結婚というのは、誰にとっても喜ばしいことではありますが、同時に多くの人にとって気になるのが「お金の問題」です。特に昨今は十分な年収や貯金がある人ばかりではないので、どうしても「結婚費用はどのくらいかかるのか」が気になる人も非常に多いといえます。まずは平均相場を知り、早期の準備に取り掛かりましょう。そこで今回は、結婚費用の平均相場2種類とともに準備方法、そして注意点についてお伝えします。
【全国平均】結婚式にかかる費用は355万円!
まずは、結婚の中核となる結婚式・披露宴の平均相場をお伝えします。ゼクシィの2019年「結婚トレンド調査」によると、全国平均は約355万円という結果です。なお、その内訳は以下の通りになっています。
挙式料:371,000円
飲食物:1,217,000円(一人あたり19,000円)
新婦衣装:479,000円
新郎衣装:170,000円
引出物等:348,000円
ブーケ:31,000円
装花:171,000円
別撮撮影:167,000円
スナップ撮影:216,000円
ビデオ撮影:200,000円
映像演出:101,000円
司会依頼:70,000円
エステ料:86,000円
特に高額なのが、挙式料を除けば飲食物・新婦衣装・引出物等あたりです。また飲食物は、上記調査においては64人がゲスト参加する前提となっています。最近の結婚式は縮小傾向にもありますが、ひとまず平均的な相場目安として覚えておきましょう。
結婚指輪まで含めると… 結婚式にかかる費用は平均400万円!
結婚式には結婚指輪が付き物ですが、この予算は同調査によると「(二人分で)242,000円」となっています。また合わせて婚約指輪も準備する場合は、その平均相場は355,000円という結果です。これらの指輪も含めると、結婚式にかかる費用は約400万円といえます。基本的に大きなお金が必要になりますから、ぜひ早くから準備に励んでいきましょう。
さらに… 新婚旅行まで含めると、結婚資金総額は平均462万円!
今度は、もう少し広範囲に結婚費用についてお伝えします。結婚は厳密にいえば結納から始まり、新婚旅行あたりまでを指すものです。先ほどの調査では、結納平均は約30万円、新婚旅行は土産代も含めて約70万円となっています。結婚資金総額平均は462万円です。
前記の調査には「結納から新婚旅行までにかかった費用」とその割合が以下のように記載されています。
100万円未満:1.5%
100~300万円未満:22.5%
300~500万円未満:37.2%
500~700万円未満:31.2%
700~900万円未満:6.6%
900~1000万円以上:0.9%
最多は「300~500万円未満」という結果です。平均的には、結婚にはこのくらいの費用は必要になるという目安にしてください。
結婚式から新居での生活開始までの費用総額は… 平均約600万円…!
順番は前後することも多いですが、結婚した以上は新生活への準備も必要です。最近ではさまざまなケースがありますが、ひとまず新居で新生活を始める場合、同調査によると平均的に必要な費用は、賃貸の初期費用や引っ越し代、家具や家電品購入などで約150万円となっています。
つまり、結納から新居での生活開始までの総額で考えれば、その平均額は約600万円です。この費用分のお金があるのかないのかを、最初の目安にすると良いでしょう。
別統計でも同様の調査結果!全国平均で、結婚式には約300万円必要
今度は、別の統計で結婚費用についてお伝えします。結婚スタイルマガジンの2018年「トレンド調査」によると、結婚式の平均予算は308万3000円です。先ほどとおおむね同じ内訳で見てみると、以下のような内容になっています。
挙式料:308,000円
飲食物:1,093,000円(一人あたり15,000円)
新婦衣装:401,000円
新郎衣装:86,000円
引出物等:511,000円
ブーケ:37,000円
装花:153,000円
別撮撮影:100,000円
スナップ撮影:144,000円
ビデオ撮影:166,000円
司会依頼:23,000円
エステ料:61,000円
先ほどの調査と比べれば50万円近く安い結果となってはいますが、飲食物・新婦衣装・引出物あたりが高額になる点は同じです。ちなみにこちらでは、ゲスト人数を70名程度と仮定して計算しているようです。何人くらい招待したいかによっても予算額は大きく変動しますので、しっかり検討してください。
指輪に28万円、新婚旅行に56万円ほど必要
こちらの調査によると、結婚指輪の平均予算は「二人分で281,000円」、婚約指輪は「369,000円」となっています。指輪は、これくらいが適正なのかもしれません。また結納の平均は237,000円、新婚旅行は土産代も含めて平均561,000円という結果です。
もっとも、最近では時代の変化で、本当に個々人で結婚のやり方も違ってきています。普通の結婚式をイメージしつつ、あとは自分たちの個性を生かした結婚式を計画していきましょう。
結婚後の新生活には、93万円の費用がかかる!
引き続き、結婚スタイルマガジンの2018年「トレンド調査」の調査結果についてお伝えします。こちらの調査結果によると、新生活を始めるのに必要な平均資金は928,000円という結果です。先ほどと比べると約60万円安い結果ですが、約100万円程度かかることを念頭に計画を練るのが賢明かもしれませんね。
全てをまとめると、こちらの調査では結婚式で約300万円、2種類の指輪を入れると約350万円、結納から新婚旅行までを考えると約450万円、新生活まで全てを考えると約550万円といった結果でした。
なお、これらはあくまで平均であり、最近では結婚式も多様化の時代になっています。今後のこともありますから、無理せず結婚予算を考えていきましょう。
結婚式を挙げない選択肢を選ぶケースも増えている
「株式会社みんなのウェディング」の調査によると、実に約半数の方が結婚式に興味がありません。また同調査によると、挙式と披露宴にかける予算は50~100万円未満が最多です。ここまで平均値に着目してお伝えしてきましたが、ご自身やパートナーの価値観が一番大事です。「自分たちらしい結婚」の在り方を是非考えてみてください。
結婚はお金がかかる!お金の準備は計画的に
ここからは、結婚費用の準備方法についてお伝えします。まず、当然ながら準備方法の基本は貯金です。いくら貯めればいいかは当人たち次第ですが、結婚式を見据えて少しでも早くから貯金を続けることが大切です。
すでに結婚を見据えている二人なら、「同棲」も一考です。家賃やデート代も浮きますし、共働きで貯金をすれば倍速で貯まっていきます。日頃のデートでは分からなかった相手の側面に気づけることも多いでしょう。
もちろん理想はプロポーズの段階で十分な貯金があることですが、昨今では厳しいことが多いのも事実です。お金が必要になるとわかった時点から、小額からで十分ですので準備を始めてみましょう。
まずは、平均予算を目安に貯金にチャレンジ
先ほどお伝えした通り、結婚費用の総額相場は550~600万円、結婚式だけなら平均300~350万円です。あなたはいつ頃、結婚式を挙げたいですか?平均予算と結婚式までの時間を考えれば、「毎月必要な貯金額」もおのずと見えてきます。
ちなみに最近では、結婚費用は夫婦で折半するケースが一番多いです。一人で準備する必要はないのですから、これこそ「夫婦の最初の共同作業」と思って貯金に励みましょう。
必要に応じて、ローンを賢く利用しよう
今度は、準備方法の一つである「ローン」についてお伝えします。ローンと聞くとネガティブな印象を抱くかもしれませんが、使い方によっては賢く付き合うことが出来ます。
西日本シティ銀行では、「多目的ローン」という商品が結婚資金の補充に対応しています。来店不要で申込・契約が可能です。資金使途が自由に決められるフリーローンもありますが、「多目的ローン」の方が有利な金利で利用できます。
➡「NCB EZ多目的ローン」
➡「NCB EZフリーローン」
繰り返しになりますが、ローンは必要に応じて賢く使うことが大切です。自分に合ったローンを探し、役立てていきましょう。
周囲から支援を受けるのは悪いことではない
結婚式では、出席してくれたゲストから「ご祝儀」を頂けるのが一般的です。ご祝儀の金額は夫婦とゲストの関係性でも変わりますが、基本的には3万円が目安ですので、仮に調査通り70人ほどが参加すれば200万円程度のご祝儀額になります。
また結婚式では親が支援してくれるケースもあります。希望するかたちでの結婚式をおこなうための費用準備が難しくても、「結婚というライフステージの節目には力になりたい」と考える親も多くいます。甘えられると嬉しいのも親心なのです。
周囲のサポートとフリーローンの活用を組み合わせるなど、実はさまざまな準備方法があります。銀行やFPに相談してみると新たな道が開けるかもしれませんよ。
結婚費用、「いくらかけるか」は2人で決めよう!
ここからは、結婚費用を考える時に大切な補足情報をお伝えします。すでに触れた通り、結婚費用はいくらかかるかではなく「いくらかけるか」が大切です。たとえ1000万円の貯金があったとしても、すべてを結婚費用に使ってよいわけがありません。
では、いくらかければいいのか?色んな情報が溢れていますが、具体的な金額は「夫婦二人次第」です。無理な結婚式を挙げれば今後の生活に大きく影響します。「無理のない範囲」での結婚式を基本とするのがおすすめです。
結婚式を挙げることがゴールではなく、そこから2人の未来が始まります。今後になる大きなお金の代表例では「住宅ローンの頭金」と「教育費」があるでしょう。将来に向けた「お金」の話も含めて結婚資金の予算を検討しましょう。
「平均」はあくまでも目安!結婚費用は「ふたりの事情」を最優先に
何事もそうですが、「平均」は目安に過ぎません。平均で負担が必要な金額を知っておくことはもちろん大切ですが、2人の事情を踏まえて話し合い決断することがより大切です。
今後、さまざまなお金が必要になってくるため、2人で解決できないことがあれば、悩みすぎず銀行やFPなどの専門家へ相談することも一つの解決への道です。素敵な結婚式を迎えられるといいですね!
- 結婚
山本 昌義
CFP®、一級FP技能士
山本FPオフィス代表。商品先物会社、税理士事務所、生命保険会社を経て2008年8月、山本FPオフィスを設立し、同代表就任。 現在は日本初の「婚活FP」として、婚活パーティを開催しながら婚活中や結婚直後の若者の相談に対応。また、独立10年を機に「農業FP」としても活動を開始。後輩育成にも力を入れている。