相談者:Yさん(鹿児島県在住)
夫35歳(公務員)、妻32歳(会社員)、長女5歳、長男3歳
Q. 一戸建てへの買い替えは、現実的に可能?
秋に第3子を出産予定です。
4年前に3,400万円のマンションを購入しましたが、子どもが増えて手狭になりそうなのと、他の部屋への騒音も心配なため、一戸建てへの買い替えを考えています。
マンションは、35年のペアローンで3,300万円を借り入れて購入(割合は夫6・私4)。金利は10年固定で0.48%です。新たに一戸建てを購入する場合は、マンションを売却。夫の地元に無償で譲ってもらえる土地があるので、住宅代のみで約2,500万円を想定しています。
しかし育休時の収入減などもあったため、今は貯蓄があまりありません。買い替えは現実的に可能でしょうか。さらに、今後どの程度貯蓄が貯まったら購入に踏み切ってもいいのか、買い替えのベストな時期についてもアドバイスをお願いします。
また教育費として、長女は18歳で380万円を受け取れる学資保険を掛けていますが、長男は未加入です。
長男、そして第3子にも同程度の教育費を貯めたいのですが、学資保険に入るか、NISAを始めるかで迷っています。
A. 資金繰りの事前勉強が必須。生活のことも考えて
教育資金の貯め方も住み替えによる家計の変化を見極めて決定を
住まいの買い替えに際しては、現在の住宅ローンの残高と、お住まいのマンションがいくらで売れそうかなど、資金繰りを考えることが大切。「売却」と「購入」を並行して進めなくてはならないので、新規購入より苦労が多いですよ。
ローンの残高は、金融機関発行の返済予定表や残高証明書で確認できます。売却は買い手が現れることが必須で、希望価格でスムーズに売れない可能性があること、売却前にローンを完済して抵当権を抹消すること、つなぎ融資や買い替えローンなどの利用も含め、事前勉強が必須です。手数料も調べましょう。
譲ってもらえる土地についても、本当に無償なのか、贈与税がかからないかなど調べる必要がありそう。無償で借りて、担保提供してもらってローンを組む方法もありますので、研究してください。
なお、第3子が2歳になるまで、育休をとりたいとか。その間に家を買い替えたいと思っているのですね。第1子の小学校入学前が理想でしょうが、その場合はすぐにでも建築計画に着手する必要があります。
とはいえ、通勤時間が2時間もかかる地域への転居のようですから、夫婦とも今の職場で働き続けられるかなど、別の問題も発生しそう。いくら貯めればOKといった単純な話ではなく、家を建てるまでの生活、建てた後の生活のことを考えて判断すべきです。
教育資金も学資保険かNISAか、でなく、金利のいい定期預金やつみたてNISAも選択肢に。住み替えによる家計の変化を見極めて貯め方を決めましょう。
回答者 高橋伸子さん
生活経済ジャーナリスト。長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。
消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。
相談者募集!家計の悩みを解決してもらいませんか
あなたの家計も高橋伸子さんにズバッと診断してもらいませんか。
1カ月の収支、家計状況と質問を書いて投稿フォームから応募を。
相談内容(保険、ローンなど)に関するデータは詳しく。
確認のため電話番号は必ず明記してください。
採用者には商品券2,000円分を進呈。
転載元:
「リビング熊本・かごしま」2023年7月15日号掲載
■あわせて読みたい記事
・教育資金の貯め方にはコツがいる!必要な金額の目安や貯金におすすめな制度を紹介
・住宅購入にかかる費用ってどんなものがあるの?
*投資信託のご留意事項について
商号等:株式会社西日本シティ銀行 登録金融機関 福岡財務支局長(登金)第6号
加入協会:日本証券業協会、一般社団法人金融先物取引業協会
*保険商品に関するご留意事項について
商号等:株式会社西日本シティ銀行 登録金融機関 福岡財務支局長(登金)第6号
高橋伸子
生活経済ジャーナリスト
長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。2016年に内閣総理大臣より消費者支援功労者表彰を受ける。