相談者:Sさん(鹿児島県在住)
本人25歳(会社員)
Q. 貯蓄を増やしたい。出費を減らす以外に方法は?
目標としていた資格取得のために仕事を辞め、1年間アルバイトをしながら勉強。今年春から、資格を生かした新しい仕事に就きました。昨年から実家暮らしで、家には月に3万円を入れています。
水筒を持参したり、本は図書館を利用したりと、できるだけ無駄なものを買わないようにしていますが、なかなか貯蓄ができません。今の貯蓄200万円は、前職の4年間でコツコツためたものです。
奨学金の返済は2031年まで。雑費は勉強のための費用や、家計簿に記した以外の細かい支出をまとめています。8月から毎月の収入が2万円増えた他、ボーナスは冬から出る予定で、年間40万円ほどもらえそう。
今後、つみたてNISAを始めたいと考えていますが、この状況ではいくら積み立てるのが妥当でしょうか。また、将来、やりたいことができたときのためにと、将来の可能性を広げるためにも貯蓄を増やしたいのですが、手取りが少ない分、日々の出費を減らす以外方法はないでしょうか。
目標は大きく、5年後の30歳までに500万円の貯蓄を目指しています。
A. ①勤労収入を増やす、②副収入、③運用収入を得る
①②はOK。③は運用方針を決めて、まずは月1万円程度でスタート
最初の職場では準社員だったのに、4年間で200万円を貯めたのは立派です。それをほとんど取り崩さず、実家暮らしとアルバイトと雇用保険で、念願の資格を取得し、転職に成功したのですね。おめでとうございます!
増収により、現在は奨学金を返済した上で月に3万円近い黒字ですが、特別支出の支払いにも回さざるをえない状況です。でも、冬のボーナスが20万円ほど見込めるようなので、3カ月後からは計画的に貯蓄ができそうです。
「出費を減らす以外に貯蓄を増やす方法は?」とおたずねですが、①勤労収入を増やす、②副収入を得る、③運用収入を得る、といった方法が考えられます。
①は今まさに実行したばかり。②もアンケートモニターなどで得たポイントを収入に計上していますが、本業に支障が出ない範囲で上乗せできるといいですね。
③は円貨預金などローリスク・ローリターンでいく、外貨預金・株式投資・投資信託などでハイリスク・ハイリターンを目指す、といった運用方針を決めて取り組む必要があります。
今の家計状況なら、元本保証商品でも5年後に500万円の目標は達成できそうなので、無理は禁物。検討中のつみたてNISAは、ミドルリスク・ミドルリターンに位置付けられ、投資の初心者向きです。
積み立て額はいつでも変更できるので、まずは月1万円程度で長期・積立・分散の構えでスタートしてはいかがですか? 2つぐらいのファンド(投資信託)に投資すると、勉強になると思います。
回答者 高橋伸子さん
生活経済ジャーナリスト。長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。
消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。
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転載元:
「リビング北九州・熊本・かごしま」2022年9月10日号掲載
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高橋伸子
生活経済ジャーナリスト
長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。2016年に内閣総理大臣より消費者支援功労者表彰を受ける。