自動車税の支払いは現金以外にも、クレジットカードやスマートフォン決済アプリといった便利な方法を選べます。現金払いや口座振替以外の方法は簡単で便利ですが、いくつかの点で注意が必要です。この記事では、自動車税の支払い方法の種類や、簡単な支払い方法のメリットや注意点などを解説します。
自動車税の支払い方法
自動車税(種別割)は自動車の保有について課される税金で、税額は軽自動車・電気自動車・ガソリン車(排気量別)によって異なります。自治体による違いはありますが、最近ではスマートフォン決済アプリやクレジットカードといった簡単な支払い方法も選べるようになりました。ここでは、主な自動車税の支払い方法を紹介します。
現金
納付書による現金払いは、自動車税の以前からある支払い方法の1つです。納付書による支払いができる場所は、以下のとおりです。
都道府県税事務所
金融機関窓口(銀行や郵便局など)
コンビニエンスストア
上記のうち、コンビニエンスストアは店舗数も多く、24時間営業の店舗が多いため、利用しやすい場所といえるでしょう。現金納付の場合、その場で納税証明が受け取れます。車検や自動車の売却時には必要なので、保管しておきましょう。
スマートフォン決済アプリ
自動車税の納付書に地方税統一QRコード(eL-QRコード)が印刷されている場合、スマートフォン決済アプリによる納付ができます。スマートフォンでeL-QRコードを読み取るだけで、時間や場所を問わず納税ができる簡単で便利な方法です。
スマートフォン決済アプリで自動車税が支払える主なサービスは、以下のとおりです。
西日本シティ銀行アプリ(ダウンロードはこちら)
auPAY
d払い
モバイルレジ
PayPay
ペイジー
自動車税の納付書にペイジーマークが入っている場合、ペイジーによる納付が可能です。ペイジーマークがない場合でも「地方税お支払サイト」でペイジー番号が発行されると、ペイジーで納付できます。ペイジー番号を用いて金融機関のATMやインターネットバンキングで支払います。
クレジットカード
自動車税は、クレジットカード決済による納付も可能です。地方税お支払サイトや、自治体独自のクレジットカード支払いサイトを通じて支払います。店舗などに出向かずに支払えるため便利ですが、納付金額に応じたシステム利用料がかかる点に注意が必要です。
地方税お支払サイトの納付税額ごとのシステム利用料(税抜)は、以下のとおりです。
1円~10,000円:37円
10,001円~20,000円:112円
20,001円~30,000円:187円
30,001円~40,000円:262円
40,001円~50,000円:337円
50,001円以上:10,000円ごとに75円加算
インターネットバンキング
eL-QRコードまたはペイジーマークの印刷されている納付書は、インターネットバンキングによる自動車税の納付も可能です。地方税お支払サイトなどから支払い方法でインターネットバンキングを選ぶと、金融機関のサイトへ遷移します。支払い手続きは金融機関のサイトにて行います。
口座振替
自動車税の納付で口座振替を希望する場合、事前に自治体へ申し込む必要があります。納付書が送付されてから口座振替をしたい場合、地方税お支払サイトの口座振替(ダイレクト方式)を利用できます。
地方税お支払サイトの口座振替(ダイレクト方式)は、利用当日から120日後までの引き落とし日を指定できる方法です。ただし、利用するには事前にeLTAXの利用者IDの取得と、口座の事前登録が必要です。
アプリやクレジットカードで自動車税を支払うメリット
クレジットカードやスマートフォン決済アプリを利用した自動車税の納付には、現金払いにはないメリットがあります。
手元に現金がなくても支払える
スマートフォン決済アプリやクレジットカードを利用して自動車税を支払う場合、手元に現金を用意する必要はありません。コンビニエンスストアや金融機関で納付するには、現金を用意する必要がありますが、スマートフォン決済アプリやクレジットカードがあれば現金は不要です。また、クレジットカードは後払いなので、口座にお金がなくても支払いができる利点があります。
いつでもどこでも支払える
スマートフォン決済アプリやクレジットカードを利用すれば、時間と場所を選ばずに自動車税の納付ができます。納付期限ギリギリのタイミングでも支払いをすませられるのです。
ポイントが貯まる
スマートフォン決済アプリやクレジットカードでの納税を選ぶと、各サービスやクレジットカードごとのポイントを付与される可能性があります。また、ポイントを納税に使うといった特典がある場合もあります。
分割払いを選べる
クレジットカードで自動車税を支払う場合、一部を除いて一括払い以外に分割払いやリボ払いが選べます。自動車税は多くの場合、数万円の支払いになるため、すぐに支払えない人もいるでしょう。その場合に分割払いが利用できれば、一度に高額な金額を支払う必要はありません。ただし、分割払いの利用には、クレジットカード会社所定の手数料がかかる点に注意が必要です。
>>西日本シティ銀行アプリの税公金お支払いについてはこちら
・バーコードがある納付書のお支払い(NCBアプリペイ)
・QRコードがある納付書のお支払い(ことら税公金)
*QRコードは㈱デンソーウェーブの登録商標です
アプリやクレジットカードで自動車税を支払う場合の注意点
スマートフォン決済アプリやクレジットカードでの自動車税の支払いは便利ですが、以下のような注意点もあります。
領収証が発行されない
スマートフォン決済アプリやクレジットカードによる自動車税の納税では、領収証は発行されません。領収証がどうしても必要な場合、金融機関やコンビニエンスストアで納付しましょう。
手数料がかかる場合がある
スマートフォン決済アプリやクレジットカードで自動車税を支払う場合、手数料がかかる場合があります。クレジットカードでの納付にはシステム利用料が発生し、分割払いを選択すると分割払い手数料の負担が必要です。スマートフォン決済アプリの利用でも、サービスによっては手数料が発生する可能性があります。事前に自分の利用するサービスにかかる手数料を確認しましょう。
納税証明に時間がかかる
スマートフォン決済アプリやクレジットカードによる自動車税の納税では、納税証明が発行されません。車検の際の納税証明書の提出は不要ですが、納付後すぐ(福岡県の場合は2週間以内)の車検では納税確認をできない場合があります。車検が近い人の場合、コンビニエンスストアや金融機関窓口で納付するほうがよいでしょう。
納付期限を一定期間過ぎると利用できない
eL-QRコードのある納付書での地方税お支払サイトからの自動車税の納付は、納期限からおおむね1年を過ぎると利用できなくなるので注意が必要です。スマートフォン決済アプリやクレジットカードによる納税は、納期限を過ぎて直ちにできなくなるわけではありません。しかし、延滞金が発生したり、車検が受けられなかったりする不利益もあるため、期限内に忘れずに納付しましょう。
アプリやクレジットカードでの自動車税の支払い方法
最後に自動車税をスマートフォン決済アプリやクレジットカードで納付する際の、実際の支払い方法を見ていきましょう。
「地方税お支払サイト」を利用しての支払い方法
地方税お支払サイトを利用してクレジットカード決済をする手順は、以下のとおりです。
地方税お支払サイトの画面に表示されている「eL-QRでお支払い」をクリックする
スマートフォンまたはパソコンのカメラでeL-QRを読み込む
画面に表示された納付金額を確認し「お支払い」へ進む
お支払い方法を選択し、決済する
お支払い完了メールを受信する
参考:地方税お支払サイト
スマートフォン決済アプリを使用しての支払い方法
スマートフォン決済アプリを利用しての支払い手続きの一般的な流れは、以下のとおりです。なお、事前にアプリの利用登録や、電子マネーや口座への入金が必要です。
アプリを開いて支払い方法を選択する
納付書に印字されたバーコードまたはQRコードを読み込む
納付金額を確認し、支払い手続きをする
支払い手続き完了画面の表示を確認する
まとめ
自動車税は通常、5月上旬に納付書が届き、5月末日までに支払わなければなりません。忙しくて支払う時間がない人は、地方税お支払サイトなどを利用したスマートフォン決済アプリやクレジットカードでの納付が便利です。ただし、6月に車検を受ける人は納税確認が間に合わないおそれがあるため、納付書で支払うほうが安心でしょう。
松田聡子
群馬FP事務所代表、CFP®、証券外務員二種、DCアドバイザー
国内生保で法人コンサルティング営業を経て2007年に独立系FPとして開業。企業型確定拠出年金の講師、個人向け相談全般に従事。現在は法人向けには確定拠出年金の導入コンサル、個人向けにはiDeCoやNISAでの資産運用や確定拠出年金を有効活用したライフプランニング、リタイアメントプランニングを行っている。