相談者:Tさん(福岡県在住)
妻33歳(会社員) ※夫は他県で別居中
Q. 夫の将来が未定。出産後のベストな貯蓄方法は?
夫は結婚前から遠方の大学で学生をしており、今まで一度も同居しておらず、かつ収入や貯蓄・生活費の収支は合わせていません。夫は貯蓄を充分しており生活に困っている様子はないようですが、現在は学業中心のため収入が少なく将来の収入や就職、就業予定地なども未定です。
私は現在正社員として働いており、妊娠中で夏頃に第一子が生まれます。産休育休を経て復帰予定です。
貯金のほとんどは比較的高利子な社内預金にしており、給料天引き。しかし産休・育休の期間は社内預金は停止しなければならないため、産後はしばらく増やすことができません。
夫の将来がまだ未定なため、いざという時はなるべく私が生活を支えようと思い貯蓄を続けてきました。
基本的にお金を必要とする生活をしていないため、貯蓄自体は苦痛ではなく自然と貯まっています。しかし貯金以外のことを何もしておらず、何をしたら良いのか分からない状態。現在ある貯蓄を資産運用や年金型の貯蓄などにシフトさせた方が良いのでしょうか?
夫の将来が未定のため、どういった未来にも対応できそうな方法はありますか?
A. 夫が契約者、子どもが被保険者の学資保険はいかが
子育て費用は夫も出すべき。資産運用は急がず、育休中に勉強を
遠距離恋愛を経て結婚なさり、別居生活が続いているようです。「夫の将来が未定」とのことですが、結婚時に「あと何年、学生生活を続ける」「卒業後どういう仕事に就きたい」「いつ同居する」ということを話し合っていますよね。
ずっと研究生活を続けるのか、どこかのタイミングで就職や起業をするつもりなどをお伝えいただければ、今後の経済運営についてアドバイスしやすいですが、「どういった未来にも対応できそうな方法はあるか」というおたずねには、「すぐにはありません」と答えざるを得ません。
誰にとっても未来は不透明です。「未来は予測するものでなく創るもの」という名言のとおり、主体的に家庭の将来を考えて、それに向けて対策を立てて実行することが、人生を豊かにするポイントです。出産を機に、二人でぜひ取り組んでください。
現時点でお伝えできるのは、「夫は貯蓄を十分にしている」そうなので、子育て費用は父親である夫も出すべきということ。将来の教育資金については、はじめの一歩として、夫が契約者(=保険料負担者)、子どもが被保険者の学資保険を利用してはいかがですか。あなたが契約者かつ被保険者で、子どもを受取人にした死亡保険に入るなども検討を― 。
また、社内預金を積極的にご利用ですが、金利が良い一方、会社が倒産した場合には戻らないケースもあるので、会社の業績にも関心を持って対処しましょう。資産運用は急がず、育休中に基本的なことを勉強してからスタートすることをおすすめします。
回答者 高橋伸子さん
生活経済ジャーナリスト。長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。
消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。
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転載元:
「リビング北九州・熊本・かごしま」2022年4月30日号掲載
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高橋 伸子
生活経済ジャーナリスト
長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。2016年に内閣総理大臣より消費者支援功労者表彰を受ける。株式会社西日本フィナンシャルホールディングスの社外取締役監査等委員。