相談者
Nさん(福岡県在住)
本人73歳(パート)
Q. 質問
老後、安心の一人暮らしに必要な蓄えは、いくら?
独身で、一人暮らしです。 1994(平成6)年に、1300万円を一括払いで、自宅マンションを購入しました。
現在、パートで週3日勤務しています。健康管理の一環でもあるので、80歳まで働く予定です。
これまで球技など体を動かしてきましたが、趣味の幅を広げたいと思い、描くことが好きなので、絵手紙を始めました。ようやく穏やかに笑って、〝充実した人生を楽しみましょう〟と思った矢先、通院生活が始まり、今も続いています。
大病ではありませんが、体の至る所に不調があり、検査などで医療費が高額になりがちです。年に数回、高額医療の申請も提出していますが、返金があっても、年間10万円以上かかっています。
その上、顔の皮膚トラブルで、医薬化粧品代もかさみ、家計を圧迫しています。
医療費がかさむ生活の中、老後(20年後くらいまでに)、最低でも、いくらくらいの蓄えがあれば、安心と言えるのでしょうか?
一人暮らしなので、貯蓄の保険などのバランスの良い使い方と、家計簿の見直しの点でのアドバイスをよろしくお願いします。
A. 回答
家計簿に不安なし。〝一病息災〟で老後は80歳スタート
一時払い終身保険に蓄積されたお金の活用法を、しっかり研究して
健康管理を兼ねたパートで得た収入で、趣味やおしゃれ、お付き合いなどを楽しんでいるのですね。
「一病息災」といって、何か1つぐらい軽い病気にかかっているほうが、より健康に気を使って長生きする、と昔から言われています。Nさんはたくさんの病気と上手に付き合っておられるようで、さすがです。
医療関係費が気になるようですが、家計は黒字でゆとりもあります。2年後には後期高齢者医療制度の適用になりますし、民間の医療保険などにもお入りです。取り立てて、家計簿を見直す必要はありません。
80歳まで働く予定という点もすてきですね。老後は80歳スタートで、無職=夢職、後期高齢者=光輝高麗者の意識で暮らせそうです。
蓄えについては、すでに2866万円も貯めていますね。公的年金で普通に生活していけるので、よほどのことがない限り、心配はいりません。とはいえ、マンションの大規模修繕や室内のリフォームなどでいつ、いくらぐらいを支出する必要があるかを調べ計画しておくと、安心度が高まりますよ。
5口の生命保険(円建ての一時払い終身保険)は、10年以上経過したものもおありとか。予定利率などの条件が今より良い時期に1700万円の保険料を払った結果、時価換算(解約返戻金合計)では2500万円になっているようです。
この保険は、必要に応じて全部または一部を解約し現金化できるほか、解約返戻金を原資に個人年金などに移行できるタイプもあります。活用法を研究することをお薦めします。
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【転載元】「リビング北九州」「リビング熊本」「リビングかごしま」2020年8月22日号掲載
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髙橋 伸子
生活経済ジャーナリスト
長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。2016年に内閣総理大臣より消費者支援功労者表彰を受ける。株式会社西日本フィナンシャルホールディングスの社外取締役監査等委員。