相談者:Fさん(鹿児島県在住)
夫28歳(会社員)、妻29歳(契約社員)
Q. 35歳までに500万円を貯蓄するには?
昨年9月に結婚したばかりです。交際中は気にならなかったのですが、結婚し、今後子どもが欲しいことなども考えると、貯蓄を増やさなければ、と感じるようになりました。
結婚や引っ越しで、これまで75万円を出費し、4月の結婚式費用であと50万円を支払う予定です。夫婦共に昨年春に転職していて、夫のボーナスは今後、年間60万円ほどもらえそう。
生命保険と自動車保険は、それぞれの両親が支払ってくれています。ただ、生命保険の受取人も私の父となっているので、いずれは保険料の支払いも保険金の受取人も夫に引き継ぐ予定です。更に、私は県民共済への加入を検討中です
子どもは2人欲しいと思っていて、2年後くらいを希望。出産後は実家が遠方のため、私の仕事の継続は難しいと考えています。また、35歳前後で夫の地元に移住し、マイホームを購入する予定です。
結婚式まで出費が続きそうですが、その後は月15万円を目標に貯蓄に励みたいです。移住する35歳までに500万円を貯めて住宅の頭金にしたいのですが、出産後は夫の収入だけになることもあり不安です。
どのように貯蓄を増やしていけばいいか、良きアドバイスをお願いします。
A. 月15万円の継続とボーナスのまるごと貯蓄を目標に
共働きも検討を。生命保険受取人変更は贈与税の対象になるのでNG
転職と結婚で、昨年は大忙しでしたね。生活が少し落ち着いた今、夢の実現に向けて経済基盤を整えようとしているのはすばらしいこと。家計簿をつけて頑張りましょう。
①2年後に1人目を出産し、子どもは2人持つ、②5年後に夫の郷里に移住する、③それまでに500万円貯めてマイホームの頭金にする――この3つがF家の中期的な目標ですね。
現在の貯蓄とは別に500万円貯める計画でしょうか。それには年84万円を貯蓄に回せばOK。予定している月15万円の貯蓄が継続できれば楽勝です。
でも、出産を機にあなたが仕事を辞めると、事情は一変します。家電ローンや住民税がなくなり、小遣いや生活費を節約しても、貯蓄に回す余裕はほとんどなさそう。夫の増収に期待するしかありません。
不足分を現在の貯蓄から回すことも考えられますが、移住後の家計の見通しはどうでしょう。教育費など長期的な目標も意識し、共働きの継続も視野に入れることをおすすめします。
まずは毎月15万円の貯蓄と、ボーナスのまるごと貯蓄を達成してください。特別支出の分は、毎月の家計の節約分をプールした中から払うようにしましょう。
なお、実家のお父さんが契約者、あなたが被保険者の生命保険の満期保険金の受取人をあなたに、死亡保険金の受取人を夫に変更する計画はNG。贈与税の対象になります。夫の乗っている車の保険契約者が夫の父である点も再考が必要。車の所有者変更含め、見直しに着手してください。
回答者 高橋伸子さん
生活経済ジャーナリスト。長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。
消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。
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転載元:
「リビング北九州・熊本・かごしま」2023年1月14日号掲載
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高橋伸子
生活経済ジャーナリスト
長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。2016年に内閣総理大臣より消費者支援功労者表彰を受ける。