30代女性の転職面接では、20代のときとは違い、即戦力が重視されます。社会人の基本は身に付いていることが前提なため、面接時の服装にも注意しなければなりません。本記事では、30代女性が転職面接を受ける際の服装のマナーと選び方を解説します。
転職面接の服装でチェックされること
人とコミュニケーションをとるときに視覚から受ける影響は、言語以上に大きいといわれています。転職面接も同様で、服装などの身だしなみは面接官からの第一印象を左右する大切な要素です。
30代女性が転職面接を受ける際、服装を通して主に以下の点がチェックされます。
ビジネスマナーが身に付いているか
服装を通して、基本的なビジネスマナーが身に付いているかをチェックされます。30代女性の転職面接では、多くの場合即戦力を求められます。ある程度社会人経験を積んだ30代となると、社会人としての基本が身に付いていることは前提となるでしょう。
企業は、限られた時間で採用の可否を決めなければなりません。面接時の服装は、基本的なビジネスマナーが身に付いているかどうかを判断するための重要な材料となります。
清潔感があるか
基本的なことですが、清潔感があるかどうかも見られています。清潔感がないと「だらしない性格なのでは」と判断され、面接官にマイナスの印象を与えかねません。
第一印象で不潔なイメージを持たれると、どれだけ受け答えの印象がよくても不利になってしまいます。服装だけでなく寝ぐせや靴の汚れ、ニオイなども不潔感を与える原因になりやすいため、頭から足元まで気を配る必要があります。
業界や職種に適しているか
転職面接にふさわしい服装は、業界や職種、職場環境などによっても異なります。例えば、金融機関や教育機関など比較的堅いイメージの業界で明るい色のスーツを着用するのは、適切とはいえません。
一方、アパレル業界などの面接では、ブランドイメージに合わせたスーツを選ぶのがよいでしょう。企業によっては私服を指定される場合もあるので、面接の詳細メールなどをきちんと確認するようにしてください。
30代女性の転職面接に適した服装の選び方
ここからは、30代女性の転職面接にふさわしい服装の選び方を解説します。前職で培った経験やスキルをしっかり印象付けるためにも、以下のポイントを面接時の服装を選ぶ際の基準にしてください。
ビジネススーツを着用する
30代女性の転職面接では、ビジネススーツを着用するのが基本です。ビジネススーツとは、ビジネスシーンで着用するフォーマルなスーツのことです。基本的なビジネスマナーが身に付いていること、真面目さや信頼感、礼儀正しさを印象付けられます。
ただし、企業によっては私服を指定される場合や服装が自由の場合もあります。どの企業も同じ服装にするのではなく、各企業に合った服装・身だしなみで臨むことが大切です。
リクルートスーツは避ける
30代女性のなかには、20代のときに購入したリクルートスーツしか持っていない人もいるでしょう。しかし、転職面接では、リクルートスーツの着用は避けるのが基本です。リクルートスーツは新卒に見られやすく、即戦力をアピールできない可能性があります。30代女性にとっては不利になりやすいため、ビジネススーツを用意してください。
服装自由の場合はビジネスカジュアルを選ぶ
服装が自由の場合や私服を指定された場合は、ビジネスカジュアルで面接に臨みましょう。ビジネスカジュアルはスーツのような堅さはなくオフィスカジュアルほどラフではない、取引先の訪問時にも着用できる服装です。
具体的には、無地のブラウスにジャケットを羽織るなどの服装がおすすめです。しわのつきにくい素材のブラウスを選べば、清潔な印象になります。また、服装に迷う人は、スーツを着用すれば間違いないでしょう。
落ち着いた色味を選ぶ
30代女性の転職面接では、黒やグレー、ネイビーなどの落ち着いた色味のスーツを選ぶのが基本です。業界や職種にもよりますが、誠実さや上品さを印象付けられます。
ただし、黒はリクルートスーツにも見えやすいため、注意が必要です。企業のイメージや社風によっては、ベージュなどの色を選べば華やかな印象になります。ただし、明るすぎる色はカジュアルな印象を与えてしまうため、注意しましょう。
ボディラインが目立たないものを選ぶ
スーツのデザインは、なるべくボディラインが目立たないものを選んでください。ウエスト部分のくびれが大きいデザインのスーツや裾に向かって大きく広がるフレアスカートは、30代女性の転職面接にふさわしいとはいえません。また、スカートがタイトすぎるとボディラインがみえやすいため、注意が必要です。
スーツのデザインは年々変わるため、何年も前に購入したスーツしかない人は新調したほうがよい場合もあります。
手首が隠れる程度の袖の長さにする
ジャケットの袖の長さは、手首が隠れる程度のものを選びましょう。スーツからブラウスの袖が出ている場合や短すぎる場合、だらしがない、清潔感がないという印象を持たれる可能性があります。インナーを選ぶ際に、袖が長すぎないものを選ぶのもポイントです。
シンプルなインナーを選ぶ
ジャケットの下に着用するインナーは、シンプルなブラウスやシャツを選んでください。なるべく装飾や柄のない、無地のインナーを着用しましょう。
ほどよくつやがあり、しわのつきにくい素材を選べば、30代の落ち着きや上品さをアピールできます。また、襟が付いているインナーは堅実なイメージ、襟のないものは柔らかい印象になります。
スカートは膝が隠れる程度の丈にする
スカートを履くときは、座ったときに膝が隠れるように、膝下丈のものを選びます。タイトすぎるものや大きなスリットが入っているものは、座ったときに露出が多くなるため避けるようにしてください。
なお、ボトムスは、ズボン・スカートのどちらでも問題ありません。職種や与えたい印象で選ぶとよいでしょう。
30代女性の転職面接に適した髪型や小物の選び方
30代の転職面接では、服装だけでなく髪型や小物によっても面接官からの第一印象が変わります。
清潔感のある髪型にする
髪の毛はなるべく派手な色を避け、肩より長い場合は一つにまとめてください。サイドから髪が落ちてくるようなスタイルだと、暗い印象を持たれてしまう可能性があります。
ピンでとめる、耳にかけるなどして、髪が落ちてこないようにしましょう。前髪や後れ毛も、気になるようであればピンでとめておきます。面接中に髪を触っていると落ち着きがないイメージを持たれやすいため、しっかり整えておくことが大切です。
ナチュラルメイクにする
30代女性が転職面接に臨む際は、ナチュラルメイクを心がけます。派手なメイクだと、落ち着きのない印象を与えかねません。顔は、第一印象を大きく左右します。厚塗りしすぎないように注意しながら、クマやくすみをカバーするのがポイントです。
アイメイクは、肌になじむブラウン系やベージュ系に仕上げ、目立つ色は避けるのが無難です。薄めのレッドやピンクのリップを塗れば、健康的な印象になります。
ストッキングを着用する
30代女性の面接に限らず、ストッキングを着用するのが基本です。ビジネスでは、素足を見せるのはマナー違反とされています。また、寒いからといってパンツスーツに靴下を合わせるのも適切とはいえません。
ストッキングの色は、ベージュが基本です。さまざまな色があるため、自分の肌になじむ色を選びましょう。デザイン性の高いものは避け、なるべく無地のストッキングを着用します。伝線したときのために予備があると安心です。
A4サイズの書類が入る鞄にする
転職面接には、黒やブラウンなどのベーシックな色の鞄が適しています。ショルダーやリュックサックは避け、余計な装飾のない無地の鞄を使用しましょう。
履歴書などの書類を持参するケースもあるため、事前にA4サイズの書類やクリアファイルが入るかどうかを確認してください。また、面接の際は足元にバッグを置くため、自立しやすい鞄を選ぶのがポイントです。
ヒールが2~5cm程度のパンプスを選ぶ
転職面接時の靴は、パンプスが基本です。布製やエナメル素材のパンプスはカジュアルに見えやすいため、本革や合成皮革のものを選ぶようにしてください。
ぺたんこのローファーやかかとの高い靴は避け、2~5cm程度のヒールのものを選びましょう。また、ピンヒールやウェッジソールのものも、ビジネスシーンではふさわしくありません。
トレンチコートやチェスターコートを選ぶ
30代女性の転職面接にふさわしいコートは、トレンチコートやチェスターコート、ステンカラーコートです。黒や紺、グレー、ベージュなどのベーシックなカラーを選べば、悪い印象を与える心配はありません。
ダウンジャケットやボア、フード付きのアウターなどはカジュアルな印象になりやすいため、面接では避けてください。また、コートは面接を受ける前に脱いで手に持つため、なるべく薄いコートを選ぶのがポイントです。
アクセサリーはなるべく控える
転職面接の際は、結婚指輪以外のアクセサリーは着けないのが無難です。ただし、企業によっては、控えめなアクセサリーであれば着けても問題ない場合があります。アクセサリーを着ける場合は派手な装飾のものは避け、シンプルで小ぶりなものを使用しましょう。
ネイルはビジネスシーンにふさわしくないとみなされる場合もあるため、なるべく付けずに面接を受けるようにしてください。
30代女性の転職面接の服装に関する注意点
20代の面接では今後の可能性が重視されるのに対し、30代の転職面接ではこれまでの経験やスキルがみられます。知識や能力、30代の落ち着きなどをしっかりアピールするためにも、服装に関して以下の点に注意してみてください。
サイズが合うものを着用する
転職面接にふさわしい服装を選んでいても、サイズが合っていなければだらしない印象を持たれかねません。肩が合っているか、袖や裾が長すぎないかなどを確認し、自分に合ったものを着用してください。
パンプスも同様で、サイズが大きいとかかとが脱げてしまい、不格好な歩き方になってしまいます。反対に、サイズが小さい場合も歩きにくく疲れてしまうため、必ず事前に確認しましょう。
Web面接も対面と同様の服装にする
Web面接の際も、基本的には対面のときと同様の服装で臨みます。上半身だけスーツを着用していると、通信トラブルなどで立ち上がった際に、画面に映ってしまう可能性があります。髪が乱れていないか、襟が曲がっていないかなども確認したうえで臨むようにしてください。
また、画面越しでは暗い印象になりやすいため、チークやリップをやや濃く付けるとよいでしょう。
しわや汚れがないか確認する
服にしわや汚れがあると、社会人のマナーがなっていない、仕事をきちんとこなせないのでは、などの印象を持たれ、転職面接で不利になる可能性があります。
また、意外と目につきやすいのが足元です。パンプスに汚れや傷がある場合やかかとがすり減っていると、だらしない印象を与えかねません。30代らしい落ち着きや余裕を印象付けられるよう、入念にチェックしてから面接に臨みましょう。
まとめ
30代女性が転職面接を受ける際は、清潔感のある落ち着いた色のビジネススーツを着用しましょう。ある程度社会人経験を積んだ30代女性の転職面接では、これまでの経験やスキルをアピールできるかどうかが重要となります。服装で損をしないよう、基本のマナーを押さえて面接に臨んでください。
松崎 観月
FP2級、CFP認定、日商簿記2級
大学卒業後、金融機関にて個人営業を担当し、資産運用の相談・保険販売などに従事。退社後、CFP認定を取得し、フリーライターとして活動。現在はクレジットカード・カードローン・保険・税金・不動産などに関する記事の執筆・監修を行う。これまでに執筆した記事は700本を超える。