相談者:Mさん(熊本県在住)
夫34歳(会社員)、妻34歳(主婦)、長女3歳、次女2歳
Q. 2500万円の住宅ローンを返していくには?
いつも楽しみに拝見しています。
結婚時から3年前まで共働きを続け、こつこつと貯蓄を行っておりましたが、今年家を建てる予定があり、2500万円のローンを組むつもりです。大きな金額なので生活費の面やローンの面で不安があり、相談させていただきました。
住宅ローン減税があるので、頭金は入れずに月々返済し、頃合いを見て繰り上げ返済を考えています。
4月から、妻は扶養の範囲内で働く予定ではありますが、私(夫)の転職により収入が少し低下するため、現在の家計の状況で不安があります。現在の家計簿で、住宅ローン返済のために、何かアドバイスいただけることはあるでしょうか?
また、現在の貯蓄に関して、このまま眠らせていてもいいのか悩みます。知り合いには、米ドル終身保険の一括払い(500万円)などを検討してもいいのでは、と言われ、迷っています。
タンス預金は、車検代に使う予定があります。保険には、夫婦それぞれ3つずつ加入していますが、多いような気もします。勉強不足なことも多いですが、アドバイスをよろしくお願いいたします。
A. 家賃程度の返済なら安心、繰り上げ返済には賛成
住宅ローン控除還付金の使い道を決め、普通預金運用と保険見直しを
故郷にUターン転職し、実家の土地にマイホームを建てる計画ですね。
建築プランも決まり、建物価格は2500万円とのこと。2割以上の頭金を入れられる貯蓄状況ですが、節税の観点から全額借り入れを決めたようです。減税メリットを十二分に生かすために、還付金の使い道を決めておきましょう。固定資産税や家財保険、維持管理費の備えなどに回すことをお薦めします。
門扉や庭などは一気に工事せず、引っ越してから少しずつ整えてはいかが。インテリアも同様です。家づくりを楽しんでください。
返済に不安を感じているようですが、家賃程度の返済額ですみそうです。年100万円以上の黒字家計で、共働き再開のめどもたっているので、心配いりません。タイミングをみて繰り上げ返済することには賛成です。この先は金利の動向をみながら、手持ちの貯蓄の運用に配慮しましょう。
Mさんは普通預金に1000万円お預けですが、定期預金並みの利息がつくタイプだとか…。預金保険制度の保護対象の上限は元本1000万円ですから、今後は別の金融機関の定期預金や個人向け国債の利用も検討すべきです。
転職や転居で暮らしが大きく変わりつつある今、リスクをとってドル建ての一時払い保険に入るのはやめましょう。ドル建て保険は学資目的ですでに利用しているので、分散投資の観点からも避けたほうがいいです。
住宅ローンに団体信用生命保険を付けたら、あなたの生命保険の死亡保障額を減らす検討に入りましょう。
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転載元:
「リビング北九州・熊本・かごしま」2021年3月27日号掲載
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高橋 伸子
生活経済ジャーナリスト
長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。2016年に内閣総理大臣より消費者支援功労者表彰を受ける。株式会社西日本フィナンシャルホールディングスの社外取締役監査等委員。