相談者:Nさん(鹿児島県在住)
本人37歳(公務員)、長女5歳、二女3歳
Q. シングルマザーでも、家を購入して大丈夫?
1年前に離婚し、3歳と5歳の娘と3人暮らし。フルタイムで働く公務員です。 残業が多く、両親にサポートしてもらっているので、謝礼と食事代を月3万円渡しています。
また、私に何かあったとき、 子どもが困らないように生命保険を高めにしているため、保険料が高くなっています。
今は賃貸住まいですが、老後のことを考えるとマイホームを購入した方がいいのではと悩んでいます。
予算は、戸建てで2500万円ほど。中古で目ぼしい物件がなければ、狭くても新築を考えています。住宅購入に充てられる貯蓄は、300万円。残りは借り入れを考えていますが、年齢が上がると借り入れできる額が少なくなるのではと不安です。ローンの返済期間を考えると、時間の猶予がなく早めに決断したいです。
家計はどんぶり勘定のため、余裕があるのか分かりません。半年前に買い替えた車のローンは、残り7年です。住宅購入以外に、先々の大きな出費の予定はありません。
家の購入に向けたやりくりや住宅ローンの選び方に、アドバイスをお願いします。
A. ローン選びの前に、どんぶり勘定から脱却を
ボーナス使途不明金をなくし、両親の老後も踏まえマイホーム計画を
多くの人にとって、マイホームは人生最大の買い物です。年収の何倍もする物件を手に入れるには、それなりの理由があるはずです。Nさんの場合は持ち家のほうが老後が安心と考え、購入に踏み切りたいのですね。
公務員という安定した職業で、お子さんの将来の教育費の大半が元夫からの養育費で賄えそうな状況ですから、持ち家購入のハードルはそれほど高くはありません。予定している借入額も手取り年収の4倍程度なので、安全圏です。
ローンの返済期間や借入額が気になり、早く決断したいようですが、焦りは禁物。家賃補助がある今のうちにしっかり貯蓄すれば、返済期間や借入額の問題はクリアできます。ローン選びの前に、どんぶり勘定から脱却することが大切です。
毎月の収支はかなり把握できていて、計画的に貯蓄もしていますが、黒字が出ると気が大きくなり使ってしまうとか。そうであれば、毎月2万円をつみたてNISAに回してはいかが?
ボーナス収支は、使途不明金が50数万円もある点が問題です。レジャーにその半分を使っているようなので、天引き的に貯蓄している分を70万円から100万円にアップして、レジャーは予算を立てて使うようにしましょう。100万円のボーナス貯蓄は普通預金ではなく、ネット定期預金や個人向け国債などを検討することをおすすめします。
なお、子育てを手伝っていただいているご両親の老後の面倒を見る必要性や同居の可能性も視野に入れて、マイホーム計画を立てることをおすすめします。
回答者 高橋伸子さん
生活経済ジャーナリスト。長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。
消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。
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転載元:
「リビング北九州・熊本・かごしま」2022年6月18日号掲載
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高橋伸子
生活経済ジャーナリスト
長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。2016年に内閣総理大臣より消費者支援功労者表彰を受ける。