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株価下落時でも、つみたて投資を続けて大丈夫?|投資を続けるメリットについて解説します。

「なんとなく投資を始めたものの、ずっと続けて大丈夫?」「株価が下落したらどうすればいい?」といった疑問は、投資を始めた初心者なら気になりますよね。

そこで今回は、NISAやiDeCoなどを始めたばかりの人や投資経験が少ない人が株価下落時にどうしたらいいのかについて、らいふくのーと編集部スタッフ(以下:編集部)が記事を寄稿していただいている金融のスペシャリストMさん(以下:Mさん)にお話を伺いました。

株価が急に下落したら、どうしたらいいのでしょうか?

最近、楽観的な株価の見通しがあり、一方で悲観的なバブル予兆などの記事もあり、いったいどの情報を信じればいいのか迷いますよね。

普通の会社員が行う「つみたて投資」において、先行きの経済情勢や相場をあれこれと先読みし、資産配分や投資先を変更する必要はありません。将来のマーケット予測がピタッと当たることはありませんし、人の心理は惑わされることもわかっているからです。

例えば、「日経平均株価が4万円から3万5,000円に下がったとき」「日経平均が3万円を割ったとき」、あなたは取引をどうするか方針は決まっているでしょうか。なんとなく取引を始めたばかりの投資初心者ほど、あらかじめ頭の中でそうしたシミュレーションを考えておくことが、いざ「そのとき」がやってきたときに慌てずにすみますし、投資を続けるためにも役立ちます。

ここしばらくの間、株価は右肩上がりが続いていたので、下落したときのことを考える機会がありませんでした。

今一度、「株価が下がったときにどうするのか」ですが、私は株価下落時にあえて「長期投資」を考えることをおすすめします。

株価下落時にあえて「長期投資」を考える理由を教えてください。

インデックスファンド*で積立投資を行うコツコツ投資家と、短期的な売買を行っている投資家ではちょっとスタンスが異なると思いますので、ここではNISA(つみたて投資枠)やiDeCo(個人型確定拠出年金)をまだ始めたばかりの投資家、またあまり投資経験のない人を想定してお話しします。

*インデックスファンド=日経平均株価や米国S&P等の市場の値動きに連動する投資信託

投資経験が少ない人にとって、長期投資というのはどれくらいを考えるべきでしょうか?例えば、「長期=5年くらい」を考えるとします。昨年までの一般NISAは5年が投資のひとつの区切りですから、それほどおかしいイメージではありません。また、デイトレーダーなどを横目に、長期投資を想定するには十分すぎる「長期」かもしれません。

しかし5年というのは下がったマーケットが回復するのに必ずしも十分ではない、ということは理解しておくべきです。例として挙げると、リーマン・ショック前後を振り返ってみると参考になります。

2007年6月、日経平均は1万8,000円台に届くような展開でした。これがサブプライム・ローン問題やリーマン・ショック(2018年8月)を受け、2008年10月には7,000円を割り込むまで下落します。

リーマン・ショックが動き出す前の2008年8月末の日経平均が1万3,072円ですが、ここまで回復したのが2013年4月です。

その間、東日本大震災という大災害もありましたが、回復に約5年を費やしたことになります。ちなみに1万8,000円台の復活には2015年2月までかかり、7年半というところでしょうか。

こういった過去の例から見ても、長期投資は10年以上をめどに考えてみるのがいいでしょう。

つまり、たとえ株価が大きく下がっていても、コツコツと10年以上つみたて投資を続けてみるのもおすすめ、ということです。

投資を続ける=可能であれば積立額を増やす、ということですか?

そうですね、もし資産に余力があるのであれば、積立額を維持もしくは増やすことをおすすめします。

そもそも個人投資家にとって「もうけた経験」「損した経験」を早めに、できれば少額でしておくことが経験値として重要です。人は感情に流されやすい生き物ですので、あれこれ聞いたり見たりして惑わされるよりも、自身で体験すればそれが経験値として脳に刷り込まれるからです。投資の場合も少額での損得であれば大したことはありませんので、体験すればそれが免疫になり、自分らしい資産形成に工夫して変えていくことになります。

もう一つ、経験値として欲しいのは「株価が下がったけれど、持ち続けてプラスに戻った」という経験です。積立投資や長期投資は、理念としては正しくてもなかなか実行する勇気が持てないかもしれません。かくいう私もITバブル直前のピークで買った投資信託が値下がりした時には、含み損が消えるまで不安になりました。その後に基準価額が回復したことを知り、積立額を増額したり、少し買い足すほうが得策ということを再認識しました。

この経験は、リーマン・ショック時、値下がりをまったく気にせず積立投資を続ける原動力となりました。実際、私のiDeCoはリーマン・ショックやサブプライム・ローン問題の頃を乗り越えていますが、どんなに下がっていても投資信託の購入を継続しました。おかげさまで、年率換算の利回りは今でも7%以上をキープしていますが、株価が下がっているときに積立投資を続けていればこその成功体験なのです。

皆さんもぜひ、このあとの株価が下がろうとも、積立投資を継続し、「含み損を抱えたけれど、回復まで粘った」という経験をしていただきたいと思います。

株価下落時こそ「売らない」「積立を続ける」ことで投資と向き合ってみるということですね!

もし、経済はいつか回復すると信じられるのなら、5年ではなく10年、むしろ20年以上積立投資を信じて継続してみてはいかがでしょうか。(経済の回復を信じられない人は投資には向いていないかもしれません。さっさと手じまいして証券口座は閉じてしまうことをお勧めします)。

といっても、毎月一定額を決まったタイミングでNISAやiDeCoを使って積立投資信託などを設定しているのであれば、特に何もしなくても大丈夫です。何も変更せずにそのまま積立投資を続けてみてください。

「今は安全資産に逃げて、株価が下がり切って、回復が感じられるようになったら投資を再スタートしよう」と考えると、おそらく損切りした株価水準より高いところでリスタートすることになります。人は臆病だから判断は遅めになりますし、面倒な手間がかかることは先送りしてしまうものだからです。

それなら何もしないほうがよかったことになります。また、回復までの数年間、安値で買い増すチャンスも逃したことになります。何もしないことは結果として「マイナスで売らない」ことと「投資を続ける」ことを、ただ続けていくことにつながります。

まとめ

いかがでしたか?Mさんによると、株価下落時にするべきことは、しっかり考えた上で「何もせずそのまま」、もしくは「少し増額して継続」です。考えに考えて頭が整理され、続けることに自信を持つことができたら、どっしりと構えておきましょう。

きっと10年後あるいは20年後には笑って、過去の含み益を眺められる日が来る・・・かもしれません!

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