インタビュー

【ぼくたちの子育て】案ずるより産むが易し。子どものいる人生は、予想をはるかに超えてアメイジングです!|美容師・吉田学さん

ぼくたちの子育て 吉田学さん 美容師

妻の恵理香さんとは同い年の34歳。お二人の出会いのきっかけは、今をさかのぼること16年前、美容専門学校の学生だった頃のことです。互いに同級生の一人だった関係を一新したのは、4年ぶりに開かれた同窓会での再会でした。それ以来、時々、同級生同士で集まって遊ぶようになり、学さんは恵理香さんに対して以前とは違った感情を持つようになったのだとか。2年の交際を経て、ゴールイン。昨年8月に長男の糸ちゃんが誕生しました。「子どもは、これまでの価値観を上書きするような存在」という学さん。「生まれたてのパパ」という新しい自分を通して、育児の世界を満喫していらっしゃいます。

■プロフィール

吉田 学さん

美容師

1986年生まれ。宮崎県小林市出身。福岡の美容専門学校卒業後、美容師としてキャリアを積む。3年前、社員という雇用形態から「業務委託契約」という形のワークスタイルに切り替えて活動中。将来の目標は、もちろん自身の店舗を持つこと。

パートナーと出会って、家で過ごす時間も大切にできる ワークスタイル「業務委託契約」にチャレンジ!

―― 出産前に、子どもを持つことについて話したことはありますか?

吉田:特に子どもに関する話題が上ったことはないですね。というのも、僕からすると、妻と出会ってから同棲し始めて、流れのままに今に至るという感じなんです。妊娠は、同棲して1年くらいして両方の親に交際の報告に行くタイミングで分かりました。

―― 妊娠が分かった時は、どんなお気持ちでしたか?

吉田:妻からすると、入籍・結婚という手続きをしていない段階だったせいか、「赤ちゃんができたって言ったら、どんな顔をするだろう」って少し心配したところもあったようです。でも、僕はただシンプルにうれしかったですね。年齢も年齢でしたし。

―― 出産となると、改めて経済的、時間的な家庭設計も必要になりますが、具体的に行動したことはありますか?

吉田:実は、妻と交際し始めたのをきっかけに、美容業界でも少しずつ増えてきた「業務委託契約」というワークスタイルにチャレンジしました。

これは、お店に在籍するけれども、働き方はフリーランスというもので、自分で働く時間を調整しやすくなります。会社員だとどうしても拘束時間が長くなり、家にいる時間、自分の時間が取りにくくなる業界ですので、「業務委託契約」という選択肢を知った時には、メリットしか感じませんでした。働く時は働き、休む時は休めることが一番の魅力です。もちろん、会社員として働く場合の安定感などは享受できないなどリスクもありますが、チャレンジしてみたら僕には意外と合っていました(笑)。

――  子育て向きのワークスタイルでもあるということですか?

吉田:そうなんです。子どもが生まれた後も自分が希望する生活スタイルに合わせた働き方ができていると思います。育児のために余裕の時間が欲しくても、会社員だとままならないことがまだ多いでしょ。

――  1週間で見ると、勤務時間は何時間くらいですか?

吉田:分かりやすくいうと、1日8時間、週に5日勤務というのがベースです。休みは週2日のこともあれば、週1日のこともあります。

――  出産前後で、学さんのライフスタイルはあまり変わってないということですか?

吉田:それほど変わりませんが、ただシフトは少し調整しました。前のままだと、子どもと接する時間が朝だけになるので、今は、終業時間を1、2時間早めています。そうすることで、夜にお風呂に入れたり、寝かしつけができたりします。この1時間があるかどうかは大きいです。

吉田学さん 僕たちの子育て
―― しっかり育児協力しているんですね。

吉田:妻に任せきりはよくないので、一緒にやっていこうと決めていました。妻は子どものことと自分のことが常に同時進行になるわけですので、朝から僕にも役割分担があります。おむつを変えたり、ミルクをあげたり。他にも気づいたことはやるという姿勢なんですが、ただ、まだ行き届いていない部分が多々あって、妻に結構叱られます。

―― すごく良いパパのようですが……

吉田:僕自身は「ちょっと忘れっぽいだけ」と思っているんですが、彼女からすると、「話を聞いていない」と感じるみたいです。頼まれたことがスポッとヌケることがあって、そんな時はイラッとするんでしょうね。

―― 恵理香さんに出産の前と後で気持ちの変化を感じることはありますか?

吉田:彼女は平日に美容室の事務、土・日曜日は美容師という形で働いていたのですが、出産準備に入るために仕事を辞め、今は家事・育児に専念しています。それでも、以前のように自由は効かなくなっているので、もしかしたらストレスは感じているかも(笑)。しかし、それが僕に伝わってくることはありません。お互い同業者ですので、僕の仕事を理解してくれていますし。だから、僕も妻の今の状況をもっと理解しなければならないと頑張っているところです。でも、妻も大変だとは思いますが子どものことだから苦にせず、やってくれているのではないでしょうか。

僕は基本的におっとり、のんびりしていて、妻はもともとしっかり者ですのでそのバランスはまったく変わりませんね~(笑)。

―― 出産には立ち会いましたか?

吉田:病院で待機していたものの、昨年8月はコロナ禍の影響で直接立ち合うことはできませんでした。でも、逆児だったのですが心配したほど時間はかからず安産でした。妊娠中も特にひどいつわりもなく、妊娠期間はかなり平穏に過ごせたほうじゃないかと思います。

気がつくと子どものことを考えている。男性にも母性本能があると思います。

―― 糸ちゃんは男の子ですが、性別が分かるまでは女の赤ちゃんをイメージされていたとか?

吉田:はい、何の根拠もなく(笑)。お客さまに女性が多いせいかな? 男の子だと分かった時は、「はて、そうか、男の子か」と腹に落ちるまでに一呼吸あったような不思議な一瞬でした。でも、男の子でよかった~と今はつくづく思っています。というのも、今でも接し方が愛情過多気なところがあるので、女の子だったら大変だっただろうなと思います(笑)。

―― どんなところですか?

吉田:仕事の時以外は、気がつくと子どものことを考えています。もう無意識にです。これって前の自分じゃないよなと、違和感を感じるほど(笑)。

以前の僕だと仕事が一段落して時間が空くと「今日、どうしようかな。何しようかな?」と、真っ先に自分のことを考えていたんです。今は、まず携帯に入れている子どもの写真をパッとみる。それから、ミルクをあげた時間など赤ちゃんの行動を管理するアプリをチェックします。今、寝ているんだとかね。自分のことなんて考えていない自分にビックリかな(笑)。

―― 男性にも母性本能のようなものがあるんですね。でも、子育ては楽しいばかりではないと思うのですが、予期しなかった大変さってありますか?

吉田:仕事をしていて、「ちょっときついな」という時期はありました。体力が落ちているという感覚です。一番の理由は睡眠不足ですね。それまでしっかり眠れていたところを、赤ちゃんの世話で夜中に起きたりすることもあったので。でも、それも最初の1、2カ月だけでした。今は、寝てくれるようになったので途中で赤ちゃんが起きても気づかないことが増えました。気づかないのも、あまりよくないんですけどね。

吉田 学さん 美容師 僕たちの子育て

子どもが生まれて、自分自身の人生のゴールやルートがより鮮明に。

―― 糸ちゃんは今5カ月半ですが、成長を実感する瞬間ってありますか?

吉田:先週くらいから離乳食に入ったんです。ミルクだけの時は与えればとりあえず飲む感じだったのですが、離乳食はさすがに慣れていないので口に合わないものだと露骨に嫌な顔をします。笑う、泣くに加えて嫌な時の表情が加わり、そんなところにも成長を感じます。

―― 表情って大きなコミュニケーション手段ですからね。親子のコミュニケーションも着実に深まっているようで微笑ましいです。糸ちゃんにはどんな子に育って欲しいですか?

吉田:名前の由来でもあるんですが、自分の好きなモノ、コトを見つけて、たぐりよせてほしいという願いと込めて「糸」にしました。

僕自身も美容師という専門職を追求している身であり、そのやりがいは知っているので息子にも何か没頭できるものを手繰り寄せて、夢中になる人になってほしいなと願っています。

―― とても珍しい名前ですよね。

吉田:「吉田」という苗字は比較的多いので、名前だけでもちょっと特徴を持たせたかったんです。「イト」という音の響きも気に入って命名しました。

―― 学さん自身、30代で美容師としてのキャリア構築の真っただ中ですが、今後の人生設計をお聞かせください。

吉田:キャリアにおいても、今までぼんやりと考えていた独立というゴールやそのためのルートが、子どもができたことによって鮮明になりました。業務委託契約も半分独立しているようなものですが、完全に独立したほうが、時間もより融通がつくようになりますし、軌道に乗ればもっと稼げるようになるでしょう。がぜん、行動力が出てきました。やる気の度合いとか幸福度でいえば今が人生で一番かな。とても充実しています。

取材後記

「育児がスタートしてから、子どもが生まれる前にイメージしたことよりも、良いことしかない。」という学さん。男性に当てはまるかどうか分かりませんが、「案ずるより、産むが易し」とはこのことで、日々の充実感がダイレクトに伝わってくる取材でした。糸ちゃんと恵理香さんと3人家族の吉田家は学さんにとって、まさにパワースポットになっているんでしょうね。糸ちゃんのお陰で美容師としてもさらにパワーアップしそうな学さんの素敵な新生活を見せていただきました!

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