相談者
熊本県在住・Kさん
夫45歳(会社役員)、妻45歳(パート)、長男19歳(会社員)、長女13歳
Q. 質問
長女の大学進学費用を貯めるには、どこから捻出?
この春、長男が就職しました。自分で稼ぐようになりましたが、給料が安定するまでは、“家計に定額を納める”というよりは、今のところは「自分の携帯・自動車に関連する費用もろもろを払うように」と伝えています。
今まで、長男の部活動に関わる費用でとてもお金がかかり、貯蓄があまりできませんでした。さらに、長男が通勤で車が必要になり、私(妻)が乗っていたものを長男に譲り、新しい車を購入したため、毎月2万円のローンもかかるようになりました。
夫は、数年前に役員になり、ボーナスがありません。なので、毎月の黒字分で年間支出を補っている状態です。また、夫は営業職で、付き合いでの飲み会や食事も多く、立場も上の方なため支払いをすることも多々あり、小遣いを減らすことも難しいです。
現在、中学2年生の長女が大学進学を希望していますので、それまでの5年間でできるだけ貯蓄を増やしたいです。さらに、家の修理費や老後の資金にも備えられればと思っています。
家計のどこを見直し、どこで費用を捻出していけばいいでしょうか?
A. 回答
日用品費や交際費、カード払いに削減の余地あり
子どもの夢達成の金額を調べて準備済みの金額も確認し、貯蓄計画を
新入社員の長男の応援のしかたについて、よく考えましたね。携帯や自動車費用の支払いについては、「伝える」ではなく、「約束ごと」として、しっかり守らせましょう。自動車税や自動車保険、車検費用などを払うために、毎月2万円ずつ貯めるアドバイスをすることも大切。子育ての仕上げとして、経済的に自立できるようにサポートしてください。
長女が大学進学を希望しているのは、なりたい職業など、かなえたい夢があるためでしょう。親としては、進学費用など、夢の達成にかかるお金について、今から調べておくべきです。子ども保険や子ども積立で、いくら用意できるか、準備済みの金額も確認しましょう。それにより、この先5年で準備すべき金額が把握でき、貯蓄計画を立てることができます。
「できるだけ貯蓄を増やしたい」という願望ではダメ。現在の支出内容の見直しには、「○○円準備するために毎月××円積み立てる」という覚悟が不可欠です。
家計簿を拝見したところ、日用品費4万円、交際費他4万円、カード払い3万円に削減余地が大きそう。各1万円ずつカットするなどして、特別支出(年約32万円)の支払いに備えてストックすることをおすすめします。それにより、月5万5000円の黒字分を、将来に向けた貯蓄に回すことができます。
教育資金のほか、老後に向けた積立投資(NISAやiDeCoなど)も開始を。住宅関係は教育資金準備のあとでOK。住宅ローンの繰り上げ返済も視野に入れておきましょう。
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【転載元】「リビング熊本」「リビングかごしま」2020年7月4日号掲載
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髙橋 伸子
生活経済ジャーナリスト
長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。2016年に内閣総理大臣より消費者支援功労者表彰を受ける。株式会社西日本フィナンシャルホールディングスの社外取締役監査等委員。