相談者:Yさん(福岡県在住)
夫41歳(会社員)、妻41歳(主婦)、長男8歳、次男6歳
Q. ボーナス依存型家計を脱却するための改善点は?
コロナ禍で、昨年冬からボーナスがおよそ半分に減ってしまいました。
そこでボーナス依存型の家計を脱却し、月々で貯められる家計にすべきと思っております。
そのためにも貯蓄目標を立てねばと思いつつ、(言い訳ですが)月々のやりくりにいっぱいで目標を立てられず…。目標を立てぬ事には改善できぬとは思うのですが。どこを改善すればよろしいでしょうか?
子どもの進路は本人次第と思っております。親としては公立に行ってくれればと思いますが、私立を望む場合に備え、いかほど蓄えが必要でしょうか?
月払いの保険料の内訳は、共済(夫・妻医療、夫総合、夫生命2本)と団体損害保険、火災保険です。保険は結婚時(10年前)に見直し、その後も逐次見直しました。また、この春に携帯プランを割安プランに変更しました。
投資信託については、10年前に私(夫)の生命保険の満期保険金(20数万円)を〝試しに〟運用しております(国内海外新興国、株式債券など分散して)。10年ほどたち、まあまあの額になりましたが、もっと投資した方がよいでしょうか?
A. 住宅ローン控除中はボーナス貯蓄を強化して備えて
食費は3割減に挑戦、日用品費と雑費、教育費も見直し対象
ボーナスはうれしいものですよね。でも、支給条件や金額などの決定権は企業側にあります。業績によっては、減額や不支給もありうるので、お気づきのとおりボーナス頼みのやりくりは避けるべきです。
Y家では住宅ローンのボーナス払いが重荷ですが、ローン控除によって赤字を免れています。控除対象の残り7年をボーナス貯蓄強化期間と決め、特別支出は住宅と車関係費のみに絞って、収支差額はすべて貯蓄に回し、ボーナスの変動に備えましょう。
毎月のやりくりでも、改善目標を立てる必要があります。食費が多いのは、食材選びや外食回数に原因がありそうです。ぜいたくな食材は誕生日など特別なケースに限定し、外食以上においしいものを安価に手作りし、家族の満足度の高い食生活を目指してください。
外食含め月9万4000円の食費は、その気になれば半減させられるはずですが、まずは3割減に挑戦してはいかが? 日用品費と雑費合わせて月3万8000円使っている点も、見直し対象といえそうです。
教育資金に関しては、減収に見舞われている現段階では、貯蓄目標を立てるより、現在の教育費にメスを入れる必要がありそうです。
教育貯蓄は児童手当を各お子さん名義で積み立てることから始めましょう。
投資枠を増やすことについては賛成しかねます。相場上昇の波に乗れて10年で資金が2倍になるなど、めったに起きるものではありません。まずは手堅く元本保証商品で年収分を蓄える目標を立てて実行を― 。
回答者 高橋伸子さん
生活経済ジャーナリスト。長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。
消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。
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転載元:
「リビング北九州・熊本・かごしま」2021年9月18日号掲載
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高橋 伸子
生活経済ジャーナリスト
長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。2016年に内閣総理大臣より消費者支援功労者表彰を受ける。株式会社西日本フィナンシャルホールディングスの社外取締役監査等委員。