ボーナスは社会人にとって大きな楽しみです。ボーナスの使い道をいろいろ考えて、迷ってしまう人も多いのではないでしょうか。今回は、世間の人のボーナスの使い道や賢い使い道を紹介します。ボーナスはあらかじめ使い道を考えておき、有効活用しましょう。
ボーナスの平均支給額はどれくらい?
ボーナスは毎月の給与とは別に勤務先から支給されるお金で、「賞与」や「特別手当」と呼ばれるものです。民間企業に勤めるサラリーマンにとって、ボーナスは大きな楽しみといえるでしょう。まずは、ボーナスの平均支給額はどれくらいなのかをみてみます。
年代別・賞与の平均支給額
厚生労働省では毎年、民間企業の事業所を対象に「賃金構造基本統計調査」を行っています。2022年(令和4年)の調査によると、年間賞与支給額の平均は88万4,500円(従業員10人以上の企業)となっています。一般的には、夏季、冬季の年2回賞与支給されるケースが多いため、1回あたり40万~50万円程度が平均と考えられるでしょう。
福岡県のボーナス支給額
福岡県の年間賞与支給額の平均は82万1,400円(従業員10人以上の企業)です。全国平均より約6万円低い金額となっています。
参考:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」
年齢によって支給額は変わる
ボーナスは「基本給の〇か月分」として計算されることが多くなっています。基本給は年齢によって変わることが多く、ボーナスの支給額も年齢によって変わります。2022年(令和4年)の「賃金構造基本統計調査」によると、年代別の年間賞与支給額の平均は次のとおりです。
年代別の年間賞与支給額の平均
年齢 | 年間賞与支給額 |
~19歳 | 15万700円 |
20~24歳 | 38万2,200円 |
25~29歳 | 65万5,500円 |
30~34歳 | 79万9,300円 |
35~39歳 | 92万6,100円 |
40~44歳 | 101万2,800円 |
45~49歳 | 108万1,300円 |
50~54歳 | 115万9,100円 |
55~59歳 | 115万5,700円 |
60~64歳 | 69万2,000円 |
65~69歳 | 35万800円 |
70歳~ | 22万8,900円 |
出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」
賞与支給額は50代がピーク
上の表を見ると、まだ入社して年数が経っていない10代や20代の賞与は少なめです。その後年齢が上がるにつれ支給額が上がり、40代、50代では100万円を超えています。特に、役職についている人が多いであろう50代のボーナスが高額です。60代以降では賞与は大きく下がりますが、これは定年や働き方の変化が原因と考えられます。
ボーナスの使い道ランキングは?
ボーナスをもらったら、使い道の内訳を考えて有効活用しましょう。ここからは、ボーナスを何に使うか悩んでいる人、面白い使い道を考えている人のために、ボーナスの使い道ランキングを紹介します。
圧倒的1位は貯金
株式会社ロイヤリティマーケティング(Pontaリサーチ)が2022年(令和4年)9月に行った「第55回 Ponta消費意識調査」によると、冬のボーナスの使い道トップは「貯金・預金」です。「貯金・預金」は9年連続の1位で、37.3%の人がボーナスから「預金・貯金」を行っています。
2位以下は?
ボーナスの使い道の2位以下は、旅行(7.0%)、食品(5.6%)、外食(4.5%)衣服(3.9%)と続いています。
冬のボーナスの使い道
出典:株式会社ロイヤリティマーケティング「第55回Ponta消費意識調査」
物価上昇でボーナスの使い道も変化
「第55回 Ponta消費意識調査」では、約6割が「最近の物価上昇を受け、ボーナスの使い道に変化がある」と回答しています。
投資への関心が高まっている
具体的な変化としては、「貯金額を増やす」(35.2%)「生活費に充てる金額を増やす」(24.0%)に続いて、「投資額を増やす」(9.6%)と回答した人が多くなっています。物価上昇により、少しでもお金を増やしたいと、投資への関心が高まっていることがわかります。
ボーナスの賢い使い道3選
ボーナスをもらったら、何に使うか内訳を考えて計画的に使いましょう。ここからは、ボーナスは何に使うのがいいのか、賢い使い道や面白い使い道について考えてみます。
①自分や家族のために使う
貴重なボーナスは、仕事を頑張った自分のため、あるいは自分を支えてくれている家族のために使うのがおすすめです。
趣味や買い物で自分へのごほうび
ボーナスは、熱中している趣味や、これからやってみたいことのためにも使いましょう。欲しかったものを買えるチャンスでもあります。自分へのごほうびとして趣味や買い物に使えば、今後も仕事を頑張るモチベーションになるでしょう。
旅行でリフレッシュする
ボーナスを使って旅行に行けば、仕事の疲れもリフレッシュできます。夏のボーナスは夏休みの旅行に、冬のボーナスは年末年始の旅行に活用できるでしょう。家族がいる人は、旅行で家族サービスをするのもおすすめです。
親にプレゼントするのもおすすめ
社会人1年目の人は、ボーナスで両親にプレゼントするのはいかがでしょうか。ボーナスをもらったら、親への感謝の気持ちを表すのにちょうどいい機会です。初めてのボーナスは、ぜひ親やお世話になった人へのプレゼントにもあてましょう。
②自分に投資
ボーナスを使って自己投資することも考えてみましょう。自己投資とは自分の将来の利益のためにお金を使うことです。たとえば、以下のような使い方があります。
美容や健康のために使う
美容にお金をかければ、自分に自信を持つことができます。今後も働いていくためには、健康であることも欠かせません。ボーナスが出たときには、エステやマッサージで自分磨きをするのもいいでしょう。
資格取得やスキルアップに活用
ボーナスを使って、仕事に役立つ勉強をしてみるのもおすすめです。資格取得やスキルアップのために講座やスクールに通う場合、お金がかかってしまいます。ボーナスでまとまったお金が入ったら、勉強を始めるチャンスです。勉強してスキルを磨けば、将来的な転職や給料アップに役立ちます。
仕事に役立つアイテムを購入
ボーナスで仕事に役立つアイテムを購入すれば、収入アップも期待できます。在宅勤務が増えた人は、自宅を仕事しやすい環境に整えれば、仕事の能率も上がるはずです。新しいパソコンを購入し、副業を始める方法もあるでしょう。
③貯金・投資
ボーナスのうち、いくらかは貯金にあてましょう。投資にお金を回すのも賢い使い道です。
ボーナスからの貯金の割合
ボーナスの使い道の内訳を考えるときには、最初に貯金する割合を決めましょう。できれば、ボーナスの半分程度は貯蓄に回したいものです。特に、毎月の給料からあまり貯蓄ができない人は、ボーナスからの貯蓄の割合を多めにするといいでしょう。
おすすめの貯金方法は?
ボーナスについて、「余った分を貯金しよう」「後で貯金しよう」と思っていると、いつの間にかお金がなくなってしまいます。ボーナスが出たらすぐに、貯金に回す分は貯蓄専用の口座に移しましょう。
貯金する場合、普通預金ではすぐに使ってしまう可能性があるので、定期預金に入れるのがおすすめです。毎月給与から自動的に振替できる積立定期預金を申し込めば、ボーナス時に増額して積み立てることもできます。
ボーナスで投資を始めてみよう
今の時代、預貯金の金利は低く、定期預金でもお金は増えません。すぐに使わないお金は、投資に回すのが賢い方法です。ボーナスを何に使うか迷っている人は、投資を始めてみましょう。
投資は貯金と違ってリスクがあるため、始めるのに抵抗がある人もいるかもしれません。長期的な運用を前提に、比較的リスクの小さい商品を選べば、安全に投資を行えます。
初心者におすすめの投資方法
投資にはいろいろな方法がありますが、初心者におすすめなのは投資信託です。投資信託は運用をプロに任せられるので、金融知識があまりない人でも始めやすくなっています。
iDeCo(個人型確定拠出年金)やNISA(少額投資非課税制度)を利用すれば、税制メリットを受けながら積立投資を行うことも可能です。ボーナスを機会に、ぜひチャレンジしてみてください。
まとめ
ボーナスの使い道のトップは、やはり貯金です。使い道の内訳を考えるときには、最初に貯蓄する割合を決めてから、残りのお金の使い道を考えましょう。趣味や自己投資にも使って、仕事のモチベーションを上げることも大切です。ボーナスを機に一部を投資に回して運用にチャレンジすることも考えてみましょう。
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森本由紀
AFP(日本FP協会認定)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、行政書士、夫婦カウンセラー
大学卒業後、複数の法律事務所に勤務。30代で結婚、出産した後、5年間の専業主婦経験を経て仕事復帰。現在はAFP、行政書士、夫婦カウンセラーとして活動中。夫婦問題に悩む幅広い世代の男女にカウンセリングを行っており、離婚を考える人には手続きのサポート、生活設計や子育てについてのアドバイス、自分らしい生き方を見つけるコーチングを行っている。