赤ちゃん時代が終わると、幼児期に突入します。幼児期はいちばん子育てが大変な時期。初めて子育てをするママは、慣れない育児で悩んでしまうことが多いでしょう。
ここでは、幼児期の子育てのイライラやストレスを解消しながら、楽しく育児するコツや考え方をお伝えします。これから幼児期を迎えるお子さんがいる女性の人に、参考にしていただければ幸いです。
ベビーから幼児へ。子どもの成長とともに育児も変化する
子どもの成長は早く、赤ちゃんはあっという間に大きくなって幼児になります。幼児期になると、子育ての質も変化し、ママの悩みも増えてきます。
幼児期の子どもを持つママの悩み。どうやって解消する?
男の子も女の子もじっとしていない
寝ているだけだった赤ちゃんも、やがてハイハイするようになり、1歳前後になると歩き始めます。自分で歩けるようになるとじっとしていません。この時期は男の子も女の子も油断するとどこに行くかわからないので、目が離せないようになります。
1日中付き合っていると体力を消耗してしまい、家事がこなせず、家の中も荒れてしまうことがあります。この時期は家事も完璧を目指さず、手抜きすることも覚えましょう。
言葉でうまくコミュニケーションがとれない
だんだん言葉を理解するようになります。と言っても語彙は不十分なので、わかるように説明したり、言いたいことをくみ取ったりするのは一苦労。
子どもはママの言葉だけでなく、表情などからもいろいろなことを読み取っています。イライラしないよう、繰り返し言い聞かせることが大事。また、言葉はよくわからなくても、目を見ながらしっかりと耳を傾けましょう。ママが聞こうとしてくれているだけで子どもも安心します。
イヤイヤがおさまらない
2歳くらいになれば、イヤイヤが始まります。何でも「イヤ!」と言って拒絶して、毎日泣いたり怒ったりしている2~3歳の時期は、イヤイヤ期とか第一次反抗期と呼ばれます。この時期、親はモンスター化した子どもに振り回されてしまいます。
イヤイヤ期は成長の一過程。誰でも通る道なので、それほど心配する必要はありません。無理に言うことを聞かせるよりも、いつかは終わるとある程度は割り切った方がいいでしょう。
しつけがうまくいかない
子どもにはいろいろなルールを教えていかなければなりません。親がきちんと教えないと、良いこと・悪いことがわからないからです。しかし何度言い聞かせてもできるようにはならず、どうすればよいのかと悩んでしまうことがあります。
しつけについてはいろいろな考え方があるので、人に相談するほど、何が正しいのかわからなくなってしまうことも。また、しつけは叱ればよいというものではありません。一緒に毎日の生活を楽しみながら、ルールを教えていくようにしましょう。
何を食べさせたらよいかわからない
母乳やミルクを飲むだけだった赤ちゃんも、やがて離乳食を食べるようになり、大人と同じ食事へと移行していきます。子どもは好き嫌いが多いので、幼児期の食事は、ママにとってストレスになりがちです。
嫌いなものを無理に食べさせようとすると、食べること自体が嫌いになってしまいます。食べる量が少なくても、元気で体重も増えていればそれほど心配は要りません。食べることは楽しいことと子どもが思えるよう、楽しい雰囲気で食事をすることを意識しましょう。
幼児期のしつけや教育。何を重視する?
幼児期は、しつけに関する悩みが多くなります。以下、しつけをするときに意識しておきたいことをまとめてみました。
言うことを聞かないときに対処するコツ
気持ちをしっかりと受け止める
子どもが言うことを聞かないのは、自我が芽生えたということ。成長した証しです。基本的に、何でも言うことを聞く方が問題と思ってください。嫌なことを嫌と言えなければ、自分の身を守ることもできなくなってしまいます。
わがままを叱るのではなく、何が嫌なのか、どうして嫌なのかをしっかりと聞いてあげてください。子どもは言葉でうまく説明できませんが、ママが聞いてくれているとわかると、一生懸命伝えようとするはず。そうすれば、自分の気持ちを言葉にして伝えるトレーニングにもなります。
言うことを聞かない場合は叩いてもいい?
イヤイヤがおさまらなければ、何とかして言うことを聞かせようと必死になってしまうことがあります。言葉で言ってわからないと、「痛い思いをさせないとわからないのでは?」と考える人もいますが、叩いて言うことを聞かせるのはやめましょう。
親としては子どものためを思ってやっているのかもしれません。ですが、幼い子どもには親がしつけのために叩くのか、憎くて叩いているのか区別がつきません。
ママが優しいと、子どもは自分が認められていると安心します。一方、ママに嫌われていると感じると、自己肯定感を感じられないまま大人になってしまいます。子どもと接するときには、「ママはあなたが大好き」というメッセージが伝わるように意識してみてください。
習い事をさせるなら
習い事はたくさんさせた方がいい?
幼児期になると、子どもに習い事をさせたいと考える親も多いと思います。最近は、少子化により1人にかけられるお金が増えたので、いくつも習い事をしている子もたくさんいます。
可能性を見出すという意味では、たくさん習い事をさせるのも悪くないと思います。ただ、幼児期の習い事は必須ではありません。「いくつも習い事をさせるのは経済的に無理」と言う人もいるでしょうし、周りに合わせる必要もないと思います。
1つの習い事を長く続けることも自信につながる
いろいろと習い事をさせても、すぐに興味がなくなって続かないというのもよくあること。何か1つのことをできるだけ長く続けさせた方が、子どもはコツコツと頑張ることを覚えます。
習い事には向き不向きもあるかもしれませんが、続けるからこそできるようになったり、面白くなったりすることもあります。1つのことを頑張ってできるようになったという経験は、子どもの自信につながるはずです。
食事に悩んだら
好き嫌いが多いのはどうすればいい?
子どもは好き嫌いがあるのが普通。特に、幼児期には苦みの強い野菜などは好んで食べない子が多いはずです。時が経つにつれて食べられるものも増えてきますから、大人と同じように何でも食べさせる必要はありません。
もちろん、味付けや調理法を工夫して苦手な野菜を食べさせるのも1つの方法でしょう。しかし、ママにとって食事作りが負担になってしまえば逆効果です。
甘さが感じられるさつまいもやかぼちゃなどは好んで食べます。たとえば、さつまいもを蒸すだけならママも楽。シンプルな調理法で素材の味を覚えさせることも、食育に役立ちます。
しつけよりも大事なこととは?
幼児期の子どもを持つママは、子どものしつけをプレッシャーに感じてしまいがち。けれど、いろいろなことを教える以前に、いちばん大事なことは、親子の信頼関係を築くことです。
親がいつも笑顔で接していれば、子どもも「自分の存在は親に喜ばれている」ということを認識し、親を信用するようになります。幼児期に基本的な信頼関係ができていれば、その後の子育てに大きく悩むことはなくなるはずです。
子育て中のイライラ。どうやって解消する?
子育て中はママ自身の精神状態を良くしておくことも大事です。イライラの解消法を知っておきましょう。
子育て中も好きなことをする時間を作る
幼児期の子どもがいるママは「自分の時間が全くない」と感じることも多いでしょう。「たまには預けてどこかへ遊びに行きたい!」ということが頭をよぎっても、育児放棄しているように感じてしまい、なかなかできないこともあると思います。
後ろめたく思う必要はありませんので、子育て中のママはできるだけ自分の時間を作ってください。ママがイライラしている状態は、子どもにとってもよくありません。預けられる人がいるなら、積極的にお願いしましょう。一時保育などを利用する方法もあります。
パートナーとゆっくり話をする時間も必要
夫婦共働きであっても、子育ての負担は女性のほうが重くなっていることが多いと思います。たとえば、子どもが病気の時に会社を休むのは夫ではなくいつも自分ということも。夫は帰りが遅いので、結局寝かしつけなどは全部自分がしなければならないママもいることでしょう。
子育ては夫婦共同でするものです。けれど、パートナーの協力が十分ではないと感じ、不満をもつようになる方もたくさんいます。不満をなくすには、コミュニケーションをしっかりとることが大切。子育て中こそ、夫婦で話し合える時間を確保しましょう。
子どもを預けて2人で出かけられるならそれがいちばんです。実家の両親などにも協力してもらい、夫婦だけの時間も作りましょう。
まとめ
子どもが幼児期に入ると、ママの悩みは変化し、不安なことも増えるかもしれません。けれど、子どもはあっという間に成長します。後になってみれば、悩みはほとんど些細なことだったことに気付くと思います。
幼児期は子どもがいちばんかわいい時期なので、子育てを難しく考えすぎないよう、子どもと一緒の生活を楽しむことを考えましょう。
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森本 由紀
AFP(日本FP協会認定)、行政書士、夫婦カウンセラー
大学卒業後、複数の法律事務所に勤務。30代で結婚、出産した後、5年間の専業主婦経験を経て仕事復帰。現在はAFP、行政書士、夫婦カウンセラーとして活動中。夫婦問題に悩む幅広い世代の男女にカウンセリングを行っており、離婚を考える人には手続きのサポート、生活設計や子育てについてのアドバイス、自分らしい生き方を見つけるコーチングを行っている。