相談者:Kさん(鹿児島県在住)
夫27歳(会社員)、妻28歳(会社員)、長男4歳、次男1歳
Q. 貯蓄方法が不安、口座の使い分けはどうすれば?
家計簿は直近1年間の平均収支を記載しています。 昨年度は育休を夫とともに取得。その間はほとんど貯蓄できず、現在も夫婦ともに育児を優先し、夫は時短勤務で働いているため、収入減が続いています。
「30歳までに1000万円貯める」と夫婦で目標を設定し、夫と協力しながら家計をやりくり。先日なんとか目標達成しました。
次は「40歳までに2000万円」を目標にしていますが、普通預金以外にもNISAなどを活用すべきでしょうか。
貯蓄は用途別に分けておらず、子どもの教育費なども別で準備していません。今後、どのように貯めていけばいいのか、貯蓄に対して漠然とした不安があります。賢く貯めるには、どのように口座を使い分ければいいのか、アドバイスをお願いします。
現在は賃貸住まいで、住宅購入は新築か中古リフォームの一戸建てを希望。子どもが独り立ち後、40歳後半から50歳前半で頭金を1000~1500万円用意して、2000万円以下のローンを組んで購入しようと考えています。年齢的にローンのデメリットがあるかも教えてほしいです。
A. ライフイベントに合わせて最適な運用商品を選んで
普通預金から定期等に預け替えて教育資金を確保し住宅資金の準備を
Kさんは夫婦で共同管理できる家計簿アプリを使っているようです。口座連携機能やレシート読み取り機能などを使えば、入力の手間が省け、集計やグラフ化もラクにできて便利。2人で同じデータを見ながらやりくりを工夫し合った結果、「30歳までに1000万円」の貯蓄目標が、早期に達成できたのだと思います。
育休や時短勤務を夫婦で利用している点も素晴らしい! 一時的な減収を受け入れつつ、レジャー費など優先したい費目はケチらず、子育てを楽しんでいる点も評価できます。目先の損得ではなく、家族のあり方をよく考えてのことでしょう。
目下の課題は「40歳までに2000万円」の貯蓄目標に向けて、どういう金融商品を利用したらいいか、ですね。目的別に口座を分けていない今のやり方を続けていいか、という問題意識はいい着眼点です。
これまでの家族形成期は貯蓄の芯を作る時期なので、いつまでにいくら貯める、という大きな目標設定が有効でした。でも、家族の形が定まった今は、複数のライフイベントに向けた個別準備が有効。使途や使う時期を明確化して、最適な運用商品を選びましょう。
子どもが経済的に自立する時期に夫婦はまだ40歳代なので、老後資金準備を急ぐ必要はなし。教育資金は、手持ちの普通預金から金利のいい定期預金や個人向け国債などに預け替えて確保。子育て後に実現予定のマイホーム資金は、財形貯蓄につみたてNISA、ボーナス貯蓄をプラスして準備を。住宅ローンへの依存度を低めるべきでしょう。
回答者 高橋伸子さん
生活経済ジャーナリスト。長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。
消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。
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転載元:
「リビングふくおか・北九州・熊本・かごしま」2023年2月11日号掲載
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高橋伸子
生活経済ジャーナリスト
長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。2016年に内閣総理大臣より消費者支援功労者表彰を受ける。