学び

学生のうちから身につけよう!| 西南学院大学で金融リテラシー&資産形成特別講義を開催

公開日 2025.03.04

2025年1月9日、西南学院大学商学部の証券論の講義において、「学生向け金融リテラシー講座」と題した特別講義を西日本シティ銀行主催で実施しました。目まぐるしく変化する金融の世界において、学生のうちから自分に合う資産形成の方法や金融の未来を知り、人生に役立つ金融知識を身に付けてもらうことを目的とした特別講義です。講義後半では金融機関の最新の取り組みについてもお伝えしました。特別講義には200人を超える学生が興味深く、終始熱心に受講されました。(記事内の資料は取材当時のものです)

金融リテラシーはより良い生活に不可欠

第一部
「学生が知っておくべき金融リテラシー」
西日本シティ銀行 営業企画部 調査役 近藤 淳哉

「毎月の生活費がギリギリ。お金の管理はどうすればいい?」「奨学金は今後の自分にどう影響するの?」「将来のために資産形成も考えた方がいいかな」「SNSでよく目にする儲かる話って詐欺じゃない?」…日々の生活において、お金に関する疑問や悩みは尽きません。経済的に自立し、より良い生活を送るためには「お金に関する知識や判断力」、つまり「金融リテラシー」を身につけることが重要です。

「金融リテラシーを育むために、家計管理、生活設計、金融経済知識の3つを学びましょう。必要に応じて、相談窓口などの外部の知見も活用してください」と近藤の話から特別講義が始まりました。

急増するSNS型投資詐欺に注意を

「近年、高齢者だけでなく学生や主婦など幅広い年齢層で、SNS型投資詐欺の被害が発生しています」と現状を指摘。2024年1~6月に発生したSNS型投資詐欺は3,570件で前年同期比2,969件プラス、被害額は約506.3億円で前年比約437.6億円のプラスと急増しています。そのうち、福岡県は197件、約23.4億円です。これは警察が認知している件数で、実際には何倍にものぼると推測されます。

福岡県警が公表している手口は、SNSに有名人の名前や写真を使って?の投資広告を掲載し、投資金を振り込ませ、利益が出たと思い込ませて被害が高額化するケースが多いとのこと。

被害者との当初の接触ツールはInstagramが27%、LINE18%、Facebook14%で、接触手段はバナー等の広告が67%を占めています。

SNS型投資詐欺の代表例にポンジ・スキームが挙げられます。ポンジ・スキームとは、新規の投資家から集めた資金を既存の投資家への配当に充てることで、あたかも利益が出ているかのように見せかける詐欺手法です。この詐欺には以下の3つの特徴があります。1つ目は「元本保証で必ず儲かる」という宣伝文句があること、2つ目は「最初は実際にお金を受け取れる」ことで信じ込ませること、そして3つ目は「知人を紹介すると利益が増えたり紹介料がもらえたりする」ことです。これらの特徴を覚えておくことが大切です。

「闇バイトを含めて、おいしい話には気をつけて、怪しいと思ったらはっきり断りましょう。万が一トラブルに遭ったら、ひとりで悩まず早めに家族や知り合いに相談してください」と呼びかけました。

収支を見直し、定額をコツコツ貯めよう

次に、将来どんな人生を送りたいかという「生活設計」についてです。「生活設計」では結婚、自動車や自宅の購入など、ライフイベントにかかるお金をイメージしておくことが重要です。日本人の平均寿命は年々延びており、加えて国民の所得に対する税・社会保障負担割合が増加傾向で、消費者物価指数も上昇傾向のため、長年にわたる生活費の備えが必要になっています。

そのため、学生のうちから家計管理をしておきたいものです。「まずは収入と支出を把握し、しっかり支出の見直を。お金に余裕ができたときに貯めようと思っても貯まりません。毎月1万円でもいいので定額を積立型商品(例:目的貯蓄、投資信託、定期預金等)に回し、お金を貯める・増やす仕組み化をするのがポイントです」とコツを紹介しました。

金融商品の特徴を分かりやすく解説

次に、金融商品の特徴と選択について紹介しました。金融商品による資産形成の方法には大きく「預貯金」と「投資」があり、目的に応じた金融商品を選択することが大切です。「主な金融商品には預貯金・株式・債券・投資信託があり、安全性・収益性・流動性の3つの観点で整理できますが、3つとも◎のパーフェクトな金融商品はないと認識していただきたい」と近藤は強調しました。

そのほか、資産運用におけるリスクとは「運用成果の振れ幅」を指し、原則、リスクとリターンは比例関係にあること、主な投資のリスク、株式と債券の特徴についても解説しました。また、「リスクをコントロールするには長期・積立・分散投資の3つをおさえれば比較的安定しています。直近の世界株価動向は、バブル崩壊やチャイナショックなどで落ち込むタイミングはありますが、長い目で見ると上昇傾向となっているため、長い期間で運用を考えてほしい」と解説しました。

預貯金や投資における単利と複利の考え方や違い、一括投資と定額投資、投資信託の特徴や仕組みを説明。「投資においては、資産・地域・時間を分散することでリスクを抑えられる。長期・積立・分散投資を組み合わせることが、より安定的にリターンを得るために効果的」とアドバイスしました。

学生でも始められるNISAを紹介

最後は、2024年に制度を拡充したNISAについて説明しました。2024年の日経MJヒット商品番付で「新NISA」が西の横綱に選ばれるほど、注目されているNISA。NISAには、少額投資による利益が非課税になる制度で、「2024年から投資可能期間が無期限、非課税保有期間も無期限、2つの投資枠が併用可となり、使いやすくなりました」と紹介。つみたて投資枠と成長投資枠の違いや、iDeCoについても解説しました。

>>NISAについて詳しくはこちらへ

最高のお客さま体験を追求する

第二部は「デジタル戦略部の取り組みとマーケティング体験」をテーマに、西日本シティ銀行デジタル戦略部の大野菜摘と矢部雄大が講師を務めました。

ふたりがそれぞれ自己紹介した後、デジタル戦略部の取り組みについて話をしました。

西日本シティ銀行は2020年4月にデジタル戦略部を新設し、スタッフ76名のうち27名が中途採用です(2024年4月時点)。中途採用の前職は広告代理店や制作会社、SIerなど多様で、専門人材の確保と育成を図っています。

デジタル戦略部が目指す姿は、「リアルとデジタルのベストミックス・データ利活用の高度化により、最高のお客さま体験を追求し、当社グループのお客さま創造と収益化に貢献する」こと。「お客さまのデジタル化DX推進」「デジタルチャネルの高度化」「情報の利活用」「オープンイノベーションの推進」の4領域に合わせて、4つのグループで業務にあたっています。

大野が所属するデジタルバンキンググループは、西日本シティ銀行アプリに関する業務を主に担当しています。2015年にアプリをリリース後、あらゆる取引をアプリで完結できるように機能拡充を進めており、2024年9月時点では187万ダウンロードを達成しました。

大野は、アプリ利用者向けのプロモーションとして、マンガダイブ「推しの子」とのコラボや、「20周年ありがとうキャンペーン」と題したアプリ上でチャレンジできるガチャキャンペーンなど、自身が担当した企画を紹介しました。

きめ細やかなマーケティング活動を展開

矢部が所属するマーケティンググループは、多様な媒体(Web広告やSNS、オウンドメディア、アプリのプッシュ通知、メールマガジン等)を使い分けながらお客さまとのコミュニケーションを図っています。

銀行目線の一方通行なコミュニケーションにならないよう、お客さま一人ひとりの商品・サービス検討段階に応じて、適切なタイミング・手段・配信内容を選択し、お客さまに役立つ情報を発信しています。また、各媒体における行動データも活用しており、お客さまへの理解をより深めようと日々試行錯誤しています。より多くの人に当行を知ってもらい、ファンになってもらうための手段として、SNS(X、Facebook)とオウンドメディア(らいふくのーと、renew)を通じた情報発信に関する具体的な説明も。

矢部はSNSの取り組みとして、当行のXの事例を紹介しました。もともとXはフォロワー数を追求する運用で、お客さまとの協働キャンペーンによってフォロワーを順調に獲得してきました。「地銀初の10万フォロワーを達成し、お客さまの商品を認知してもらったことでお客さまのフォロワー数が1.43倍になったケースもあります。

一方で、キャンペーンの景品目的のフォロワー比が高まった点に課題がありました」と矢部。馴染みの薄い銀行に対する親近感を醸成し、ゆくゆくは西日本シティ銀行のファンになってもらう、という本来のX運用目的からずれが生じていたのです。

これを是正するために、最近ではエンゲージメントを重視した運用に変更。具体的には、銀行の内部が見えるように、20代の行員を中心に「中の人」としてカジュアルな表現で投稿し、親近感を醸成する取り組みを増やしています。また、#地元応援NCB、#地元大好きNCBというハッシュタグを活用し、地元企業を応援したり福岡県内のおすすめスポットを紹介する取り組みも継続実施しています。

そのほか、イノベーション企画グループとデジタルソリューショングループの仕事を紹介しました。

マーケティング施策立案に関する簡単なワークも行いました。矢部は「皆さん、2024年のベストバイの商品やサービスを思い浮かべてください」と呼びかけ、ワークが始まりました。参加者は具体的な商品やサービスを思い浮かべ、その購買行動を掘り下げて考えました。

矢部は、検索行動の分類やパターンについて説明し、「マーケティングは単に"売る"ことから、"継続的な関係を築く"ことへと変わっています。0から企画を考えるときは、顧客の立場になりきり、データを活用することが重要です」と話をまとめました。

<学生さんの感想>

「専門家から具体的な話を聞くことができて不安要素がなくなり、興味が湧きました」

宮本さん (向かって左)
今はネットで簡単に口座を開設できるなど、どんどん便利になっている一方で、SNS型投資詐欺は私たち若者にとって身近なものだと感じました。詐欺の特徴や対処法を知ることができて、とても勉強になりました。NISAのことは知っていましたが、専門家から具体的な話を聞くことができて不安要素がなくなり、興味が湧きました。

永野さん(向かって右) 
母にすすめられて、先日NISAを始めました。今日の講義によって基本的な考え方を理解できて、将来のライフイベントを見据えてお金を貯めていかなければいけないと改めて思いました。第2部では、銀行内にデジタルや広告を扱う専門の部署があることに驚き、SNSで銀行の中のリアルな情報を発信しているという話が面白かったです。

「自分の将来について考えることができました」

江原さん(向かって左)
西日本シティ銀行さんのデジタル分野での最新の取り組みを知ることができて、多くの発見がありました。最も印象に残ったのは、根本にある考え方でした。最近は利益第一の企業が多いと思うのですが、西日本シティ銀行さんはお客さま第一主義で、お客さまに寄り添う姿勢が素晴らしいと感銘を受けました。

髙山さん(中央)
僕は金融や広告に興味があるので、今回の話は興味深い内容でした。金融リテラシーの講義では、自分の将来について考えることができました。人生において大切なお金をどうやって貯めるか、将来を見通して計画を立てることが重要だと学びました。大学生のうちから、お金を貯めるための投資に一歩踏み出してみたいと思いました。

川﨑さん(向かって右)
僕が商学部を選んだのは、株などの投資に関心があり、しっかり学びたいと考えたからです。今回は金融機関のプロの講義を受けることができて、今まで漠然としていたところがクリアになりました。これまでは単に投資をやってみたいと思っていましたが、将来に向けて長期的な目標を持って取り組むことが大切だとわかり、視座が高まりました。

まとめ

西日本シティ銀行はこれからも若い世代に向け、金融知識を身につけることで自分自身の身を守ることや、将来に役立つ資産形成についてお伝えする活動を続けてまいります。

>>西日本シティ銀行についてはこちらをご覧ください

投資信託のご留意事項(必ずご確認ください)
商号等:株式会社西日本シティ銀行 登録金融機関 福岡財務支局長(登金)第6号
加入協会:日本証券業協会、一般社団法人金融先物取引業協会

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