相談者:Nさん(福岡県在住)
夫31歳(会社員)、妻31歳(パート)
Q. マイホーム希望の転勤族、節約方法と購入時期は?
3年~5年ごとの転勤がある夫との2人暮らしです。
不妊治療を数年続けていますが、高度生殖医療で身体への負担が大きいことから、年に1度のペースで進めています。最長であと3年続ける予定ですが、妊娠の可能性が極めて低いので、この先も夫婦2人での生活を覚悟しています。
子どもがおらず転勤が続く限り、社宅住まいを続けたかったのですが、夫にはマイホームを持ちたいという夢があり、それを尊重したいと考えています。
もし、マイホームを構えるなら、夫は40歳までに3500万円ほどの家を購入希望しています。ただ、夫の地元に戻るなら2000万円程度ですみそうです。
現在の家計をどう節約すればよいか、アドバイスいただきたいです。このほか、購入するのに良いタイミングがあるとすればどんな時なのか教えてください。
さらに主な貯蓄は普通預金ですので、私のへそくりからつみたてNISAを、投資に対して保守的で面倒くさがりな夫にはiDeCoを始めたいと考えています。他にも私たち夫婦に向いた、お勧めの貯蓄方法があれば、ご教授いただきたいです。
A. 当初3年は住めるタイミングで、地域は話し合いを
夫の地元ならセカンドハウスの選択肢も。住めない期間も含めて判断を
9年以内に持ち家を実現、ということですね。転勤族の場合、空き家にする、賃貸に出す、単身赴任、といった
期間を考えて、取得時期を決めるべきです。
新築早々に転勤になると残念なので、当初3年は住めるタイミングがいいでしょう。住宅ローン控除制度が継続しているとすると、空き家や賃貸の間は控除の適用がない点にも配慮を。
家を建てる地域については、夫婦でよく話し合ってください。ご夫婦の実家が隣接の市内だそうですから、その近辺でしょうが、土地代が節約できる夫の地元は通勤の便がよくないのがネックのようです。
あなたは専門職で転勤でも就職には困らず、出産しても仕事を続けるとのこと。
社宅住まいでいいと考えるあなたと、地元でゆったり家を構えたい夫の希望を融合させ、地元で立てる家は若いうちは週末などに過ごすセカンドハウス、という選択肢もあるのでは?
セカンドハウスでもフラット35は利用できますが、住宅ローン控除は受けられません。短期間でもマイホーム生活を満喫する方を選択するなら、住めない期間のことを含め、判断することが大切です。
家計管理に関しては、節約すべきムダは見当たりません。貯蓄率も高く、共働き継続なら住宅ローンの返済も問題なさそうですが、毎月の貯蓄を積立定期にレベルアップしましょう。
つみたてNISAやiDeCoの利用はよい判断ですが、確定拠出年金利用の夫の場合、iDeCoの併用が認められるかどうか、勤務先で確認してください。
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転載元:
「リビング北九州・熊本・かごしま」2021年3月27日号掲載
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高橋 伸子
生活経済ジャーナリスト
長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。2016年に内閣総理大臣より消費者支援功労者表彰を受ける。株式会社西日本フィナンシャルホールディングスの社外取締役監査等委員。