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会社員の確定申告が必要な人とは?対象になる条件やメリットなどを解説

通常、年末調整を行う会社員は確定申告の必要がありません。しかし、最近では本業以外に収入がある場合、確定申告が必要となるケースが増えています。この記事では、会社員が知るべき確定申告の基本を解説します。確定申告についてあまり理解していない人は、ぜひこの記事を参考にしてください。

知っておきたい確定申告の基礎知識

会社員の中には、これまで確定申告を一度もしたことがないという人もいるでしょう。まずは、確定申告と年末調整の違いや、申告時に必要な書類・手続きの仕方、条件など、基本的なことについて解説します。

年末調整と確定申告の違い

年末調整と確定申告は、どちらも税務署に所得税の申告をするという点で同じです。ただし、主な違いは、年末調整は勤務先が従業員の代わりに行うのに対し、確定申告は従業員自身が手続きを行うことです。

通常、確定申告は個人事業主やフリーランスなど、会社に所属しない人が自身の所得税額を計算するために行います。会社員が確定申告をする場合は、年末調整で処理されなかった部分を補うための手続きと考えると理解しやすいでしょう。

確定申告の必要書類

確定申告に必要となる主な書類は以下の4つです。

  • 確定申告書

  • 所得金額がわかる書類

  • 各種控除証明書

  • 本人確認書類

確定申告書は、税務署に行けば手に入ります。また、国税庁のホームページからダウンロードも可能です。e-Taxで申告する場合は、確定申告書を印刷しなくてもPCから申告手続きが行えます。

所得金額がわかる書類とは、白色申告を行う場合は収支内訳書のことを指します。青色申告の場合は青色申告決算書を使います。控除証明書は生命保険料控除証明書や医療費の領収書など、支出を証明する書類のことです。

本人確認書類はマイナンバーカードがあれば使えますが、ない場合は住民票の写しや運転免許証・パスポートなどの身元確認書類が必要になります。

参考元:国税庁「確定申告書等の様式・手引き等(令和5年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分)」

確定申告の手順

確定申告は、以下の順番で進めます。

  1. 必要書類の準備

  2. 提出方法の選択(書面を印刷またはe-Tax)

  3. 確定申告書に記入/入力

  4. 確定申告書を提出/送信

必要書類がしっかり準備できていれば、確定申告書の作成は難しくありません。申告書一式の中に手引書もあるため、そちらで記入方法の詳細を確認します。

会社員で給与以外に収入がある場合は、収支内訳書を作成しないと確定申告ができないので注意してください。また、保険会社から送られてくる保険料控除証明書は、忘れずに保管しておきましょう。

確定申告の期限

確定申告書の提出期間は、毎年2月16日から3月15日までです。日付が土曜・日曜・国民の祝日・休日になる場合は、週明けの月曜日が期限日になります。なお、還付申告(納め過ぎた税金の還付を目的に行う確定申告)に関しては、2月15日以前でも手続きが可能です。

また、確定申告書は「信書」に該当するため、宅配便は利用できず郵便物または信書便物として送らなければなりません。その場合、通信日付印(消印)の示す日が提出日とみなされます。

参考元:国税庁「確定申告・還付申告」

会社員で確定申告の必要がある人

勤務先が年末調整する会社員でも、状況によっては確定申告が必要になるケースがあります。ここでは、どのような人がその対象となるのか、要件や注意事項をケース別にまとめました。

1年間の給与収入が2,000万円を超える人

会社に所属する会社員でも1年間の給与が2,000万円を超える人は、年末調整ができません。法律(所得税法第190条)で年末調整の対象は、年収2,000万円以下の人とされているからです。そのため、自身で確定申告をする必要があります。

年収2,000万円を超える人の場合、勤務先で年末調整はしませんが、源泉徴収票は発行されます。確定申告の際は、所得金額を証明するために源泉徴収票が必要です。

また、配偶者特別控除や住宅ローン控除など、受けられない控除があるので注意しましょう。

参考元:e-GOV「所得税法」

副業収入が20万円を超える人

会社員が本業以外に副業をしていて、1年間に20万円超の所得金額がある場合は確定申告をしなければなりません。アルバイトやアフィリエイト収入、ネットショップの個人運営などが該当します。

確定申告には、白色申告と青色申告があります。初めての場合、届出不要で簡易簿記を使用する白色申告のほうが手続きしやすいでしょう。事前の開業届および青色申告承認申請書の提出、複式帳簿などの一定条件を満たせば、会社員でも青色申告は可能です。

一定額を超える一時所得があった人

一時所得とは、労務や役務の対価としての性質がない臨時収入のことです。懸賞金や生命保険の満期保険金などが、これに該当します。なお、一時所得の金額は以下の計算式で算出可能です。

  • 一時所得の金額=一時所得の総収入金額-収入を得るために支出した金額-特別控除額(最高50万円)

一時所得では、この計算式で50万円控除した残額の1/2が総所得金額に算入されます。会社員の場合、一時所得を含む給与所得以外の合計額が20万円を超えた人は、確定申告が必要です。

2か所以上から給与をもらっている人

2か所以上から給与をもらっている会社員は、年末調整をしていても確定申告が必要になります。年末調整ができるのは「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出している会社の収入(主たる給与)のみだからです。

年末調整を受けられない会社の収入(従たる給与)については、所得税が源泉徴収されていてもあくまで概算です。そのため、自身が確定申告を行わないと所得税の精算ができません。ただし、従たる給与が年20万円を超えないときは確定申告が不要です。

災害を受け所得税の負担を軽減したい人

災害で住宅などに損害を受けた場合は、確定申告で所得税の負担を軽減できます。「災害減免法の適用を受ける」または「雑損控除を受ける」の2つの方法から選ぶことになります。それぞれの違いを見てみましょう。

災害減免法の適用を受ける

住宅や家財が災害によって損害を受けたときは、条件を満たせば災害減免法により所得税が軽減免除されます。災害があった年の所得金額が1,000万円以下で、損害額が住宅または家財の価額の2分の1以上がその条件です。

この制度は住宅ローン控除と同じように、税金から一定の金額を控除する税額控除の一つです。その年分の所得金額によって、控除額は変わります。

所得金額

控除

500万円以下

全額免除

500万円超750万円以下

2分の1軽減

750万円超1,000万円以下

4分の1軽減

なお、減免を受けた年の翌年分以降は、繰り越して減免は受けられません。

参考元:国税庁「災害により被害を受けられた方へ」

雑損控除を受ける

雑損控除では以下のうち、いずれか多いほうの額が適用されます。

  1. 損失額-所得金額の10分の1

  2. 損失額のうち災害関連支出の金額-5万円

なお、その年に所得金額から控除しきれない金額がある場合には、翌年以後3年間(特定非常災害は5年)繰り越し控除ができます。

参考元:国税庁「災害を受けたときの所得税の取扱い」

会社員で確定申告するメリットのある人

義務ではないですが、会社員が確定申告をすると得になるケースがあります。対象となる人や要件、メリットなどをまとめましたので、チェックしてみましょう。

年末調整の申告漏れがある人

会社員が年末調整をしても、控除対象者や申告書の記入の仕方がわからないと、受けられるはずの控除の申告漏れが起きます。また、保険会社の控除証明書が見つからずに、申告できないこともあるでしょう。

このような場合は、自身で確定申告をすれば問題ありません。後になって控除証明書が出てきても、所得控除など還付申告であれば5年間遡って申告できます。

1年間の医療費が10万円を超える人

自分や家族の医療費が年間10万円を超えた場合(所得年額が200万円未満の場合は所得の5%)、その超えた金額について所得控除が受けられます。これは医療費控除といわれるもので、治療費以外に通院のための交通費やOTC医薬品も対象です。

また、医療費控除の特例としてセルフメディケーション税制があります。これは厚生労働省が指定するOTC医薬品の購入額が年間12,000円を超えた場合、所得控除が受けられるものです。ただし、医療費控除との併用はできず、どちらか一方の申告になります。

参考元:厚生労働省「セルフメディケーション税制(特定の医薬品購入額の所得控除制度)について」

ふるさと納税・寄附をした人

個人が国・地方公共団体・特定公益増進法人などに寄附をした場合、所得税や住民税の控除が受けられます。これを寄附金控除といいますが、年末調整では対応していません。そのため、領収書を証明書代わりとして確定申告する必要があります。

ふるさと納税は、自治体に寄附をして返礼品を受け取れるメリットがある制度です。これにはワンストップ特例制度があり、確定申告しなくても寄附金控除が受けられる仕組みになっています。

手続きの仕方は、納税先の自治体に適用申請するだけです。提出期限に間に合わない場合は、自身で確定申告を行います。

なお、ワンストップ特例制度を申請した場合でも、医療費控除などで確定申告をする場合は、あらためてふるさと納税の寄付金について寄付金控除の対象として申告する必要がある点にご留意ください。

ふるさと納税について詳しくは国税庁のサイトで確認することをおすすめします。

>>国税庁「ふるさと納税」

住宅ローンを組んで初年度の人

マイホームを新築・増築などをした際に住宅ローンを組んだ人は、適用要件を満たせば住宅ローン控除により所得税の減税メリットがあります。住宅ローン減税とも呼ばれ、年末時点の住宅ローン残高の0.7%をその年の所得税の額から差し引く制度です。

控除は最大13年間受けられますが、初年度のみ確定申告が必要です。会社員の場合、2年目以降は年末調整で住宅ローン控除が受けられます。その際は、会社に税務署から送付される控除申告書と借入金の年末残高等証明書の提出が必要です。

参考元:国土交通省「住宅ローン減税の概要について(令和4年度税制改正後)」

>>西日本シティ銀行の住宅ローンについてはこちら

会社員が確定申告をしないとどうなる?

確定申告の義務があるにもかかわらず、何もしないとどうなるのでしょうか。当然ですが、会社員だから許されるといったことはありません。

厳しい処分を受けないために、以下に説明する無申告のリスクや対処の仕方をしっかり押さえておきましょう。

確定申告しないことのリスク

確定申告期限までに申告・納税を済ませないと、ペナルティが課せられます。確定申告書を3月15日までに提出できなかった場合は無申告加算税が、納めるべき税金を完納しない場合は延滞税が本税に加算されるので注意が必要です。

また、帳簿の改ざんや虚偽記載など悪質性が高い場合には、さらに重加算税が課せられます。そこで「ほ脱(脱税行為)」とみなされると刑事責任が追及され、「1年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金、またはその両方」が科せられることになるのです。

無申告がわかってしまう理由

「確定申告をしなければ、副業などをしていてもわからない」ということはありません。

税務署は銀行に対し、税務調査への協力を要請できます。大きな額の入金や一定業者からの定期送金などをチェックしますので、不自然な動きはすぐ把握されると考えてよいでしょう。また取引先への税務調査がきっかけで、自身の無申告が判明するケースもあります。

確定申告を忘れたときの対処法

うっかり確定申告の提出期限を過ぎてしまった場合は、まず管轄の税務署に相談してください。自分で気がついて申告すれば、期限後申告として取り扱われます。

一定の条件を満たせば無申告加算税の税率が軽減または課せられないこともありますので、放置することだけは避けましょう。

その他、災害など、やむを得ない事情で確定申告・納税ができない場合は「災害による申告、納付等の期限延長申請書」を提出すれば期限延長が可能です。

参考元:国税庁「確定申告を忘れたとき」

まとめ

会社員であっても確定申告が必要な場合があります。今後、働き方の多様化が進み、会社員でも複数の収入源を持つことが一般的になる可能性があります。これにより、確定申告の義務が拡大することが考えられます。確定申告には、納税だけでなく、還付を受けるというメリットもあります。そのため、日常的に関連情報を収集し、このテーマに精通しておくことをお勧めします。

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