相談者:Mさん(鹿児島県在住)
本人39歳(公務員)、長女11歳
Q. 娘の教育費と自分の老後資金を貯めるには?
小学6年生の娘を育てるシングルマザーです。
来年、娘が中学生になるので、今後、塾や部活などの教育費が増えてきそう。娘は大学まで進学させたいと考えています。
今後は働けるだけ働くつもりですが、もし働けなくなってしまったときや、自分の老後も心配です。次の3つの相談にアドバイスをお願いします。
毎月、自分と子どもの教育資金用に3万円ずつ貯蓄していますが、金額はこれで妥当でしょうか。
2つ目は株についてです。3年前から株主優待狙いで株を始め、外食費は優待で賄うなどしています。始めた当初に100万円を投資。今は毎月2万円を株用の口座に入れ、欲しい株があった時に購入していますが、投資の割合は適正でしょうか。
最後に保険についてです。現在は私が月2000円、娘が月1000円の県民共済に加入しています。もしものリスクを考えると、保障が手薄なのではと心配です。
娘の教育費を貯めながら、自分の老後資金も準備していきたいです。ご教授、よろしくお願いします。
A. 貯蓄額は妥当。積み立ては定期預金で大学の学費に
投資割合が4割超なので新規投資は見合わせ、投資先の業績チェックを
食費が少ないのが気になりましたが、実家から米や野菜が送られてくるとのこと。お世話になっている方へのお礼や家族の誕生日に使う目的でデパート積み立てをし、毎月ユニセフに寄付なさるなど、つながりや助け合いを大切にした暮らしぶりが目に浮かびます。
お子さんとの時間を大切に考えて、車でさまざまなところに出かけているのもいいですね。その一方で、将来の教育費増に備えて貯蓄に励んでおられます。
お尋ねの月ぎめの貯蓄額に関しては、無理なく積み立てられるという点で妥当です。毎月の黒字は子ども口座に入れているほか、ボーナス収支の黒字も半分以上を子ども口座に入れているそうなので、塾や部活の費用は払えるでしょう。改善点としては、積み立てを定期預金に変更し、大学進学まで手を付けないこと。老後資金は50歳から集中的に貯めれば間に合うはずです。
2つめのご相談は、株式投資ですね。NISA(少額投資非課税制度)を利用して、いろいろな会社の株を買っているようです。
外食産業はコロナ禍で打撃を受けている所が少なくないため、業績も調べてください。応援したい気持ちでいても、債務超過(純資産がマイナス)状態が続いて上場廃止になると困りますよね。それと金融資産に占める投資の割合が4割を超えているので、しばらく個別株への新規投資は見合わせましょう。
最後に保険の件ですが、掛け捨ての死亡保障(遺族のため)や就業不能保険(病気やケガによって働けないときの収入減への備え)で補強すると安心です。
回答者 高橋伸子さん
生活経済ジャーナリスト。長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。
消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。
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転載元:
「リビング北九州・熊本・かごしま」2021年9月11日号掲載
- 暮らし
高橋 伸子
生活経済ジャーナリスト
長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。2016年に内閣総理大臣より消費者支援功労者表彰を受ける。株式会社西日本フィナンシャルホールディングスの社外取締役監査等委員。