ウィズコロナからアフターコロナにかけての金融市場

予測困難なリスク要因との共生時代

予測困難なリスクとの共生時代

 人類は歴史上新たな環境に適応する過程で、新しい感染症と遭遇してきました。中世のペストはヨーロッパの封建制度の衰退時に流行し、産業革命の遠因となりました。およそ100年前に流行したスペイン風邪は、グローバリゼーションの負の側面といわれ、第一次世界大戦を終わらせました。第二次世界大戦後今回の新型コロナウイルスまで、医学の発達などで感染症の大流行はなく、我々は経済等多くの面でグローバリゼーションの恩恵を受けてきました。しかし、グローバリゼーションの一段の進展という新たな環境下で、コロナウイルスの痛撃を受けました。今後コロナを克服したとしても、(人類が撲滅できた感染症は天然痘だけであることを考えると)感染症のような予測困難なリスク要因と我々は共生していく必要がありそうです。

 そうした意味合いから考えると、新型コロナウイルスによる経済の極端な落ち込みと、世界の政策当局の懸命な政策努力による景気底入れ、多分に楽観的に過ぎる面はあるにしても世界的な株価の戻り歩調は、アフターコロナの金融市場を考えるうえで、我々に貴重な経験値を授けてくれているといえます。

新しい接客の仕方

 身近な問題としてもコロナによるロックダウンや自粛期間を経て、「新しい生活様式」や「新常態」としてのテレワークやソーシャルディスタンスが、当たり前の生活環境となりそうです。一方で、コロナウイルスに対するワクチンの普及が社会や経済のゲームチェンジャーとなる時期も近づいています。感染者数が比較的少ない国にとっては来年には安心できる日々が訪れそうです。人間はコロナ禍のような大きな事件が起きると、その状態がずっと続くように思い込んでしまいがちですが、ワクチンでコロナは克服できます。

 しかし、コロナ禍で一気に進んだIT・デジタル社会では国や企業間で大きな格差が開き、為替や株価の動きもそれを評価することになります。今後の金融市場はIT・デジタル社会での個別の優劣の評価に加えて、(必ず戻ってくる)グローバリゼーションのメリットを受ける国や企業が評価されるマーケットになりそうです。しかし、最初に書いたように、未知の困難なリスク要因と共生する覚悟を常に必要とする時代に入ったと考えておきましょう。

FM福岡で毎日放送中!「トゥデイズ マーケット インフォメーション」

松本義一郎さんが毎日FM福岡で放送中のトゥデイズマーケットインフォメーション

 最後に私が平日12:48から2分間だけマーケットについてコメントをしている、FM福岡「西日本シティTT証券 presents トゥデイズ マーケット インフォメーション」の内容を一部紹介いたします。

 今週はボックス圏に入った日経平均が動き出すかどうかが焦点ですが、日経平均の移動平均線の75日線が200日線を下から上に突き抜けるゴールデンクロス(GC)が先週現れました。2008年以来9回目ですが、GCは株価上昇のサインといわれ、過去8回のGCではその後平均で20.9%日経平均は上昇しています。今回に当てはめると27,722円になります。これまでの大きな上昇相場では市場をリードする先導株が現れていました。今回は「あつ森」の任天堂や「鬼滅の刃」のソニーなどが先導役の候補になりそうです。コロナ禍での株価上昇は実現するでしょうか。

(8月24日放送分)

トゥデイズマーケットインフォメーション放送中!

 先週は安倍首相辞任で日経平均は一時600円を超える下げとなりましたが、当日に300円ほど値を戻し、今日はコロナショック安を克服する上げ相場になっています。株高は世界的な動きで、世界の株式時価総額は連日で最高を更新しています。世界的に買い手として注目されているのは個人投資家で、日本でもネット証券の新規口座開設数は6か月連続で20万件超を記録しています。実際の景気や企業業績に比べ株価が高すぎるのは否めず、一旦株価調整もあると思いますが、個人投資家の積極的な投資への参加姿勢は、今後中長期的な日本経済へのプラス要因として評価すべきと思います。

(9月3日放送分)

【監修】

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