相談者
相談者:Wさん(福岡県在住)
本人86歳
Q.高齢者の終活、持ち株はどうするのがベスト?
年金生活者です。中小企業に勤めていた夫の死去から、10年が経ちました。
結婚したばかりの頃、国民年金制度が発足し、最初の掛け金は100円でしたが、夫が厚生年金に加入している妻は、入らなくても良いなどという噂を耳にし、加入は任意だったため一度退会しました。
ただ、知人が加入しているという話を聞いて、私も再度加入して、第3号被保険者制度が始まるまで任意で掛けたので、年金が増えてよかったです。
現在の住まいはエレベーターのない5階なので、いずれ転居を考えています。
生協に入り、近所のスーパーや八百屋でも買い物をするので、一人暮らしにしては食費が多いと思います。
食品ロスも多く、買い物の際には冷蔵庫を確認してメモを持って行くように心がけたいです。
年齢から、そろそろ身辺の整理をしなければと思っていて、遠方の夫が眠る実家のお墓を、永代供養にしたいと考えています。
さらに問題は、家族の事情で購入した株です。
株5銘柄のうち、配当金のない2銘柄を今春にも手放したいと思っています。
高齢なので、全部を手放すべきでしょうか?
A.株は会社の将来性や、投資への意欲を考えて判断を
買い物メモや食事日記で栄養バランスを保ち、食品ロスをなくしては
国がサラリーマン家庭の主婦に、自分名義の年金権を保障するようになったのは、Wさんが51歳の頃なんですよね。
それ以前に、任意加入制度を利用して自分の年金を増やしたのは、とても賢明な判断でした。
子どもたちの教育費がかかる時期に、掛け金を払い続けるのは大変だったでしょう。
でも、そのかいあって、今は公的年金で生活費の約9割を賄えています。
できれば、月1万7000円の赤字をなくせるといいですね。
お気づきのように、食費は削減の余地がありそうです。
買い物に行くときにメモを持参するのはいい考えです。
ムダをなくすだけでなく、栄養のバランスを保つために、食事日記をつけることもおすすめします。
金融資産が十分おありなので、バリアフリーで暮らせる住まいへの転居も、金銭的には問題なさそう。
お墓の件も、今から調べて手を打っておくと安心です。
資産の2割を占める株(5銘柄)については、①投資している会社の現在の状況および将来性、②株式投資に関する知識と意欲、の2点をよく考えて、今後のことを判断しましょう。
配当期待で持ち続ける、値上がり期待で持ち続ける、そのどちらでもないから売却する、の判断材料が①です。
それを検討するのが面倒、ということなら、②の条件をパスできないので、タイミングをみて売却するのが妥当です。
ただ、お子さんが投資に前向きなら、持ち続けたい株は売らずにおき、相続するのもいいと思います。
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転載元:
「リビングふくおか・北九州・リビングかごしま・リビング熊本」2021年2月13日号掲載
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高橋 伸子
生活経済ジャーナリスト
長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。2016年に内閣総理大臣より消費者支援功労者表彰を受ける。株式会社西日本フィナンシャルホールディングスの社外取締役監査等委員。