相談者
Oさんの家計簿(福岡県在住)
本人41歳(看護師)、長男7歳
Q. 質問
障害のある子どもとの老後、貯蓄は十分足りる?
今年小学1年生になる子どもと2人暮らしです。
子どもが1歳半の時から別居、2年前に離婚しました。
子どもに難聴があり、知的発達もゆっくりであるため、育休を3年取得し、復帰後は夜勤を免除してもらって仕事をしています。
土・日曜・祝日に仕事をすることもあり、県外の実母に来てもらい、子どもの世話を依頼することがあります。子守り謝礼は、母の交通費や食事代などです。
ただ、元気な母の生活も大切に考えたいので、今は来てもらう回数を減らし、それ以外はショートステイを利用しています。
母からはサポートがしやすい地元に帰ってきたら、と言われていますが、子どもの教育環境と、私の仕事のことを考えると、課題があります。
自分の老後と子どものために今後、どれくらい貯蓄があれば良いのか、また、地元へ戻って生活した場合、現在の貯えで老後まで対応できるか知りたいです。
とりあえず、子どもと関わる時間が欲しいので転職を考えていますが、給料が10~15万円減少が予想され、2000万円以下で家を購入することが可能かどうかも、教えてください。
A. 回答
家計管理は完璧、極端な収支悪化は避けた転職を
利用の金融機関はこれ以上増やさず、住宅取得は慎重に
さまざまな苦難にへこたれず、前向きに暮らしている様子が目に浮かびます。お子さんの教育・生活環境を何よりも優先、というスタンスですね。
当面は今の地域に住み、お子さんと関わる時間を増やすために、転職も検討中とのこと。コロナ禍で通学できず、認可外保育園等の利用で養育関係の負担が重いようです。減収とそれらの費用減が見合う転職をめざし、極端な収支悪化は避けましょう。
将来的にはご実家近くへの転居、マイホーム取得も視野に入れていて、長期的に持ちこたえられる貯蓄レベルかを知りたいようです。
離婚時に受け取った慰謝料等は、別居時の生活費補てんや裁判費用に消えたとか…。現在の貯蓄(約4500万円)は独身時代に貯め、投資信託で殖やしたもの、とは驚きました。
若い時から稼ぐ力や運用力を磨き、貯蓄・保険・投資一覧表を作って、定期的にアップデートするなど、家計管理も完璧に近いです。
しかも70歳まで働く予定だそうですから、よほどのことが起きない限り、経済的に困る事態にはならないと思われます。
ただし、住宅取得は慎重にすべき。Oさんの場合、持ち家は移動の自由を縛り、維持管理が必要で、容易には換金できないことなど、先々のことも考えください。
ご利用の金融機関をこれ以上増やさないことも大切です。生命保険だけでもなんと10社! あなたは確実に給付請求できるかもしれませんが、お子さんや後見人に、過度の負担にならないよう気をつけましょう。
生活経済ジャーナリスト。長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。
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転載元「リビング北九州・熊本・鹿児島」2020年9月26日号掲載
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高橋 伸子
生活経済ジャーナリスト
長年にわたり国の各種審議会委員を歴任。消費者の声を国や企業に届ける活動にも注力。2016年に内閣総理大臣より消費者支援功労者表彰を受ける。株式会社西日本フィナンシャルホールディングスの社外取締役監査等委員。