年間17万人のママが利用している第一交通産業グループの「ママサポートタクシー」。
2013年8月1日に北九州と下関エリアからスタートしてちょうど7年。現在は32都道府県、73エリアでサービスを展開しています。今回はサービスのスタート地点でもある小倉営業所(福岡県北九州市)にて、その人気についてうかがいました。
ママサポートタクシーのサービス利用登録はこちらから
ママたちの声から生まれた「ママサポートタクシー」
「タクシーを利用される妊婦さんのアンケートや、通常の陣痛時には救急車が使えないということを知り、私たちタクシー会社がママたちの一助になればと考えたサービスです」と当時の立ち上げから携わっている今吉靖治さん。何から始めていいのかわからなかったという今吉さんは、まず助産師を紹介してもらい、妊婦の体調のことや陣痛の具体的な状態を学び、何が必要か?何をしたら妊婦が安心するのか?などの検証を続けたそうです。
「当時は実際に妊婦さんに集まってもらって、いろいろな要望や意見をうかがいながら具体的なサービスを作っていきました。そうしてできたのが、助産師セットです」陣痛時、病院へ行く際に座席に敷く防水シートや妊婦がシートを濡らすことへの不安を軽減するために重ねるタオル、感染症対策としての使い捨て手袋やビニール袋などを一式にしたパックだ。
「ネーミングも妊婦さんたちの声をそのまま反映し『ママサポートタクシー』に決めました」。
入社4年目、2児のママでもあるママサポート登録乗務員の金髙美保子さん
依頼を受けて妊婦さんの状況を聞いたところで事前にタオルなどを敷いて出発です。
助産師による研修で妊婦体験も
サービスに携われるのは助産師による座学と体験研修を受けた乗務員のみ。福岡県内3エリアでは乗務員約1800人中、720名が研修を済ませているとのこと(2020年7月現在)。
「陣痛とはずっと痛みが続くのではなく、例えば10分間のうち痛むのは1分、後の9分は喋ることも、食べることもできるなど、妊婦の状態を知ることで乗務員の不安を取り除くことも大切なんです」。
乗務員の9割は男性ということで「最初は尻込みする男性乗務員もいましたが、今は自ら学びたいと手をあげる人もいます」。座学だけでなく、妊婦体験ができる「妊婦ジャケット」をつけての歩行や階段の上り下り、タクシーの後部座席で乗降する体験も組み込まれている。研修最後のディスカッションでは、大きいお腹を抱える体の姿勢や足元が見えなくなるなどの体験で、乗降時に注意することや対応策などの意見が乗務員の間で交わされるという。
「研修を受けることで、乗務員のみなさんもいろいろな発見や気づきがあるようで『ママサポート』だけではなく、他の場面でも研修を活用しているようです。おかげさまでサービスの質の向上に役立っているとの声ももらっています」。
「ママサポートタクシー」のサービス内容って?
料金は通常のタクシー料金のまま。登録料は無料、ネットで登録可能です。利用は24時間(一部地区を除く)365日対応で、悪天候や繁忙時も優先して配車されるとのこと。助産師による研修を受けた乗務員が対応してくれるので安心です。陣痛時には助産師セットを準備しての迎車。陣痛時に料金の支払いが難しいという場合を想定して後払いシステムもあります。陣痛でほかのことまで気が回らないということも多いはず、そんな場面をしっかり考えてくれる心使いがうれしいですね。
※利用可能対象者は妊娠中の女性、子育て中(3歳未満)の女性です。
サービスまとめ
ママサポートタクシーの利用料金
・登録無料
・料金は通常のタクシー料金
ママサポートタクシーの利用可能時間
・24時間(一部地区を除く)、365日対応(悪天候・繁忙時も優先配車)
その他のサービス
・助産師による研修を受けたドライバーが対応
・陣痛時にはバスタオル・防水シートを準備
・陣痛時には後払いOK
お問合せ・登録はこちら。
全国で延べ31万5000人が登録
「ママサポートタクシー」ではすぐに目的地に送迎できるように事前の登録が必要です。現在、福岡3エリアで約5万1000人、全国でのべ約31万5000人が登録中。登録は重複可能です。例えば居住地での登録、実家で出産のために実家住所での登録、また旅行先でも登録など、いざという時どこでもすぐに利用できるシステム。全国一位の車両保有台数という第一交通産業ならではのスケールメリットです。
利用したママからのお礼のメッセージも多く寄せられています
「ママからのお手紙やメールをいただく私たちの大きな励みになります」。と今吉さんとチームを組む佐々木綾子さん。
目標は乗務員全員が研修を受ける事
「ママサポートタクシーを始めてから、社内の方向性も変化していき、子育て中の女性ドライバーの募集にも力を入れるようになり実際に雇用も増えています」。「ママサポートタクシー」では女性ドライバーを希望する声もありママドライバーの必要性と期待は大きい。「今後は全員が研修を受けることを目指し、ママサポートだけでなくサービスの質を上げていきたいです」と今吉さんは目標を語ってくださいました。
今では妊婦さんのTODOリストに組み込まれているほど必要性が認知されているという「ママサポートタクシー」。
まだ登録していないママはぜひチェックしてみてください。
- 子育て
- 出産