定期預金とは?メリット・デメリットと種類、預け入れ手続きの流れなどを知っておこう
日銀のマイナス金利政策が解除され、金融機関の預金金利にも見直しの動きが見られるようになりました。安全な資産形成の手段として定期預金を検討している人も多いのではないでしょうか。本記事では定期預金とはどのような仕組みになっているのか、メリット・デメリットなどを解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
定期預金とは?基本の仕組み

定期預金とは、あらかじめ預けておく期間を指定する預金です。ここでは、これから定期預金を始める人向けに、普通預金との違いや利息がつく仕組みなどを解説します。
普通預金との違い
定期預金は初めに預入期間を決めて利用するため、原則として満期まで自由な引き出しはできません。それに対し、普通預金は期間の定めなく預け入れ・引き出しが自由です。定期預金は引き出しが制限されている代わりに、普通預金よりも金利が高く設定されています。
満期まで引き出さない前提の金融商品
定期預金は満期まで引き出さないことが前提の商品です。預入期間は金融機関によって異なりますが、1ヶ月・3ヶ月といった短期のものから、10年という長期のものまであります。ゆうちょ銀行や農協では定期貯金と呼ばれますが、基本的な仕組みは同じです。
単利と複利の違い・利息がつく仕組み
利息のつき方には、単利と複利の2種類があります。単利は元本に対してのみ利息がつき、運用期間が長くなっても毎年の利息は同じ金額です。複利は1年で受け取った利息が元本に組み入れられ、その合計金額(元本+利息)に対して次の利息が計算されます。
利率の見方
定期預金の利率(金利)は年利で表示され、利息は「元金×金利×期間」で計算できます。ただし、それは税引前の金額です。利息は源泉分離課税の対象のため、一律20.315%が源泉徴収された税引後の金額が実際に受け取る利息となります。
利息への税金(20.315%)
利息への税金20.315%の内訳は、所得税15%・地方税(住民税)5%・復興特別所得税0.315%です。税金は定期預金で増えた分のみ課されるため、元本は課税対象ではありません。なお、復興特別所得税は東日本大震災の復興を目的としたもので、徴収期間は2037年12月31日までです。
預金保険(ペイオフ)でどこまで保護される?
預金保険(ペイオフ)とは、万が一金融機関が破綻した場合でも、普通預金や定期預金の元本1,000万円までと破綻日までの利息が保護される仕組みです。ただし、外貨預金、譲渡性預金、保護預り契約が終了した金融債などは、保護の対象外となっています。また、預金保険で全額保護されるのは当座預金および決済用普通預金のみであり、定期預金および貯蓄預金は全額保護の対象とはなりません。
定期預金のメリット

定期預金は安全性が高いことで知られる金融商品です。ここでは、定期預金を検討中の人に向け、他の金融商品と比べてどういったメリットがあるのかを紹介します。
元本保証で低リスク
定期預金の多くは普通預金よりも金利が高く設定されており、投資型の金融商品のように元本割れするリスクはありません。また、万が一金融機関が破綻したとしても、預金保険(ペイオフ)制度により1,000万円まで元本と利息が保証されるので安心です。
利息が確定しているため資産計画が立てやすい
定期預金には前もって選べる預け入れ期間があり、固定金利型の場合は満期に受け取れる利息が確定しています。そのため、子どもの教育費や住宅購入、老後の生活費といった将来のライフプランに合わせた資金計画を立てやすいのがメリットです。
金利変動の影響を受けにくいことも
定期預金にはさまざまな種類がありますが、固定金利の定期預金であれば満期まで預け入れ時の金利が適用されます。日銀の金融政策などによる金利変動の影響を直接受けないため、満期時の受取額を事前に把握でき、計画的な資産形成が可能です。
キャンペーン金利を活用できる場合がある
基準金利は同じでも、条件や時期によっては定期預金に優遇金利を適用する場合があります。これは金融機関が顧客獲得のため、キャンペーン金利を上乗せするからです。そのため、タイミングが合えば、通常より高い金利で定期預金を開始できます。
定期預金のデメリット

定期預金は着実な資産形成に役立ちますが、デメリットや注意すべき点もあります。ライフプランに合った最適な運用方法を選ぶためにも、以下のポイントを事前にチェックしておきましょう。
満期前の解約には制限がある場合も
定期預金は基本的に満期までお金の引き出しをしない金融商品です。どうしてもお金が必要な場合は、中途解約をするしかありません。その際は中途解約利率が適用されることになるため、普通預金に預けるのと変わらない利息になる可能性があります。
早期解約時の利息計算とペナルティ
早期に定期預金を解約すると「中途解約のペナルティ」と呼ばれるように約定利率ではなく中途解約利率が適用されます。中途解約利率は「約定利率×◯◯%」で計算されますが、期間や金融機関により異なるため、解約前に公式ページなどで必ず確認してください。
運用利回りとしては低い
一般的に定期預金は普通預金よりも金利は高く設定されますが、資産運用という観点ではまだ金利は低めで、運用効率が良いとはいえません。また、インフレになると物価上昇に金利が追いつかなくなり、相対的に資産価値が下がってしまう危険性もあります。
金利変動の恩恵を受けづらい
定期預金には変動金利タイプもありますが、一般的には固定金利なので金利が上昇しても恩恵を受けづらいというデメリットがあります。そのため、金利上昇局面では預け入れの期間や定期預金の開始タイミングなどを見極めることが重要です。
定期預金の種類

金融機関が提供している定期預金は、いくつかの種類に分かれています。ここでは代表的なものをピックアップし、特徴や使い分け方法などについて解説します。
スーパー定期
一般的にスーパー定期は預入金額が300万円未満の定期預金のことをいいます。期間は1ヶ月から10年程度まで自由に選択可能です。預入金額が300万円以上になると「スーパー定期300」という名称で区別され、金利が高めに設定されることがあります。
大口定期
最低預入金額が1,000万円以上の定期預金を、大口定期といいます。期間は1ヶ月から10年程度まで選べるので、スーパー定期と同様です。ただし、1,000万円を超える元本部分は預金保険(ペイオフ)の対象外になるため、複数の金融機関に分けるという考え方もあります。
積立定期
積立定期は、毎月決まった日に普通預金口座から一定額を自動で振り替えて積み立てる仕組みです。1,000円といった少額から無理なく始められるため、まとまった資金がなくても手軽に貯蓄をスタートできます。生活スタイルの変化に合わせて、積立額の変更や一時停止が柔軟に行えるのも大きな魅力です。
単利型・複利型の違い
定期預金を始める際は単利か複利かということも重要です。単利は元本に対してのみ利息を計算します。一方、複利は元本にそれまでついた利息を上乗せして次の利息を計算する方法です。利息が利息を生むため、長期運用になると両者の差が大きくなります。
ネット銀行と店舗型銀行の違い
ネット銀行は、店舗を持たず、相談を含む各種手続きをオンライン上で完結させる仕組みとなっています。一方、店舗型銀行は、実際に店舗へ足を運ぶことで、窓口で直接相談できる点が特徴です。例えば、相続金・退職金などまとまったお金が入るタイミングは、金利だけでなく手続きの不安が大きいため、対面で確認しながら進めたい方も多いです。
ネット銀行は店舗運営にかかるコストを抑えられるため、その分をサービスに還元し、定期預金において比較的高めの金利を実現しているケースがあります。
期間別の使い分け例
定期預金は、預入期間を自由に選べる点が特徴です。そのため、将来のライフイベントに合わせて資金を使い分けることができます。
旅行に備えた資金を定期預金で管理する、子どもの教育費用を計画的に準備するなど、目的に応じたさまざまな活用が可能です。
ラダー(満期分散)運用の考え方
ラダー運用とは、満期日の異なる複数の定期預金を組み合わせて運用する方法です。満期日を分散させることで、定期的に資金を受け取る仕組みをつくれます。
また、一つの定期預金に全額を預ける場合と比べて、金利変動リスクを分散できる点も特徴です。
西日本シティ銀行の定期預金の特徴
定期預金の商品内容は金融機関ごとに異なります。ここでは、西日本シティ銀行の定期預金の特徴やタイプ別の違いなどを紹介します。
期間と金額の選択肢が多い
西日本シティ銀行の定期預金は、以下のように期間や金額に柔軟に対応できる内容になっています。迷ったら窓口で、目的(いつ・いくら使うか)を一緒に整理できます。
期間 | 定型方式:1ヶ月・2ヶ月・3ヶ月・6ヶ月・1年・2年・3年・4年・5年・6年・7年・8年・9年・10年の中から選択 ※満期日指定方式にも対応 |
|---|---|
預入金額 | スーパー定期:1円以上300万円未満 スーパー定期300:300万円以上1,000万円未満 大口定期:1,000万円以上 |
毎月積立でコツコツ貯金
積立定期預金は、西日本シティ銀行が提供する積立型商品の一つに分類されます。積立金額は3,000円以上300万円未満(1,000円単位)で設定でき、積立期間は6か月以上20年以内の範囲で希望の満期日を指定可能です。
また、積立間隔は毎月に加え、2か月ごと・3か月ごとにも対応しており、ライフスタイルや資金計画に合わせた積立ができます。
金利見直しが行われている
定期預金の金利は、市場金利の動向など金融情勢を踏まえて、金融機関ごとに定期的に見直されます。一方で、定期預金には預け入れ時点の金利が適用されるため、預入期間中に金利が変動しても、適用金利は原則として変わりません。
そのため、定期預金を始める際は、必ず公式ページで最新の適用金利を確認したうえで申し込むことが大切です。
キャンペーン金利や最低預入額
西日本シティ銀行では、預金口座に年金の受け取り実績がある場合、または退職金・相続金を原資として定期預金に預け入れた場合には、定期預金の金利が上乗せされます。NISA口座を持っていて新たな資金を定期預金に預ける場合も、金利上乗せがあります。
商品名 | 期間 | 預入金額 | 金利 |
|---|---|---|---|
退職金・相続金定期預金 | 2年 | 300万円以上 | 2年ものの店頭表示金利に1.0%上乗せ |
年金ココロ定期預金 | 1年 | 1円以上1円単位 | 1年ものの店頭表示金利に0.1%または0.2%上乗せ |
NISA定期預金 | 1年 | 10万円以上1円単位 | 1年ものの店頭表示金利に0.23%上乗せ |
※取扱期間:2025年10月1日(水)~2026年3月31日(火)
※金利・取扱条件は変更される場合があります。最新情報は必ず公式サイトでご確認ください。
※金利優遇定期は店頭のみの取り扱いです。
自動継続の仕組みと選べるタイプ
スーパー定期では、預け入れ時に預入期間または満期日を指定します。預け入れ期間を指定した場合、満期日ごとに同じ期間で自動継続されます。ネットスタイル定期預金では、預け入れ期間1年で設定され、満期日ごとに自動継続されます。
自動継続となっていても、満期日の前日までであれば満期日解約へ変更することが可能です。
ネット申込・窓口の違い
窓口では対面で相談しながら定期預金の申し込みができます。ネットを通じた申し込みは人を介することがありません。
定期預金の預け入れ方法と手続きの流れ

定期預金を始める際、どのような手続きが必要になるかをまとめました。用意する書類や申込方法による違いについて解説します。
口座開設と必要書類
定期預金を始めるには口座開設が必要です。窓口で手続きをする場合は、以下のものが求められます。
- 通帳またはキャッシュカード
- 届印(サインでよい場合もある)
- 本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカードなど)
ネット銀行では、マイナンバーカードとスマートフォンのみで口座開設から定期預金の申し込みまで完結できるケースもあります。
初回預入金額の設定
金融機関や定期預金タイプにより、初回預入金額は変わります。1万円以上1円単位で始められるケースが多いですが、ネット銀行などではさらに少額から可能な場合もあるため、公式ページで事前にチェックしておきましょう。
満期時の自動継続とは?
口座開設時には預入金額と預入期間を設定します。満期時の取り扱いについては、自動継続または自動解約の選択が可能です。継続方法には、元本のみ継続し利息を普通預金に入れる元本自動継続と、元本と利息をあわせた金額を継続する元利自動継続があります。
Web/窓口の特徴と所要時間
窓口での手続きは目安として1時間程度で終了し、その日のうちに通帳発行が可能です。混み具合で前後するので、時間に余裕を持って行きましょう。急ぎならWeb申込が便利です。Web経由の場合、申し込み自体はオンラインですぐに終わります。しかし、本人確認に時間を要するため、最終的な手続き完了まで数日から1週間程度かかることもあります。
本人確認書類・マイナンバーカードの必要性
口座開設には、マイナンバーカードや運転免許証、パスポートなどの顔写真付き本人確認書類が欠かせません。
スマートフォンでの手続きでは、これらの書類を撮影・アップロードして提出します。書類の確認や承認には一定の時間を要することもあるため、余裕を持って早めに申し込みましょう。
定期預金を活用するポイント

定期預金に預け入れた資金は、原則として満期日まで引き出すことができません。そこで、このような定期預金の特性を上手に活用するためのポイントをまとめて解説します。
目的別に期間を分けて預ける
定期預金は資金を一度に全額預けるのではなく、将来のライフプランに合わせて期間ごとに複数に分けて運用することも可能です。
例えば、定期預金Aは5年後の車の買い替え資金として、定期預金Bは老後の生活資金の確保を目的に10年間預けておくといった使い方が考えられます。
キャンペーン金利・ネット銀行との比較
定期預金の金利は各金融機関で共通部分もありますが、キャンペーン金利といって期間限定で金利が上乗せになることもあります。また、ネット銀行では店舗を持たない代わりに金利が高めに設定される傾向があるため、事前に比較検討してみてください。
生活防衛資金と投資資金のバランスを考える
定期預金は投資商品のような高い利益は期待できませんが、元本保証で低リスクです。全てを投資に充ててしまうと高リスクになってしまうため、生活防衛資金は定期預金でしっかり確保し、投資資金とのバランスを考えるようにしましょう。
ライフステージ別の使い方
入学・卒業や結婚、出産、退職など、人生には節目となるさまざまな出来事があります。生活が安定し、将来の見通しが立つようになると、資金が必要な時期も把握しやすくなります。
そのため、こうしたライフステージに合わせて複数の定期預金を組み合わせておくことも、有効な活用方法の一つです。
普通預金・投資商品との併用でバランスを取る
金融商品にはさまざまな種類があり、それぞれ特徴や役割が異なります。出し入れ用は普通預金、目的別資金は定期預金、余裕資金は投資に回すなど、用途に応じた資金配分が重要です。
定期預金はどんな人に向いている?

定期預金にはメリットとデメリットがあり、金融商品としてあまり魅力を感じないという人もいるでしょう。そこで、どのような人が定期預金に向いているのかをまとめました。
安全性を重視して資産を守りたい人
定期預金のメリットの一つは、元本割れのリスクがなく、安全性に優れている点です。普通預金よりも金利が高めに設定されているケースが多いため、できるだけリスクを抑えながら、堅実に資産を守りたい人に向いています。
将来の支出に向けて確実に積み立てたい人
ライフプランが明確で、将来の特定の時期に必要となる支出額を見込める場合は、目標に向けて定期預金で計画的に積み立てていくことが可能です。満期時に引き出せる金額があらかじめ分かっているため、確実性を重視する人に向いているといえるでしょう。
投資に不安がある初心者の選択肢として
資産運用に興味はあるものの、投資による元本割れのリスクに不安を感じる場合は、最初の選択肢として定期預金が適しています。まずは一定期間、資金を預けて運用することに慣れたうえで、次のステップとして投資商品を検討するのも一つの方法です。
まとめ
定期預金は、投資型の金融商品と比べると大きな利益は期待しにくい点がデメリットですが、元本が保証されており、安全性と確実性に優れている点が大きなメリットです。今後、金利が上昇する局面では、定期預金の魅力がより高まる可能性もあります。
リスクを抑えながら堅実に資産を運用したいと考えている場合は、この機会に定期預金を検討してみてはいかがでしょうか。
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2級ファイナンシャル・プランニング技能士
大学卒業後、システムエンジニアを経て通信機器商社の経営戦略室で新規事業の立ち上げに参画。退社後はシステム会社の代表取締役に就任し、パソコン通信サービスを展開。1996年に著書『わかる!イントラネット』執筆後はフリーランスとして活動。事業経験とFP資格を活かしビジネス系ライターとして複数メディアで執筆中。








