お出かけをするときには、髪を整え、お化粧をし、身だしなみを整えますよね?
でも、『声』は何もしていない、という人がほとんどではないでしょうか?
朝、身だしなみを整えて出勤したのに、「おはようございます」の声は寝ぼけている…
なんてガッカリですよね。スキンケアで肌を磨き、トレーニングでボディメイク。
そこまでしたら、声も磨きませんか? 声も磨けば断然美しくなるのです。
キレイなのに声が残念
「あの人キレイなのに、声が残念だよね。」という方、あなたの周りにいませんか?
残念の種類もいろいろです
ダミ声
高すぎる声
甘えた声
女性同士で話すときと、男性と話すときと声が違うよね、なんて学生の頃だけと思いきや、職場でもいるようです。
世界基準でみると、日本人女性の声はとても高いのだそう。
日本語吹き替えで見た映画やドラマを改めて字幕で見たら、女優さんの声が低くて驚いた、なんて経験ありませんか?
日本人女性の声が高い原因は諸説ありますが、高い声=女性らしい声というイメージが男女ともあるようだということ。 日本独特の声への意識があるのかもしれません。しかも私たち日本人の多くは、正しい発声を家庭で躾られることも、学校で教えられることもありません。ですから、本人も無理して出している高い声が、本来の声だと思っている場合も多いのです。
キレイな声ってどんな声?
では『キレイな声』『いい声』っていったいどんな声なのでしょう?
これには"好み"が深く関わる問題です。
しかし、一般的には
・よく通る声
・ツヤのある声
・伸びのある声
・聞き取りやすく、長時間聴いていても疲れない声
・(男性であれば)低音の響く声
といったところが、キレイな声やいい声と呼ばれるのではないでしょうか?
声を出すということに対して、私たちの体は楽器に例えられます。
声は口から出ているだけでなく、主には胸郭や頭蓋骨といった骨に共鳴させて出しています。ギターやバイオリンに例えましょう。ボディを胸郭、弦を声帯とします。ボディがなくて、弦だけを弾いても「ベンベン」と響かない音が鳴るだけですが、ボディがあることで音が響きますよね。
ある種のバイオリンがナン億円もするのは、弦が高価なのではなくて、ボディが高価なのです。
私たちのボディ(体型)は千差万別です。
体型が違えば、響き方が違います。
バイオリンもチェロもビオラもコントラバスも、あるいは三味線、ギター、ウクレレもボディの形は違いますが、正しく演奏すればそれぞれに良い音が響きます。
私たちは自分自身の楽器であるボディを正しく使うことで良い声を出すことができるのです。この場合の「正しく使う」とは姿勢をよくするということ。
キレイな声を出すために、正しい姿勢は絶対ですよ。
姿勢と同じくらい大切なこと、それは呼吸です。
声は、吐く息がエネルギーとなり発せられます。
今度は管楽器に例えましょう。
楽器は立派でも吹きこむ息がヘロヘロだと、当然いい音はでませんよね。
ですから、しっかりとした息を腹式呼吸で吐き出すことが大切です。
結論が遅くなってしまいましたが「キレイな声」とは、ご自身が持つ楽器(体型)を正しく使えた時に発せられる声。ですから、キレイな声は人の数だけあるし、誰もがキレイな声を出すことができるのです。そのために大切なのは姿勢と呼吸だと覚えておいてくださいね。
美人と言われる顔が一つでないように、キレイな声だって幾通りもあるのですから。
若々しい声を守る3つ生活習慣
さて、私たちの体型やお肌が老化するように、当然声も老化します。
いつまでも若々しい声を保つための生活習慣をお伝えしましょう。
① 声は乾燥に弱い
喉に乾燥は大敵です。風邪をひきやすくするのはもちろん、声枯れも起こしやすくなります。マスクや加湿器で乾燥対策を忘れずに。
とあるドクターによると、声のためにベストな湿度は100%なのだそうです。
確かに、浴室でバスタブに浸かっていると喉が柔らかくなり、歌いたくなりますよね。とはいえ、現実的には湿度100%は無理な話。40~60%が良いようです。
そのほかの対策としては、常温の水をチビチビ飲む。口呼吸をやめて鼻呼吸にするといったことで、喉を乾燥から守りましょう。
② 声は疲労に弱い
心身ともに疲労すると、声が通らなかったり、音程が狂いやすかったり、柔らかな声が出なかったり…といいことなし。
喋りすぎからくる声帯疲労はもちろん、睡眠不足や肉体疲労も声に影響します。
また、精神的なショックで声が出なくなるということを聞いたことはありませんか?
心と声も繋がっているのです。心穏やかにぐっすり良い睡眠をとることは、声のためにも大切なことなのです。
③ 声は温度差に弱い
声帯医学の第一人者、米山文明博士によると、7度以上の急激な温度差は喉に不調をきたすそうです。
鼻などの粘膜が一種の炎症状態、つまり風邪をひいたような状態になるのだとか。声を守るためには、特に暖かいところから急激に冷える場所への移動。
マフラーやマスクで喉を急激な冷えから守りましょう。
④ 嗜好品との付き合い方
タバコは声のためにも百害あって一利なし!ではアルコールはどうでしょう?
当然飲み過ぎはNGですが、それと共に飲む環境も気をつけたいところです。
ガヤガヤと賑やかなお店での会合は、ついつい喋り声も大きくなってしまいます。アルコールが入ることで陽気になり、大きな声で話に花が咲く、その後二次会はカラオケに・・・なんてことになると、喉にとっては大迷惑。楽しく飲んだ翌朝、目が覚めたら喉がカラッカラという経験はありませんか?こんな日が続くと「しゃがれ声」になってしまうので、気をつけましょう。
⑤ のど飴を愛用される方へ。
痛みなどの症状がなく予防でのど飴を常用される方は、キシリトールのガムに変えてみませんか?山王病院東京ボイスセンター長 渡邊雄介氏の著書「声筋のすごい力」には、のど飴は"糖分によって喉が粘り、痰が絡むという欠点もあります"と述べており、キシリトールガムを勧めています。
マスク越しでもキレイな声になる簡単テクニック
口元を覆うマスクは声をこもらせてしまいます、口角をしっかりと上げて、いつもより大きく口をしっかりと動かして話をしてみてください。たったそれだけのことですが、声に明るさが宿ります。
かわいい声になりたいからと、無理に高い声を出す必要はありません。
口角を上げて笑顔で話すことで、自然に声は高くなります。
まとめ
日々顔を洗うように、歯を磨くように、『声』も磨く。簡単にできるトレーニングは別の機会にお伝えするとして、あなたの魅力が溢れるキレイな声のために、まずは『声を意識する』ことからはじめてみませんか?
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橋詰 京美
Office ailes(エール)代表
1997年より福岡のRKBラジオにてリポーター・ラジオショッピングキャスターとして活動。2015年より、ラジオでの経験を活かし経営者・個人事業主を対象とした「ボイストレーニング」「プレゼントレーニング」の個人指導や「企業研修・セミナー」講師として福岡県内だけでなく九州各県、関東、関西圏でも活躍中。2020年春にはオンラインによる「オンライン見え方学校」も開校。