相談者
Mさんの家計簿(福岡県在住)
夫29歳(会社員)、妻31歳(会社員)
Q.質問
進学や挙式で貯蓄減、将来、出産や住宅購入は?
今年結婚した夫婦です。現在、月の黒字を貯蓄に回しているので、少し余裕がありますが、これから結婚式、夫の大学院進学、1〜2年後には住宅購入、子どもの誕生と費用がかかるイベントがあります。
コロナ禍で親族のみの結婚式と新婚旅行費用は、150万円を予定し、私たちの手出しが80万円程度と想定しています。
また、夫が来年から、現在の仕事を続けながら大学院へ進学する予定で、130万円ほどかかります。
夫の普通預金でこの2つの支出を賄うつもりですが、貯蓄がかなり減ります。
さらに、中古住宅を購入してリノベーションを計画中で、総額2000万円程度を予定し、頭金なしの35年ローン、月6万円程度の返済を考えています。
子どもはまだいませんが、今後、2人は欲しいと夫婦で話し合っています。
つみたてNISAや米国株は引き続き、積み立てを考えています。
これらの支出を踏まえ、今の月収支で、子どもが生まれた後、保険が十分かどうか、中古住宅の購入計画はこれで良いのか、不安があります。アドバイスをお願いします。
A. 回答
大幅黒字で貯蓄力も備わり、住宅ローンも問題なし
夫の生命保険の強化が課題。住宅ローン付帯など必要な保障の検討を
コロナ禍で、ウエディングイベントを大幅に見直さざるを得なくなり、残念ですね。でも、しっかり計画を立てて夢を実現しようという姿勢はすばらしく、将来が楽しみな家計です。
現在の貯蓄530万円のうち、使途が決まっているのは210万円。夫の普通預金の取り崩しで対処するでしょうが、遠からず回復できるはずです。
なぜなら、毎月の収支も特別収支も大幅な黒字だからです。積立投資に回している分と合わせると、年246万円の貯蓄力が備わっています。来年奨学金を返し終えると貯蓄力は259万円にアップします。
住宅購入については、リノベ費用を含め、全額(2000万円)の住宅ローンを組む予定ですね。現在の家賃と駐車場代を返済に充てればおつりがくる状況なので、これも問題ありません。
お子さんが生まれてあなたが1年の育休をとると、復職まで給料が4割カットされるとか…。M家では夫婦とも小遣い少なめで支障なく過ごすことができているようなので、育休中も貯蓄は増え続けるでしょう。
現在実行している積立投資は、よい選択をしていますね。夫のETF(上場株式投信)は米国の代表的な株価指数に連動する仕組みの商品。つみたてNISAは全世界の株式が投資対象のファンドを選定。妻の持ち株や確定拠出年金も含め、国内外にバランスよく分散投資しています。
課題は夫の生命保険の強化です。住宅ローン付帯の信用生命保険、定期保険、就業不能保険などの検討をお薦めします。
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転載元:
「リビング北九州・熊本・かごしま」2020年10月24日号掲載
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高橋 伸子
生活経済ジャーナリスト
長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。2016年に内閣総理大臣より消費者支援功労者表彰を受ける。株式会社西日本フィナンシャルホールディングスの社外取締役監査等委員。