税金の支払いは現金以外にもいくつか方法があり、クレジットカードによる納税は全国の多くの自治体で選べます。今回は、納税方法の種類やクレジットカードを選んだ場合のメリットについて解説します。
主な税金の納付方法
税金を納める方法は、大きく分けると4種類あります。
現金
納付書が自宅に郵送され、それをもって銀行窓口やコンビニエンスストアで現金納付する方法です。支払ったその場で納付が完了し、領収書ももらえます。
口座振替
前もって、金融機関で自動振替の手続きを済ませておく必要があります。自治体によって、インターネット専業銀行などでは口座振替の設定ができない場合もあります。納税方法として口座振替を希望する人は、あらかじめ納税先へ対応金融機関について確認しましょう。
手数料無料でその後の手続きも不要
口座振替で税金を納付する最大のメリットは、手数料無料ということです。また、同じ税金の種類であれば、一度手続きをすればその後も継続的に口座振替で納付できます。
クレジットカード
税金の支払い方法として近年注目されているのが、クレジットカード払いです。2016年(平成28年)の税制改正によって、クレジットカード払いもできるようになりました。
西日本シティ銀行アプリ
特定のエリアにお住まいの方限定ですが、「西日本シティ銀行アプリ」でもカンタンに税公金のお支払いができます。銀行やコンビニエンスストアの窓口に行かなくても、税公金のお支払いが可能です。
よりお得に納税するには
税金の支払い方法には、いくつか種類があります。その中でも、よりお得に納税する方法について紹介します。
口座振替
口座に残高があれば毎回自動的に支払われるため、未納がありません。万が一の未納による延滞税を払わなくて済むので、お得であるといえます。
クレジットカード払い
税金を支払うとカード会社ごとのポイントがたまるため、お得です。
※ただしクレジットカードを使って税金を支払う場合、納付金額に応じて所定の手数料がかかりますので、付与されるポイント等の条件次第ではお得にならないケースもあります。手数料については「クレジットカードで納税する際の注意点」の章で後述します。
クレジットカードで納税できる税金の種類
クレジットカードで納税できる税金は、大きく分けて国税と地方税があります。
国税
クレジットカードで支払える国税は、以下のとおりです。相続税や贈与税のほか、所得税や消費税なども納税できます。なお、以下の情報は実際に国税を支払う場合に利用する「国税庁・国税クレジットカードお支払いサイト」を参照しています。
申告所得税及び復興特別所得税
消費税及び地方消費税
法人税・地方法人税(いずれも連結納税含む)
相続税
贈与税
源泉所得税及び復興特別所得税(告知分)
申告所得税
復興特別法人税(連結納税含む)
消費税
酒税
たばこ税及びたばこ特別税
石油税
石油石炭税
電源開発促進税
揮発油税及び地方道路税
揮発油税及び地方揮発油税
石油ガス税
航空機燃料税
登録免許税(告知分)
自動車重量税(告知分)
印紙税
国際観光旅客税
国際観光旅客税(告知分)
地方税
都道府県や市町村へ支払う税金のことです。クレジットカードで支払えるかどうかは自治体によるため、事前に調べておきましょう。なお、地方税には以下の種類があります。
住民税
自動車税・軽自動車税
固定資産税
個人事業税
都市計画税
不動産取得税
福岡県でクレジットカード払いに対応している地方税
福岡県でクレジットカード払いに対応している地方税は、以下のとおりです。
自動車税種別割(県税)
住民税(福岡市・北九州市など)
軽自動車税(福岡市・北九州市など)
固定資産税(福岡市・北九州市など)
クレジットカードで納税するメリット
ここからは、クレジットカード払いで納税するメリットについて6つのポイントに絞って紹介します。
手続きが簡単
クレジットカードさえ保有していれば、税金の納付手続きは簡単です。国税であれば、国税クレジットカードお支払いサイトから手続きできます。納付する税金の種類や納付税額などがわかれば、オンラインで完了します。地方税も同様で福岡市税クレジットカードお支払いサイトによると、郵送された納税通知書(納付書)を基に即時支払えます。
24時間いつでも支払いが可能
インターネット環境があれば、送られてきた納付書を持参し金融機関やコンビニに行かなくても、自宅からいつでも支払えます。納付期限当日に支払っていないと気付いた場合でも、クレジットカード払いなら当日の日付が納付日となるので延滞になりません。そのため、普段多忙で納付を忘れてしまいそうな場合でも安心です。
ただし一度手続きを行えば、それ以降自動的に納付が継続される口座振替と異なり、毎回納付作業が必要ですのでご注意ください。
現金を持参する必要がない
従来の税金支払いでよく選ばれていたのは、送られてきた納付書をもって金融機関やコンビニへ支払いに行く方法です。税金の種類によっては金額が大きい場合もあり、防犯上の不安があります。
また、昨今のコロナ禍において、感染予防の観点から対面による手続きを極力減らすという意味でクレジットカード払いは便利です。クレジットカードによる納付であれば、現金を金融機関などに持参する必要がなく在宅のまま税金の支払いが完了するため安全です。
実質後払いになる
支払いの納付日は決済手続きをした当日になりますが、実際に口座からお金が引き落とされるまでにタイムラグがあります。納付期限が給料日前など一時的に手持ちが少ない場合でも、いったんクレジットカードを使って納付することで延滞にはなりません。利用料金の締め日や口座引き落とし日は、クレジットカード会社によって違います。一般的には利用日から一ヶ月から一ヶ月半後に口座から利用料金が引かれます。この間に、納付金額分を引き落とし口座に準備しておきましょう。
あとから分割にできる場合もある
クレジットカード会社によって名称は違いますが、いったん支払った料金を後から分割払いに変更できるサービスがあります。特に高額な税金の場合、クレジットカードで納付期限中に納付した後で分割払いに変更すると、家計に与える影響を軽減できます。あとから分割払いに変更する場合、変更できる期日が決まっているため注意しましょう。
ポイントが貯まる
西日本シティ銀行オールインワンカードでは、所定の倍率でポイントが貯まります。なかでも新登場のオールインワンJCBはカード1つでポイントが貯まり、そのポイントを普段の買い物に使えます。税金は必ず支払わなければいけないお金ですが、現金や口座振替で納付するとこのようなポイント還元はありません。貯まったポイントを日常生活に還元できるサービスを、積極的に利用していきましょう。
クレジットカードで納税する際の注意点
クレジットカードで納税する際の主な注意点を、5つ紹介します。
手数料が発生する
クレジットカードを使って税金を支払う場合、納付金額に応じて所定の手数料がかかります。国税をクレジットカードで支払う場合は、次のような手数料が発生します。(出典:国税庁・国税クレジットカードお支払いサイト)
納付税額 | 決済手数料(税込み) |
1円~10,000円 | 83円 |
10,001円~20,000円 | 167円 |
20,001円~30,000円 | 250円 |
30,001円~40,000円 | 334円 |
40.001円~50,000円 | 418円 |
50,000円以上の場合も、決済手数料が10,000円を超えるごとにかかります。
クレジットカード未対応の自治体もある
国税の場合は日本中どこでも同一の基準ですが、地方税の場合は自治体によってさまざまです。なかには、税金の支払いがクレジットカードに対応していない自治体もあります。住んでいる地域の地方税がクレジットカード払いに対応しているかは、自治体のWebサイトで確認できます。また、郵送される納付書にもクレジットカードなどの支払い方法が明記されています。税金の納付方法には何があるのか、事前に確認しておくと安心です。
領収書がない
クレジットカードは即時決済のため、納付日は決済手続き当日となります。しかし、領収書や納税通知書のような「税金を支払った」という証明書などは、当日には発行されません。必要な場合は納付書を持参して金融機関やコンビニエンスストアで支払い、確実に領収書をもらうようにしましょう。
車検直前の自動車税は特に注意
保有している車の種類によって、自動車税(県税)または軽自動車税(市町村税)がかかります。自動車税や軽自動車税は、自治体によってクレジットカード払いが可能な場合があります。注意したいのは、車検手続きは領収書や納税証明書を提出しなくてはいけません。しかし、クレジットカードで納税すると領収書が発行されないため、車検の直前のクレジットカード払いは避けましょう。
自治体窓口で納税証明書の発行を依頼できますが、即日発行には対応していない場合がほとんどです。福岡市のホームページには、通常の軽自動車税の納付期限である5月末ごろまでに税金を納付した場合、6月末ごろの納税証明書の発送になると明記してあります。住んでいる地域の対応がどうなっているのかは、事前に把握しておくようにしましょう。
決済後の取り消しができない
一度クレジットカード払いで納付すると、基本的に決済の取り消しはできません。そのため、納付期限ギリギリにクレジットカード決済をすることは避け、間違いがないように落ち着いて手続きをしましょう。
納付期限を過ぎた税金は払えない
クレジットカードで納付する場合、あらかじめ自宅に郵送されている納付書や納税通知書を基に手続きを進めます。高額の税金だったためクレジットカードで払おうと思っていた場合でも、期日を過ぎれば現金での支払いになります。また、納付期限をどれくらい過ぎていたかによって、延滞税が加算されることもあります。クレジットカードでの納付を考えている場合には、納税通知書や納付書が届いたら忘れないうちに決済しておきましょう。クレジットカードによる納付はインターネット環境があれば24時間いつでもどこでも可能なので、期限を過ぎないようにしましょう。
まとめ
税金は、必ず支払わなければいけないお金です。クレジットカードは、ポイントが貯まることや24時間いつでもどこでも納付できるという利便性の高さからおすすめです。西日本シティ銀行オールインワンカードは国際ブランドも選べるため、使い手のニーズに合わせて保有できます。普段使いから税金の支払いまで、暮らしに根差した1枚です。
なお、特定のエリアにお住まいの方限定ですが、「西日本シティ銀行アプリ」でもカンタンに税公金のお支払いができます。銀行やコンビニエンスストアの窓口に行かなくても、税公金のお支払いが可能です。
大野翠
芙蓉宅建FPオフィス代表、FP技能士センター正会員
金融業界歴10年目、お金と不動産の専門家。生命保険、損害保険、各種金融商品の販売を一切行わない「完全独立系FP」として、プロの立場から公平かつ根拠のしっかりしたコンサルティングを開催している。