相談者:Aさん(鹿児島県在住)
夫44歳(会社役員)、妻37歳(専業主婦)、長女12歳、次女9歳、長男5歳
Q. 支出を減らして、教育資金を準備するには?
私(夫)は会社の代表を務めています。役員のためボーナスがなく、決まった定年もありません。
8年前にボーナス払いなしの30年ローンでマイホームを購入し、団体信用生命保険に加入しました。
妻が長女を中高一貫の私立校にと希望しているため、半年ほど前から塾に通わせています。毎月の費用が高額な上、実際に通うとさらに出費が増えるため、頭を悩ませています。
私はどちらかというと私立中高に通わせるよりも、大学や専門学校の進学に掛かる費用のために貯蓄をしたいと考えていますが、なかなか夫婦で考えがまとまらず、相談しました。
光熱費は太陽光発電で一部賄っていますが、食事は総菜やパンも多く、私も朝食をコンビニで購入したり、昼食は弁当の宅配サービスを利用するなど、全体的に食費が高め。
また、休日のレジャー費や外食費も多いです。
子どもたちに手が掛かることもあり、妻が働くのは難しそうです。
支出を減らすには、どうすればよいでしょうか。ぜひ、アドバイスをお願いいたします。
A. 夫婦で教育方針・資金を話し合って具体額の把握を
共働きも視野に入れ、食費・外食費の半減を目指しましょう
私立中受験のための塾代がかかり始めたことで、家計がひっ迫してきたのですね。年間収支は38万円強の赤字ですが、来春以降は赤字幅の拡大が予想されます。このままでは貯蓄が激減し、お子さんたちの進路の選択肢が狭まりそう…。早急に手を打つべきです。
まずはこうした事実に基づいて、3人の教育方針と教育資金準備法について夫婦で話し合いましょう。すでに受験態勢に入っている長女に、経済的な理由で進路変更を強いるのが酷であれば、長女の今後の教育費と、次女と長男の進路と費用予測をしてください。具体額を把握すれば、支出削減と貯蓄計画について合意点を見いだせるはずです。
共働きも視野に入れましょう。「子どもたちに手がかかる」とおっしゃいますが、親離れ・子離れすべき時期になっても世話を焼き続けるのは問題です。妻も外で働くことで世の中の変化を肌で感じ、子どもの進路についての考え方が変わるかもしれません。
支出カットは突出している食費から着手を― 。外食費も含め、半減を目指しましょう。手作りでコストパフォーマンスの良い料理は何かの研究や、ホームフリージングなど食材の有効活用や時短調理の工夫を通して、お金をかけずに豊かな食卓を実現してください。
最近はお弁当や休日の食事など、料理に生きがいを感じる男性が増えています。
あなたもやってみては? 家計簿はつけたりつけなかったりのようですが、食費だけでも細かくつけるべき。数字で効果を実感すると、うまくいくものです。
回答者 高橋伸子さん
生活経済ジャーナリスト。長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。
消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。
相談者募集!家計の悩みを解決してもらいませんか
あなたの家計も高橋伸子さんにズバッと診断してもらいませんか。
1カ月の収支、家計状況と質問を書いて投稿フォームから応募を。
相談内容(保険、ローンなど)に関するデータは詳しく。
確認のため電話番号は必ず明記してください。
採用者には商品券2000円分を進呈。
転載元:
「リビング北九州・熊本・かごしま」2021年8月7日号掲載
- 暮らし
高橋 伸子
生活経済ジャーナリスト
長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。2016年に内閣総理大臣より消費者支援功労者表彰を受ける。株式会社西日本フィナンシャルホールディングスの社外取締役監査等委員。