相談者:Iさん(福岡県在住)
夫41歳(会社員)、妻44歳(専業主婦)、長男1歳
Q. 将来の必要資金、どのように見積もればよい?
不妊治療を経て、やっとの思いで1人出産できました。不妊治療で、なかなか仕事に就くのも難しく経済的にも大変でしたが、現在1歳半になりました。
体力・経済的に悩みましたが2人目にトライしているところです。昨年から不妊治療代も保険適用になりましたが、高齢のため自費になるので、多く見積もってあと70~100万円くらいかかるかと思います。
2人目にトライして成功した場合、私が働きに出るのは今から3~4年先になると思います。それから65歳くらいまで働いて、月10~15万円くらいの収入を想定しています。
高齢出産なので子どもが巣立ってから老後資金を貯めるのは難しくなります。そこで①月18万円で暮らすとして老後資金をいくら準備する必要があるのか、②将来古家をリフォームして住める(2000万円想定)くらいの資金は持てるか、③子どもが2人とも大学進学した場合、教育資金は足りるのか、①~③の順でどのように将来の必要資金を割り出したら良いかのご相談です。現在はただただ不安で貯めている状態。資産運用しないと65歳頃のリタイアは難しいでしょうか。
A. 「いくら必要か」「足りるか」ではなく目標額を決めて
家庭の事情に合わせて割り出すことが大切。住宅資金は貯められそう
将来に向けて「いくら貯蓄に回す?」「貯め方、増やし方をどうする?」は、万人に共通の課題です。とりわけIさんのような家族形成期は、家族の人数も不確定で、収入計画も立てづらく、悩みが多くなりがちです。
ご質問の1つ目は、老後の生活費を月18万円、と仮定した場合の老後資金準備額ですね。生活費が公的年金で賄えておつりがくる場合は、交際費やレジャーなどの老後のイベントにどのくらい回せるかを割り出し、不足額が退職金でカバーできるかを考えます。
公的年金や退職金で老後資金が不足しそうな場合は、いくら準備するか、ざくっとでいいので計算して、目標額を決めましょう。金額について、一般的な目安は役に立ちません。それぞれの家庭の実情に合わせて、割り出すことが大切です。
2つ目のご質問の住宅資金は、ご実家から古家の相続があった場合の仮定のお話とか。2000万円が貯められるかどうかは、現在の黒字額や貯蓄額、あなたの今後の収入を勘案すれば、難しくないと思われます。あなたが再就職できた段階で、リフォームのみならず改築も視野に入れ、実現時期も含めて具体的な住宅計画を立てましょう。
ご質問3つ目の教育資金も、進路や収入に左右されるので、「足りるか」でなく、「まずは1人300万貯めよう」などと決め、子ども名義で積み立てを開始すべき。
65歳リタイアについては、資産運用をするかどうかが決め手ではありません。リタイア計画より、長く現役で活躍してゆとりある生活を送ることを目指しては?
回答者 高橋伸子さん
生活経済ジャーナリスト。長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。
消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。
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転載元:
「リビング北九州・熊本・かごしま」2022年12月17日号掲載
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高橋伸子
生活経済ジャーナリスト
長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。2016年に内閣総理大臣より消費者支援功労者表彰を受ける。