相談者:Nさん(福岡県在住)
夫49歳(会社員)、妻46歳(パート)、長女10歳(小学生)、長男8歳(小学生)
Q. 住宅購入で貯蓄激減。教育&老後資金は間に合う?
昨年マンションの中古物件を購入し引っ越しました。その際、リフォームや家具、家電などに多額の出費(約600万円)があり、夫婦の貯蓄は激減しています。
これから子どもたちに本格的にお金がかかる年齢を迎えます。児童手当や進学祝い、お年玉など、その都度子ども名義で貯蓄していて、大学進学時には学資保険と合わせて、それぞれ最低でも450万円を用意したいと思っていますが、これで足りるのか不安もあります。その時まで毎月の給料から学費をまかないつつ、習い事や高校までの進学費用を捻出するつもりです。
これまで、日々の節約はもちろんフリマアプリや投資など工夫して懸命に貯蓄に取り組んできましたが、保育料など当時は無料の制度がなく、思うように増えていません。その上、やっと貯まったお金はリフォームに使ってしまいました。子どもに伸び伸びと、時には思い出に残る楽しい旅行も計画しつつ、大学卒業までどうやりくりすべきか悩んでいます。
子どもたちが自立後は還暦間近。75歳くらいまで、バイトでも何でも働こう!と話し合っていますが、老後資金は足りるでしょうか。
A. 支出の引き締めが急務。教育費も聖域視しないで
夫の減収も想定して、今のうちからあなたの働き方も検討を
大学費用を早くから貯めつつ、高校卒業までは毎月の収入の範囲内で教育する、という方針を立てているのは立派です。
ご心配は、現在の貯蓄目標額で大学費用が足りるかどうか、ですね。自宅外通学で仕送りが必要になった場合や、専門的な教育を受けることになったら、不足するかもしれません。
でも、そうした事態を回避するために、今から教育貯蓄を上積みすると、習い事や家族旅行などをセーブせざるをえず、伸び伸び楽しく、という「わが家のポリシー」に反しますよね。
そこが悩みどころのようですが、家計収支をチェックすると、特別収支が約30万円の赤字! 住宅ローン控除など、確定申告や年末調整で戻ってくるお金で補てんしても、貯蓄を取り崩さざるを得ない状況です。
数年以内に役職定年等で夫が減収に見舞われることも想定し、教育資金の増額ではなく、家計を安泰にするために支出を引き締めて将来に備えることをおすすめします。
マンションの築年数が不明ですが、変動金利の住宅ローンの返済が夫が74歳になるまで続くことや、いずれ大規模修繕が発生することへの対策も必要です。管理費や修繕積立金が家計簿に計上されておらず、収支の再点検が急務。日用品費や雑費、レジャー費の削減に着手を―。教育費も聖域視しないことが大切です。
あなたの収入を増やすことも喫緊の課題です。厚生年金に加入したり退職金をもらえる働き方にするなど、老後資金が増える方向で今から頑張ってください。
回答者 高橋伸子さん
生活経済ジャーナリスト。長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。
消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。
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転載元:
「リビング熊本・かごしま」2023年3月4日号掲載
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高橋伸子
生活経済ジャーナリスト
長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。2016年に内閣総理大臣より消費者支援功労者表彰を受ける。