が長期化しやすい傾向にあります。就業不能保険には、そういった精神疾患を支払対象外にしている商品が多くなっています。精神疾患の保障が必要と考えるのであれば、支払対象をよく確認しましょう。

就業不能状態と認定される条件とは?

就業不能状態と認定される条件とは?

デメリットの項でも述べましたが、就業不能保険の支払対象となる「就業不能状態」の定義は保険会社によって異なります。

就業不能状態の目安

一般的に就業不能状態の定義について、次のように定めている商品が多いといえます。

● 病気やけがのために、病院などに入院している状態

● 病気やけがのために、医師の指示のもとで在宅療養に専念している状態

● 国民年金法施行令に定める障害等級2級以上に認定された場合

在宅療養とは「自宅で治療に専念すること」であり、単に在宅しているだけでなく、仕事ができない状態でなければなりません。

就業不能でも保険会社によっては支払われない状態

● うつ病などの精神障害による就業不能状態

● むちうち症や腰痛など、医学的な裏付けが難しい病気及びけがによる就業不能状態

保険会社共通で支払われない状態

● 故意または重大な過失による就業不能状態

● 犯罪行為 または自殺行為による就業不能状態

● 戦争や地震などによって発生した就業不能状態

働けないときに活用できる公的保障

働けないときに活用できる公的保障

働けなくなったときに備えて民間の保険を検討するとともに、どのような公的保障が利用できるのかも確認しておきましょう。

傷病手当金

会社員や公務員が業務外で病気やけがをした場合、健康保険から傷病手当金の給付を受けることができます。4日以上連続で欠勤すると、平均標準報酬月額の3分の2の金額が支給されます。傷病手当金が支給されるのは最長1年6ヶ月までです。

出典:厚生労働省「傷病手当金について

休業補償給付と休業給付

傷病手当金は業務外の病気やけがを保障しますが、業務中に負ったけがなどが理由の休業は労災保険で補償されます。労災保険では治療費以外に、休業した場合の補償が受けられます。4日以上の欠勤の場合、4日目以降の標準報酬日額の2割が健康保険から支給されます。

休業補償給付は業務災害が原因となった休業に対する給付で、休業給付は通勤災害が原因となった休業に対する給付です。

障害年金

公的年金には、病気やけがなどで障害が生じたときに支給される「障害年金」があります。国民年金の加入者は障害基礎年金が受けられ、厚生年金の加入者は障害基礎年金にプラスして、障害厚生年金が受けられます。

障害の等級について

障害基礎年金には障害等級1級・2級が、障害厚生年金は障害等級1〜3級があります。障害等級の認定を受ける際には、初診から1年6ヶ月が経っている必要があり、認定を受けた障害の等級によって受け取る金額が変わります。

障害基礎年金の受給額

障害等級1級

97万7,125円

障害等級2級

78万1,700円

18歳未満の子どもがいる場合、子の加算が受けられます。

第1子、第2子

1人につき、22万4,900円

第3子以降

1人につき、7万5,000円

※2020年(令和2年)4月からの年金額

障害厚生年金の受給額

障害厚生年金は、平均標準報酬額や加入していた期間などによって、個人個人で年金額が変わります(報酬比例の年金)。

障害等級1級

障害基礎年金(97万7,125円)+報酬比例の年金×1.25+配偶者加給年金

障害等級2級

障害基礎年金(78万1,700円)+報酬比例の年金+配偶者加給年金

障害等級3級

報酬比例の年金(最低保証58万6,300円)

※2020年(令和2年)4月からの年金額

配偶者加給年金は、1級または2級の場合で、生計維持関係にある65歳未満の配偶者がいるときに付加されます。該当する場合の年額は22万4,900円です。

高額療養費制度

公的健康保険には、1ヶ月(月初から月末まで)の医療費が高額になると、一定の自己負担額を超えた分が後で払い戻される「高額療養費」という制度があります。

高額療養費制度では、年齢や所得に応じて、医療費の自己負担の上限が決められています。また医療費が高額になりそうな場合は、事前に限度額適用認定証を健康保険組合に申請することで、病院などでの支払いを自己負担額までに抑えることができます。

出典:厚生労働省「高額療養費制度について

自営業者と会社員の公的保障の比較

ここまで、働けないときに活用できる公的保障を確認してきました。公的保障に関して、自営業者と会社員には大きな違いがあります。以下の表にまとめました。

健康保険

障害年金

労災保険

会社員

傷病手当金

障害基礎年金

障害厚生年金

休業補償給付

療養補償給付など

自営業

傷病手当金なし

障害基礎年金

なし

就業不能保険はどんな人におすすめ?

就業不能保険はどんな人におすすめ?

では、就業不能保険の必要性が高いと考えられるのは、どのような人でしょうか。

就業不能保険の必要性が高いと考えられる人

自営業者

上述したとおり、自営業やフリーランスの人はいざというときに頼れる公的な給付がほとんどありません。ゆえに、働けなくなって収入が途絶えたときの経済的なダメージが、会社員や公務員より大きくなると考えられます。

そこで、公的保障の代わりの収入源を確保する必要があります。そのための選択肢として、就業不能保険を検討するのもいいでしょう。

住宅ローンを返済中の人

住宅ローンを返済中の人は、死亡時には団体信用生命保険によって遺族がローンの返済をしなくても済みます。しかし、団体信用生命保険の内容にもよりますが、病気やけがで働けなくなった場合にはローンの返済は続きます。

特に残債が多い間は、働けないときのローンの返済をどうするかを検討しておいたほうがいいでしょう。その場合の備えとして就業不能保険が役立つと考えられます。

貯蓄や資産が少ない人

病気やけがで働けなくなると、傷病手当金があっても、生活費以外に医療費の負担もしなくてはなりません。その状況で蓄えがないと、経済的に行き詰まることも考えられます。貯蓄や資産が少ない人は、就業不能保険に加入することを検討しておくといいでしょう。

就業不能保険の必要性が低いと考えられる人

反対に、筆者の経験則として就業不能保険の必要性が相対的に低いと考えられるのは、以下のような人です。

● 上場企業や公務員のように事業所の福利厚生が整っている人

● 貯蓄がたくさんあったり、不動産収入等があったりする人

就業不能保険の選び方

就業不能保険の選び方

1.いざというときに受けられる公的保障を確認する

自営業・フリーランスと会社員・公務員では、働けなくなったときに活用できる社会保障制度に大きな差があることは既に述べました。就業不能保険を選ぶ前に、まずは自分の職業で受けられる社会保障を確認してみましょう。

2.働けなくなったときに不足する金額を計算する

現在の収入から、すでに準備済みの金額と公的保障から賄える金額を引いて、不足する金額を確認します。就業不能保険を検討する場合は、その不足額を給付金額の目安としましょう。

3.「就業不能状態」の条件など商品ごとの違いを確認する

具体的に保険商品を選ぶにあたり、保険料だけで比べるのではなく、商品ごとの特徴を比較するようにしましょう。

特に大切な比較ポイントは以下のとおりです。

● 支払事由

● 保障範囲

● 給付金額と受取期間

まとめ

就業不能保険は、病気やけがで働けなくなったときの収入減に備える保険です。ただし、給付金の支払い対象となる「就業不能状態」は、保険会社によって異なります。加入に際しては、ニーズに適合するか十分に確認しましょう。

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