戸建てのリフォームと リノベーションの違いやメリットデメリットについて
戸建てリフォームの事例
戸建て住宅は、建築後年数が経てば老朽化してきます。経年劣化した戸建て住宅もリフォームを行えば、原状回復してより快適な住まいになるものです。
まずは戸建て住宅ではどのようなリフォームを行うのか、一般的な事例を紹介します。
水回りのリフォーム
キッチンやトイレ、浴室などの水回りは、劣化が目立ちやすい箇所です。設備購入後10～20年でリフォームを考えた方がよいでしょう。
キッチン
システムキッチンの寿命は、15年程度といわれます。システムキッチンを交換すれば最新の設備を導入でき、利便性も上がるでしょう。
動線が悪い場合、使いやすい間取りへリフォームするのもおすすめです。独立型からオープン型へ変更すれば、開放感も生まれます。
トイレ・洗面所
トイレではタンク内の部品や温水洗浄便座が劣化しやすく、10～15年で交換が必要になります。最近は掃除が楽になる便器や、スペースを広く使えるタンクレスのトイレが人気です。
洗面所の洗面化粧台を交換すれば、機能性をアップさせたり収納スペースを増やしたりできます。
内装のリフォーム
室内の壁や床には、だんだん汚れや傷が付いてきます。壁紙や床材を交換すれば、原状回復ができるだけでなく、部屋の雰囲気を大きく変えることもできます。
クロスの張り替え
おしゃれなクロスに張り替えたり、消臭などの機能性をプラスしたクロスに変更したりする方法があります。
フローリングの張り替え
和室からフローリングへの変更や、フローリングのグレードをアップさせるリフォームがあります。無垢フローリングなど、天然素材を使ったリフォームが人気です。
外装のリフォーム
外壁や屋根は風や雨にさらされているため、経年劣化のスピードが速くなっています。10年程度でリフォームを考えた方がよいでしょう。
外壁塗装
外壁の色が変わると建物の雰囲気も変わります。防カビや遮熱など機能性のある塗料を使えば、機能性がアップするメリットもあります。
屋根
屋根の劣化の度合いによって、屋根塗装、重ね葺き、葺き替えなどのリフォームが必要です。
全面リフォーム
より快適な住まいにするために、全面リフォームを行う方法があります。フルリフォームまたはリノベーションとも呼ばれます。全面リフォームでは、間取りの変更も可能です。
スケルトンリフォームとは？
家の骨組みだけは残し、内装や設備などはすべて解体して行うリフォームです。家を新築同様にでき、建て替えよりは費用を抑えられるメリットがあります。
リフォームのメリット、デメリットとは？
気に入って購入した家でも、長く住んでいると老朽化したり使いにくくなったりしてきます。快適な住まいに変えるためには、リフォームやリノベーション、建て替えなどを考えなければなりません。
リフォームを選択する場合のメリットとデメリットを知っておきましょう。
リフォームのメリット
住まいをリフォームすると、次のようなメリットがあります。
住み慣れた家のイメージをそのままにできる
リフォームでは老朽化した内装や外装を修繕し、新築当時の状態に原状回復します。部分的な改修なので、完成後の状態がイメージと違うようなこともあまり起こりません。リノベーションでは家の雰囲気が変わりますが、リフォームなら住み慣れた家の雰囲気をそのままにできます。
費用を抑えられる
リフォームでは、部分的な改修工事が中心になります。建て替えや大規模なリノベーションと比べて、費用を抑えられるのが一般的です。リフォームする範囲や工事の内容も選べるので、予算に合わせやすくなります。
工期が短く仮住まいが不要
リフォームの場合、建て替えやリノベーションに比べて工期が短くすみます。
たとえば、トイレの交換、畳からフローリングへの変更などは通常1日で終わります。工期が短ければ、現在の住まいとは別の仮住まいを用意する必要もありません。住みながら、家をもっと快適な空間へと変えられます。
リフォームのデメリット
リフォームを行う場合には、次のようなデメリットがあることも知っておきましょう。
間取りの変更が難しい
リフォームでは主に、設備の交換や内装の補修を行います。リフォームは建物を部分的に改修するものなので、住まいを一から設計し直すことはできません。
たとえば、子どもの成長に合わせて部屋数を増やしたい場合、リフォームでは困難です。リフォームは間取りの制約があるため、デザインの自由度が低くなってしまいます。
費用が高くつくことも
古い家をリフォームする場合には、補修や補強のための工事が増えがちです。工事が増えると、費用も高くなってしまいます。リノベーションや建て替えの方が安いこともあるので、見積もりの内容をよく確認して判断しましょう。
統一感が失われる
リフォームは部分的な改修なので、リフォームした場所としていない場所の違いが目立ってしまいます。そのため、リフォームでは全体の統一感を出すのは困難です。デザイン性を重視した住まいにしたいなら、リノベーションを考えた方がよいでしょう。
リノベーションのメリット、デメリットとは？
リノベーションは、住宅の大規模な改修です。自宅の住み心地をよくするため、自宅のリノベーションを考えることもあるでしょう。また、住み替えの際に、中古住宅を購入してリノベーションすることを考える人も多くなっています。
次にリノベーションについて、メリットとデメリットを確認しておきましょう。
リノベーションのメリット
リノベーションの主なメリットは、次のとおりです。
設計の自由度が高い
リノベーションでは住宅の骨組みだけを残して解体し、間取りやデザインを作り替えられます。ライフスタイルに合った使いやすい間取りに変更できるため、住まいの快適度が大きく上がるでしょう。
また、リノベーションでは、窓の位置を変えることも可能です。内装や設備も自由に選べるので、理想の住まいを作りやすくなります。
住まいの統一感を出せる
リノベーションでは家全体を改修するので、家を一からデザインできます。コンセプトを明確にし、統一感のある住まいづくりが可能です。
新築よりも費用を抑えられる
中古住宅をリノベーションすれば、新築住宅を購入するよりもかかる費用が安くすみます。既存の建物の躯体を活かせるので、その分費用を抑えられるのです。
住み替えの際、同じエリアの新築物件と比べると、リノベーション物件の方が安く手に入ることが多くなっています。
リノベーションのデメリット
リノベーションには、次のようなデメリットがあります。
費用が高くなりやすい
建物全体を改修するリノベーションは、建物を部分的に改修するリフォームよりも、費用がかかります。もし建物を解体後に躯体の損傷が判明すれば、追加で補修工事をしなければなりません。
また、旧耐震基準にもとづき建てられている建物は、現在の耐震基準を満たすための工事が必要です。リフォームよりも費用が高いだけでなく、想定外の費用がかかってしまう可能性もあります。
工期が長くなってしまう
リノベーションはリフォームに比べて、工事に時間がかかります。自宅をリノベーションする場合には、仮住まいが必要になることが多いでしょう。
中古住宅を購入してリノベーションする場合には、入居までに時間がかかってしまいます。すぐに住めないので、日常生活に影響が出ることがあります。
ローンの金利が高くなることも
中古住宅を購入後にリノベーションして住む場合、住宅ローンではなくリフォームローンを組むのが一般的です。リフォームローンの金利は、住宅ローンより高くなっています。新築住宅を購入する場合に比べて、金利の負担が大きくなってしまいます。
リフォームとリノベーションの違いは？
住まいを改修する方法として、リフォームとリノベーションがあります。それぞれの用語に、業界団体などで明確な定義が設けられているわけではありません。
しかし、リフォームとリノベーションは区別して使われています。両者の違いを知っておきましょう。
原状回復か改良か
リフォームは、住まいを改修して新築当時に戻すこと、すなわち原状回復を目的としたものです。一方、リノベーションでは、改修により住まいの性能を向上させます。リノベーションをすれば、新築当初とは異なる新たな機能や価値を付け加えることも可能です。
改修後の住まいの性能が同等ならリフォーム、住まいの性能が上がるならリノベーションと考えるとよいでしょう。
リフォームの事例
以下が、リフォームの代表的なものです。
システムキッチンの入れ替え
トイレの交換
ユニットバスの交換
クロスの張り替え
和室から洋室への変更
外壁塗装 など
リノベーションの事例
リノベーションでは、子どもの勉強部屋を作るために部屋数を増やしたり、壁を取り除いて広めのリビングを作ったりできます。
工事の規模の違い
リフォームでは、水回りの設備を交換したり、内装を入れ替えたりします。部分的な改修なので、工事の規模はそれほど大きくありません。リフォームの場合、1日から数日で終わるケースが多くなります。
一方、リノベーションは大規模な改修です。リノベーションする場合、家の骨組みだけを残して解体を行うことも多くなります。工事期間が数か月に及ぶこともあり、住みながら工事してもらうのは困難です。
間取りの変更の可否
リフォームでは大規模な解体などは行わず、老朽化している部分のみ補修を行います。そのため、リフォームでは間取りの変更が困難です。リノベーションでは間取りの変更も含め、住宅の設計をし直すことができます。
かかる費用の違い
リフォームとリノベーションでは、かかる費用が違います。
リフォーム費用の相場
リフォームの場合、部分的な改修なので費用も抑えられます。トイレのリフォームなら20～50万円程度、キッチンのリフォームなら50～150万円程度です。クロスの張り替えだけなら、10万円以内でできることもあります。
リノベーション費用の相場
リノベーションの場合、工事の規模が大きくなり、工事日数もかかります。リフォームに比べると、かかる費用は高額です。トータルでかかる費用は、1,000万円を超えるケースも珍しくありません。建て替えをした方が安い場合もあるので、十分に検討する必要があります。
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