相談者:Mさん(福岡県在住)
本人29歳(医療職)
Q. 30歳まで1000万円貯蓄するための預け先は?
29歳、独身です。
コロナ前は好きなバンドのライブのため、関東や関西を含め遠征を頻繁に行っていました。
現在は遠征もできず、ツアーも無いため、30歳までに目標の1000万円を目指してできるだけ貯金を行っています。
収入は夜勤の回数によって変動があります。雑費の3万円はクレジットカード支払いの趣味や化粧品、通販、フードデリバリー等で変動あり。また、学費の返済のため、両親へ不定期に10万円ずつ振り込みしています。
このように収入と支出に変動があるため、先取り貯蓄は行っていませんが、赤字はなく、今年の1月からつみたてNISAを1万5000円で始め、8月から2万円へ増額しました。ボーナス月はプラス1万円です。
今後つみたてNISAのためにもう少しお金を使うべきか、他の投資信託等に分散するか、普通預金に貯めておくか悩んでいます。
外出をしていないため出費が少ないはずですが、余裕たっぷりという実感もなく不安です。アドバイスをよろしくお願いいたします。
A. NISA限度額まで分散投資し、普通預金は定期へ
目標を「1年以内に1000万円」に設定した方が健全に暮らせそう
先取り貯蓄せずに、858万円も貯めたとは驚きです。ボーナスをまるごと貯蓄してきたのかもしれませんね。夜勤の多い月は支出も少なく、普通預金残高が増えるのでしょう。それでも楽しみを趣味のライブに絞った一点豪華主義が功を奏したのだと思います。
コロナ禍を機に投資に関心を持ち、つみたてNISAを始めたのはよかったです。長期・積立・分散投資に適した投資信託から好きな商品を選ぶ形ですが、運用コストが低く、運用益が出ても税金がかかりません。
Mさんは2つの商品を選んで分散投資できているので、他の投資信託を利用する必要はありません。まずはNISAの限度額(年40万円)の範囲で分散投資しましょう。残り枠を利用して、この11月から月1万円、ボーナス月にはさらに1万円増額してはいかがですか。普通預金は100万円あれば十分です。すでに貯まった分はネット定期に預け替えることをおすすめします。
投資も含め「30歳までに1000万円」という目標が妥当かどうかのチェックも大切です。お誕生月が不明なので、目標達成まで10カ月としてみてみましょう。
つみたてNISAで34万円貯まるので、あと108万円貯める必要があります。増収なしだと、ボーナスから46万円、月平均6万2000円貯めなくてはなりません。ご両親に学資の返済を待ってもらいNISAを増額した上で、月2万円節約できますか? 使う予定あっての貯蓄目標ではないので、「1年以内に1000万円」に変更した方が、健全に暮らせると思いますよ。
回答者 高橋伸子さん
生活経済ジャーナリスト。長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。
消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。
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転載元:
「リビング北九州・熊本・かごしま」2021年10月23日号掲載
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高橋 伸子
生活経済ジャーナリスト
長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。2016年に内閣総理大臣より消費者支援功労者表彰を受ける。株式会社西日本フィナンシャルホールディングスの社外取締役監査等委員。