こんにちは。薬膳料理研究家・SATOEです。福岡市にあるキッチンから、皆さんの体調やココロを整える薬膳料理を発信しています。コラムでは、季節の過ごし方、体調別のおススメ食材、ご家族で美味しく食べることのできるカンタン薬膳レシピをお伝えします。今回のテーマは「夏の安眠のための薬膳」。薬膳料理で身体とココロを整えて、おいしく楽しい生活を送りませんか?
8月に入り、30度を超える夏日が続いていますね。皆さん、体調はいかがでしょうか。
暑さで夏バテ気味の方、外に出る機会が少なくなって気分が晴れない方、クーラーのかかった室内にずっといることで夏なのに冷え症状を感じている方、いろんな方がいらっしゃると思います。
夏は体調のコントロールが難しいですよね。
そんな中、夏になると意外と良く聞くのが「暑くて眠れない」「クーラーをかけて眠ろうとしてもなぜか最近眠れないんです。」というお声です。
それもそのはず。実は、薬膳の世界では、夏になると暑さで「心(臓)」に影響が出ることで眠れないという症状が出やすいと言われます。夏に眠れないのは、暑さという理由だけでじゃないんですね。
では、どういう方が「心(臓)」に影響が出て眠れないという症状があるのでしょうか。
以下のチェック項目で確かめてみてくださいね。
□ 血圧が高い(または低い)
□ 最近味覚が変わった気がする
□ 口内炎ができやすい
□ 汗っかきだ(または汗をかけない)
□ 階段を上ると心臓がバクバクする
いかがですか?当てはまる項目はいくつありましたか?
3つ以上あてはまった方で最近よく眠れないという方は、夏に「心(臓)」機能が低下している可能性があります。
逆を言えば、このような方の「眠れない」という症状は、心機能を高める食材を取ることで改善します。
具体的に、心機能を高めるためには
◎体に溜まった余分な熱をとる
◎心(臓)に良い食材を取る
◎心(臓)と関係の深い精神を安定させる食材を取る
ことが大事です。
では、ぞれぞれの食材を使った、「心(臓)」機能を安定させ不眠を解消する3つのおススメの薬膳レシピをみていきましょう!
【レシピNO1】緑豆粥
【材料(4人分)】
緑豆・・・・・・・・40g
ラディッシュ・・・・・・4個
セルフィーユ・・・・・・2本
白米・・・・・・・・1合
水・・・・・・・・・1800cc
【作り方】
1 緑豆、白米は水で洗って、30分ほど空気にさらしておく。
2 土鍋に、緑豆、白米、、水を入れ、強火→(沸騰したら)弱火で30分たく。
3 ラディッシュは薄切りにしておく。
4 火を止めたら、蓋をしたまま30分そのまま蒸らす。
5 器に4の粥を盛り、ラディッシュとセルフィーユを飾る。
【レシピの効果】
緑豆には、カラダの余分な熱を取る効果があります。そのため、夏になると、この緑豆を使った薬膳料理よくみかけます。代表的なのは緑豆粥ですが、そのほかにも緑豆の羊かん、緑豆を使ったカレーなどをつくったりします。緑豆は優しい甘みのある豆なので、お料理やデザートに使いやすい食材です。あずきみたいに甘く炊いて、緑豆のぜんざいを作っても美味しいですよ!
【レシピNO2】ハツの赤ワイン風味
【材料(2人分)】
豚のハツ・・・・・・・200g
龍眼肉・・・・・・・・10g
干ブドウ・・・・・・・20g
くこの実・・・・・・・・10g
赤ワイン・・・・・・・50cc
蜂蜜・・・・・・・・・大さじ2
しょうゆ・・・・・・・・小さじ2
【作り方】
1 ハツは流水で洗い、血の塊や汚れた部分を取り除いておく。
2 鍋に、ハツ、龍眼肉、干ブドウ、くこの実、赤ワイン、蜂蜜、しょうゆを加え、弱火で12分煮込む。
3 火を止め、蓋をしたまま20分そのまま置いて味をしみこませる。
4 器に盛る。
【レシピの効果】
皆さん、焼き鳥屋さんでハツを食べたことはありますか?ハツは英語で言えば「Hearts」。そうです!実はハツは心臓なんです。薬膳の世界では「その臓器が弱っているときは他の動物の同じ臓器を食べると良い」とされます。なので、夏に心(臓)機能が低下して眠れないときに豚や鶏の心臓を食べるといいのです。このちょっとした食材を選ぶコツが体調を整えるカギとなります。
※竜眼肉が手に入らないときは、干しブドウの量を増やして入れてくださいね。
【レシピNO3】スイカと小豆のココナッツデザート
【材料(2人分)】
小豆(水煮)・・・・・・・・30g
ビワ・・・・・・・・・・・1個
スイカ・・・・・・・・・・・60g
タピオカ(西米露) ・・・・・・10g
ココナッツミルク・・・・・・50ml
牛乳・・・・・・・・・・・・50ml
蜂蜜・・・・・・・・・・・小さじ1/2
ミント(薄荷)・・・・・・・適量
【作り方】
1 タピオカは茹でてから水に浸しておく。(くっつかないようにするため)
2 ビワ、スイカは皮をむき、一口大に切る。
3 牛乳、ココナッツミルクを鍋に入れ、砂糖、蜂蜜を加えて火にかける。沸騰したら、水けをきったタピオカを加える。
4 器にスイカを盛り、その上からタピオカココナッツをかける。小豆を盛り付け、ミントを飾る。
【レシピの効果】
ココナッツミルクやスイカには夏の暑さを冷ましてくれる効果があります。ココナッツミルクは南の国でよく飲まれていますよね。暑い南の国では、伝統的に暑さを冷ますための食材を選んでいるんですね。タピオカも実は「西米露(せいべいろ)」という生薬で気を高めてくれる食材です。美味しい清熱デザートを食べて夏の暑さから心(臓)を守り、夜はぐっすり眠りましょう!
【まとめ】
暑くて寝苦しい夜、誰にだって眠れない日はありますよね。でもそれは「暑い」という理由だけではなく、夏に心(臓)機能が低下している可能性があるんです。夏の日中を快適に過ごして、夜はぐっすり眠れるようになるための薬膳料理。
食事で眠れるようになるなんて不思議ですよね。でも、長い歴史を持つ薬膳料理です。そのパワーを信じて、試しに3つのレシピを作ってみてくださいね。
「薬膳料理で楽しく美味しく体質改善」。ご自宅でも作れるカンタン薬膳料理。暑い夏の季節に薬膳で睡眠改善しませんか。
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SATOE
薬膳料理研究家。国際薬膳師。「薬膳ハウス金木犀」主宰。株式会社金木犀代表。株式会社LeQUALIA共同代表。
約12年にわたり公務員として勤務。自身の体調不良をきっかけに薬膳と出会い、薬膳料理家に転身。福岡市内の料理教室「薬膳ハウス金木犀」を主宰。メディア出演や情報誌などでもコラムを掲載。「楽しく美味しく体質改善」をテーマに、ハーブやスーパーフードも取り入れた新たな薬膳料理を提案。