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【住宅ローン】初年度の確定申告が必要なケースは?書類や手続きの基礎知識と注意点

公開日 2026.04.06

住宅ローンを利用してマイホームを取得した場合、一定の要件を満たせば住宅ローン控除の適用を受けられます。住宅ローン控除は一定期間、毎年受けられますが、初年度は会社員も確定申告が必要です。本記事では、住宅ローン控除初年度の確定申告について、わかりやすく解説します。

住宅ローンの初年度は確定申告が必要?

【住宅ローン】初年度の確定申告が必要なケースは?書類や手続きの基礎知識と注意点

マイホームを購入するために住宅ローンを組んだ場合、一定期間は住宅ローン控除が受けられます。ただし、住宅ローン控除の適用を受けるためには、初年度に確定申告を行う必要があります。まずは、住宅ローン初年度の確定申告の必要性について説明します。

原則は必要

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)とは、住宅ローンを利用して住宅を取得した人の税負担を軽減する制度です。住宅ローン減税とも呼ばれます。住宅ローン控除は一定期間継続して受けられ、控除期間中は毎年の所得税・住民税が安くなります。

住宅ローン控除を受けるには、会社員であっても、初年度に確定申告をしなければなりません。要件を満たしていない場合、住宅ローン控除は受けられません。住宅ローンの初年度には、原則的に確定申告が必要であると理解しておきましょう。

年末調整との違い

会社員の場合、多くの控除は年末調整で適用できます。会社に保険料控除申告書や扶養控除申告書を提出すれば、会社が税金を計算する際に、控除の手続きを行います。

初年度の住宅ローン控除は、年末調整での適用ができません。会社員も自分で確定申告書を作成し、税務署へ提出する必要があります。税務署が住宅の取得状況や借入内容などを正確に把握するため、初年度は本人による確定申告が求められているのです。

2年目以降の扱い

住宅ローン控除は、2年目以降であれば年末調整で適用可能です。その際は、以下の必要書類を勤務先へ提出しましょう。

年末調整で住宅ローン控除を受ける際に必要な書類

  • 住宅借入金等特別控除申告書(税務署から届く)
  • 住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書(金融機関から届く)

住宅ローン控除の基礎知識

住宅ローン控除は、住宅取得を後押しするために設けられている税制優遇制度です。仕組みや控除額の考え方、適用条件をあらかじめ理解しておくことで、住宅購入後の資金計画も立てやすくなります。ここでは、住宅ローン控除の基礎知識を確認していきましょう。

控除の仕組み

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)では、年末時点の住宅ローン残高の0.7%を毎年の所得税から控除できます。控除しきれなかった分は、一定の上限内で住民税からも差し引くことが可能です。

控除期間は、住宅の性能や入居時期によって異なりますが、原則として新築住宅は最大13年間、既存住宅(中古住宅)は最大10年間です。

控除額の考え方

住宅ローン控除の控除額は、「年末時点の住宅ローン残高×0.7%」で求められます。ただし、以下の表のような借入限度額があります(2024年以降に建築確認を受け、かつ2024年以降に入居した場合)。

新築住宅の借入限度額

 

一般世帯

子育て・若者夫婦世帯

長期優良住宅・低炭素住宅

4,500万円

5,000万円

ZEH水準省エネ住宅

3,500万円

4,500万円

省エネ基準適合住宅

3,000万円

4,000万円

その他の住宅

0円(適用なし)

0円(適用なし)

既存住宅の借入限度額

長期優良住宅・低炭素住宅/ZEH水準省エネ住宅/省エネ基準適合住宅

3,000万円

その他の住宅

2,000万円

例えば、子育て・若者夫婦世帯が長期優良住宅を購入した場合、年間の最大控除額は5,000万円の0.7%である35万円です。年末時点の住宅ローン残高の0.7%が35万円を超えていても、35万円しか控除できません。

適用条件

住宅ローン控除は、住宅ローンを払っていれば必ず受けられるものではなく、適用条件があります。主な適用条件は次のとおりです。

住宅ローン控除の主な適用条件

  • 住宅新築・取得日から6か月以内に入居し、適用を受ける年の12月31日まで引き続き居住
  • 床面積が50平方メートル以上で床面積の2分の1以上が居住用
  • 控除を受ける年の合計所得金額が2,000万円以下
  • 住宅ローンの返済期間が10年以上
  • 2024年1月以降に建築確認を受けた新築住宅については、一定の省エネ基準を満たしていること

西日本シティ銀行|住宅借入金等特別控除を受けられる方へ

確定申告が必要なケース

住宅ローン控除を受ける場合、職業や所得の状況によって手続き方法は異なります。ここでは、給与所得者と個人事業主の場合に分けて確認します。

給与所得者の場合

会社員や公務員などの給与所得者は、年末調整で所得税を精算するため、通常であれば確定申告は必要ありません。しかし、住宅ローン控除を受ける初年度については確定申告が必要です。

年末調整では、住宅ローン控除を適用せずに税金が計算されています。確定申告により住宅ローン控除を適用すれば、払い過ぎた税金の還付が受けられます。

住宅ローン控除適用2年目以降は、年末調整で適用してもらえるため、確定申告不要です。ただし、以下のような人は年末調整が行われないため、2年目以降であっても確定申告が必要になります。

給与所得者でも年末調整が行われない例

  • 年間の給与収入が2,000万円を超えている
  • 年の途中で退職して年末まで再就職していない

個人事業主の場合

個人事業主には年末調整という仕組みがありません。毎年確定申告が必要になるため、控除期間中は毎年の確定申告時に住宅ローン控除を申請します。

対象外のケース

住宅ローン支払中であっても、住宅ローン控除の要件を満たしていなければ、控除の適用は受けられません。この場合、年末調整や確定申告の際に、住宅ローンについての申告は不要です。

確定申告に必要な書類

住宅ローン控除の初年度に確定申告を行う際は、いくつかの書類を準備する必要があります。不足があると手続きが進まないため、事前に確認しておきましょう。

ここでは、住宅ローン関連書類、所得関係書類、本人確認書類に分けて紹介します。

住宅ローン関連書類

初年度の住宅ローン控除を申請する際に必要となる主な書類は次のとおりです。

住宅ローン関連書類

  • 住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書(金融機関から送付)
  • 登記事項証明書
  • 売買契約書または工事請負契約書の写し
  • 住宅借入金等特別控除額の計算明細書
  • (該当する場合)認定長期優良住宅・低炭素住宅等の認定通知書の写し
  • (一定の耐震基準を満たす中古住宅の場合)耐震基準適合証明書又は住宅性能評価書の写し

なお、令和4年度税制改正において、年末残高証明書を用いる「証明書方式」から「調書方式」への変更が行われています。調書方式では、金融機関が「住宅取得資金に係る借入金等の年末残高等調書」を税務署に提供し、国税当局から納税者に住宅ローンの「年末残高情報」が提供されます。

ただし、調書方式が利用できるのは移行準備が整った金融機関のみで、未対応の金融機関ではこれまで通り証明書方式を利用することになります。

勤務先・所得書類

所得金額や税額を確認するため、次の書類が必要です。

勤務先・所得書類

  • 源泉徴収票(給与所得者の場合)

源泉徴収票は確定申告書に添付する必要はありませんが、申告書を作成する際に必要です。紛失している場合は、勤務先に再発行を依頼しましょう。

本人確認書類

確定申告の際には、本人確認書類も必要です。

本人確認書類(いずれか)

  • マイナンバーカード
  • 通知カード(またはマイナンバー記載の住民票)+運転免許証等

マイナンバーカードがあれば、それだけでかまいません。マイナンバーカードがない場合には、マイナンバーがわかる書類と、運転免許証等の本人確認書類が必要です。

確定申告の手続き方法

住宅ローン控除の初年度は、確定申告で手続きを行います。申告方法には「e-Tax(電子申告)」と「書面提出」の2つがあります。e-Taxを利用すれば、自宅からでもオンラインで手続き可能です。ここでは、確定申告の基礎知識と住宅ローン初年度の申告の流れを説明します。

e-Taxで申告

e-Taxは、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用してオンラインで申告する方法です。画面の案内に従って入力すれば自動計算されるため、初めてでも比較的スムーズに進められます。

マイナンバーカードあり

マイナンバーカードを持っている場合は、ICカードリーダライタまたはスマートフォンを利用して本人認証を行います。

マイナポータルと連携すれば、給与所得の源泉徴収票や医療費の控除証明書等のデータを一括取得し、申告書の該当欄に自動入力することも可能です。

マイナンバーカードなし

マイナンバーカードがない人も、事前に税務署でID・パスワードの発行を受けている場合には、「ID・パスワード方式」によりe-Taxを利用してオンライン申告ができます。

なお、「ID・パスワード方式」は暫定的な対応であったため、2025年10月以降はID・パスワードの新規発行が停止されています。今後新たにe-Taxを利用する人は、マイナンバーカードが必要になります。

書面で申告

確定申告書は税務署でもらうか、インターネットからダウンロードすることも可能です。記入例を見ながら申告書の該当欄を記入し、必要書類を添付して提出します。税務署の窓口に持参する以外に、郵送での提出も可能です。

税務署は福岡市内でも管轄が分かれます。中央区・南区は福岡税務署、博多区は博多税務署、早良区・西区は西福岡税務署…のように住所で提出先が変わるので、先に確認しておくと安心です。

申告の流れ

住宅ローン控除の初年度の確定申告は、次のような流れで進みます。

住宅ローン控除初年度確定申告の流れ

  1. 必要書類を準備する
  2. 確定申告書を作成する(e-Taxまたは書面)
  3. 住宅借入金等特別控除の入力・計算を行う
  4. 申告書を提出する
  5. 還付金が指定口座へ振り込まれる

申告後、内容に問題がなければ、通常は1か月〜1か月半程度で還付金が振り込まれます。

確定申告はいつまで?

確定申告は、所定の期間内に行う必要があります。住宅ローン初年度の確定申告はいつまでに手続きしなければならないか、スケジュールを確認しておきましょう。

申告期間

確定申告の期間は、原則として毎年2月16日から3月15日までです。個人事業主など申告義務がある人は、この期間内に手続きを済ませる必要があります。

一方で、払いすぎた税金を取り戻す「還付申告」は、対象年の翌年1月1日から5年間にわたり提出可能です。会社員が住宅ローン控除初年度に確定申告するケースは、この還付申告に該当します。

期限を過ぎた場合

申告義務がある人が期限内に確定申告をしなかった場合、住宅ローン控除が受けられなくなる可能性があります。なお、個人事業主など確定申告義務がある人が期限までに確定申告していない場合には、延滞税などのペナルティが発生する可能性があります。

還付申告の考え方

会社員が行う住宅ローン控除の初年度の確定申告は、還付申告に該当します。還付申告は義務的なものではありません。ただし、5年の期間内に還付申告をしなければ、税金の還付は受けられないことになります。

記入例・書き方のポイント

住宅ローン控除の初年度は、申告書の中でも専用の記入欄があり、わかりにくい部分もあります。ここでは、申告書の記入例や注意点を確認しておきましょう。

申告書の記入箇所

住宅ローン控除初年度の確定申告では、通常の申告書に加えて、「住宅借入金等特別控除額の計算明細書」を作成して提出する必要があります。計算明細書で計算した金額を確定申告書の「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除」欄に、記入例のように転記します。

入力時の注意

入力の際には、数字の転記ミスに注意しましょう。e-Taxでは自動計算されますが、入力内容に誤りがあると正しく控除されないため、最終確認を丁寧に行います。

初年度に注意したいポイント

住宅ローン控除の初年度は、提出書類も多く、確認事項も少なくありません。手続きをスムーズに進めるためにも、事前に注意点を把握しておきましょう。

書類不足に注意

「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」は、金融機関から送付される重要書類です。再発行には時間がかかることもあるため、紛失しないよう保管しておきましょう。

初年度の確定申告では、売買契約書や工事請負契約書の写し、登記事項証明書なども必要になります。申告直前になって慌てることのないよう、早めに準備しておきましょう。

借入条件の確認

住宅ローン控除には、借入期間が原則10年以上であることなどの要件があります。

繰上返済や借り換えによって返済期間が10年未満になると、住宅ローン控除が適用されなくなるため注意が必要です。条件を満たしているかどうか、事前に確認しておくことが重要です。

保存書類の管理

住宅ローン控除は、13年または10年の間継続して適用されます。初年度の申告書控えや契約書類は、控除期間中は大切に保管しておきましょう。

ふるさと納税の「ワンストップ特例」は無効になる

ふるさと納税をした場合、確定申告または「ワンストップ特例」により寄附金控除を適用できます。住宅ローン控除の初年度に確定申告を行うと、ワンストップ特例は無効になってしまいます。ふるさと納税をしている場合には、寄附金控除も確定申告に含める必要があります。

まとめ

住宅ローン控除を受けるためには、会社員も初年度は確定申告が必要です。確定申告は、e-Taxを利用してオンラインでもできます。いつまでに手続きすべきかなど基礎知識を把握しておくことが大切です。

書類の見落としや返済期間10年の条件確認など、申告以前にローン設計でつまずくケースもあります。土日も含めてローンの専門担当に相談できる窓口があるので、不安が残る方は早めに聞いておくと安心です。

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