相談者:Nさん(福岡県在住)
夫50歳(会社員)、妻49歳(契約社員)
Q. ローン完済まであと4年、赤字続きで大丈夫?
いつも拝見しては、わが家の収入の少なさに落胆しております。そこで、ご相談させていただきました。
もともとよそのお宅に比べ夫の給料は少ないなと感じておりましたが、昨年コロナ禍で会社の業績が悪化したことにより収入がさらに減り、とうとう手取りが20万円を切ってしまいました。そのため、毎月赤字続きで、ボーナスを切り崩して月々の生活を送っております。
結婚を控えている子どもに多少のお祝いもしてあげたいので、妻の独身時代の定期預金100万円を解約し、一部お祝いに充てたいと考えております。
住宅ローンも夫の車のローンも、残りあと4年。ローンが終わってしまえばもちろん楽になるのですが、それまでこのままの状態でよいのでしょうか?
車は2台所有していますが、夫はとても不便な場所に通勤していて帰宅も遅く、また妻は両親(二世帯住宅、基本的に別会計)を病院に連れて行ったり、買い物、習い事などのため、手放せない状態。
さらに妻は有期労働のため、あと2年ほどで職を失います。それなら40代のうちに転職をすべきかどうかも迷っています。
A. 今できる倹約を研究・実行することが大切
削減目標を立てて買い物は計画的に。保険は内容確認・夫婦間共有を
毎月赤字が出るのは辛いですよね。収入減が一時的であれば、ボーナスの黒字(年間約30万円)で補てんするのもいいでしょう。でも、回復の見通しが分からず、妻の転職の問題もあるので、今できる倹約を実行することが大切です。
水道光熱費と通信費が多いですが、ご両親の家の分を含むとか。替わりに固定資産税や新聞代などを負担してもらっているそうです。契約内容や契約先の見直しによって少しでも減らせないか、研究してください。
レジャー、外食費は、夫婦のコミュニケーションに欠かせない支出と伺いました。夫婦の休暇が月2日しか一致せず、夫婦とも月1万円の小遣いでガマンしていることから、現状維持がいいですね。
そうなると、食費、日用品費、雑費、保険料にメスを入れる必要があります。食材や日用品などは計画的に購入し、無駄なく使い切ることで、支出を減らしましょう。今月は1割カット、来月はさらに1割、というよう
に削減目標を立て、結果を出してください。雑費も含め、お財布に入れる金額を制限すると、不要不急の支出を抑えられます。
保険はそれぞれが契約し、夫婦間で内容を共有していないそうです。「請求なくして給付なし」ですから、互いの病気や万一の際に活用できるようにすべきです。今の家計にふさわしい保障かチェックし、保険料の削減余地を探りましょう。
5年後には年226万4000円のローンの支払いがなくなりますが、気を緩めず、車の買い替えや家の建て替え、老後資金など、先々の出費に備えてください。
回答者 高橋伸子さん
生活経済ジャーナリスト。長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。
消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。
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転載元:
「リビング北九州・熊本・かごしま」2021年7月17日号掲載
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高橋 伸子
生活経済ジャーナリスト
長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。2016年に内閣総理大臣より消費者支援功労者表彰を受ける。株式会社西日本フィナンシャルホールディングスの社外取締役監査等委員。