結婚は人生の一大イベントです。パートナーによって今後の生き方が変わると言っても過言ではありません。そこで今回は、公的機関の調査結果をもとに男女の結婚の決め手や判断基準を調査いたしました。
結婚相手の条件として考慮・重視するポイント
まずは、結婚相手の条件として考慮・重視するポイントを、国立社会保障・人口問題研究所の2015年「出生動向基本調査」よりご紹介いたします(カッコ内の数字は選んだ人の割合)。
男性 | 女性 | |
1位 | 人柄(95.1%) | 人柄(98.0%) |
2位 | 家事・育児の能力(92.8%) | 家事・育児の能力(96.0%) |
3位 | 仕事への理解(88.2%) | 経済力(93.3%) |
4位 | 容姿(84.3%) | 仕事への理解(93.2%) |
5位 | 共通の趣味(73.2%) | 職業(85.5%) |
6位 | 職業(47.5%) | 容姿(77.7%) |
7位 | 経済力(41.9%) | 共通の趣味(74.9%) |
8位 | 学歴(30.5%) | 学歴(54.7%) |
男性も女性も、もっとも重視するのは「人柄」で、次いで「家事・育児の能力」という結果でした。逆に男性も女性も、あまり学歴は気にしない傾向が伺えます。そして全体的に、女性の方が考慮するポイントが多い結果になっています。
見た目・容姿の重視度合いは低めという結果
恋愛では重視されがちな見た目や容姿は、男性では4位、女性なら6位という結果です。やはり、恋愛と結婚は違うということが伺える結果なのかもしれません。
30代男女が結婚相手に求める条件
次は、30代男女の結婚相手に求める条件を、内閣府の2014年(平成26年)「結婚・家族形成に関する意識調査」よりご紹介いたします。
男性 | 女性 | |
1位 | 価値観が近いこと(73.7%) | 価値観が近いこと(80.6%) |
2位 | 一緒にいて気を使わないこと(67.8%) | 一緒にいて気を使わないこと(79.8%) |
3位 | 一緒にいて楽しいこと(63.8%) | 一緒にいて楽しいこと(76.9%) |
4位 | 金銭感覚(44.1%) | 金銭感覚(65.1%) |
5位 | 容姿が好みであること(36.8%) | 経済力があること(57.4%) |
6位 | 恋愛感情(36.2%) | 恋愛感情(41.9%) |
7位 | 共通の趣味があること(32.2%) | 親が同意してくれること(39.5%) |
8位 | 自分の仕事を理解してくれる(29.6%) | 共通の趣味があること(35.7%) |
9位 | 家事や家計をまかせられる(25.7%) | 自分の仕事を理解してくれる(31.0%) |
10位 | 家事分担(18.4%) | 家事分担(27.9) |
30代男女では「価値観が近いこと」という条件が一番の判断基準でした。また2位から4位までも一致しており、全てが内面に関することになっています。その後は女性なら経済力、男性なら容姿を求めるようですが、男女共に内面の方が大切と言えそうです。
相手の年齢はあまり気にならず、居心地を求めている?
結婚では、自身の年齢を気にする女性は男性に比べて多いですが、今回の結果では男性にとって11位という結果です。年齢よりも、「一緒にいて気を使わない」などの居心地を求めている傾向といえます。
現在の交際相手と結婚したい理由
現在の交際相手と結婚したい理由を、内閣府の2016年「結婚の意思決定に関する意識調査」よりご紹介いたします。
男性 | 女性 | |
1位 | 家族になりたいと思えるから(64.1%) | 家族になりたいと思えるから(73.3%) |
2位 | 条件を満たしていると思える(51.1%) | 自分が特定の年齢になるから(51.3%) |
3位 | 子どもが欲しいから(31.5%) | 子どもが欲しいから(47.7%) |
4位 | 交際相手を逃がしたくない(30.4%) | 条件を満たしていると思える(36.9%) |
5位 | 趣味などを一緒に楽しめる(25.0%) | 婚期を逃したくないから(35.9%) |
6位 | 相手が結婚を望むから(23.9%) | 交際期間が長くなるから(34.9%) |
男女共に一番の理由は「家族になりたいと思える相手だから」という結果でした。ただ、女性は次に「自分が特定の年齢になるから」がきているのは印象的といえます。男性が気にする以上に、女性は自分の年齢が気になるのかもしれません。
総じて「内面や人柄」が結婚の決め手!
今回取り上げた3つの調査で1位を獲得した理由は以下の通りです。
・人柄
・価値観が近いこと
・家族になりたいと思えるから
総じて内面や人柄が結婚の決め手になっているといえます。互いに相手との交際を通して、何らかの内面や人柄を感じた・気づいた時に「結婚したい」と思っているようです。
内面や人柄は見えないから迷い不安になる
内面や人柄は、感じることはできても見ることはできません。感じ方も人それぞれですから、ある意味「直感」で結婚を決意しています。そして見えないから迷い、不安になります。
なお、2018年の婚姻件数は59万件あるのに対して、離婚件数は20.7万件になっていますが、離婚理由の1位と2位は「価値観の相違」「金銭感覚の相違」という内面です。それほど内面は見るのが難しいともいえます。
既婚者にリサーチ!結婚前にチェックすべきだったことは?
次は結婚前にチェックすべきことをお伝えします。セキララ・ゼクシィの2020年「結婚前にチェックしたこと、すべきだったこと」という既婚者206人対するアンケート結果によると、以下の結果です。なお、これは男女混合の結果になっています。
1位:金銭感覚が合う
2位:価値観が同じ
3位:浮気をしない
4位:親とうまく付き合ってくれそう
5位:優しい
6位:誠実である
7位:リラックスできる
7位:家事ができる(同率)
9位:自分の夢やプライベートを理解してくれる
10位:笑いのつぼが合う
離婚理由でも上位にくる金銭感覚や価値観、そして浮気が気になるようです。1位から4位までを当然と考え、加えて5位以下を感じた時が「結婚を意識する時」なのかもしれません。
なお、基本的に「完璧な人間はいない」ものです。生まれも育ちも違うのが結婚相手ですから、部分的には「お互いに認め合う」ことも大切と考えましょう。
まとめ
結婚の決め手として内面や人柄を重要と考えている人が多く、また既婚者からは金銭感覚が合うこともチェックすべきとの結果も出ていました。こちらを参考にしつつ、どこを重視するべきか、ご自身でしっかりと考えることが重要です。あなたにとって最良の相手との結婚へ踏み出すヒントになれば幸いです。
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山本 昌義
CFP®、一級FP技能士
山本FPオフィス代表。商品先物会社、税理士事務所、生命保険会社を経て2008年8月、山本FPオフィスを設立し、同代表就任。 現在は日本初の「婚活FP」として、婚活パーティを開催しながら婚活中や結婚直後の若者の相談に対応。また、独立10年を機に「農業FP」としても活動を開始。後輩育成にも力を入れている。