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住宅ローンの変動金利とは?仕組みや上昇時の影響、今後の対策をわかりやすく解説

公開日 2026.03.03

2024年に日銀のマイナス金利政策が解除され、金利環境は変化しつつあります。変動金利で住宅ローンを利用している場合、今後の返済に不安を感じている方も多いのではないでしょうか?

本記事では、住宅ローンの変動金利の仕組みを整理したうえで、金利上昇時に考えられる影響や、検討しておきたい対策についてわかりやすく解説します。

住宅ローンの変動金利とは?

住宅ローンの変動金利とは?仕組みや上昇時の影響、今後の対策をわかりやすく解説

まずは、変動金利の基本的な仕組みや、固定金利との違いについて確認しておきましょう。すでに住宅ローンを利用している方も、あらためて整理することで今後の判断に役立ちます。

変動金利の仕組み

変動金利とは、返済期間中に適用金利が見直される金利タイプです。多くの金融機関では、半年に1回金利の見直しが行われます。変動金利の基準となるのは、短期プライムレートです。

日銀の政策金利(短期金利)が引き上げられると、短期プライムレートが上昇し、それに伴って変動金利も見直される仕組みです。ただし、金利が見直されても、返済額に反映されるタイミングは返済方式やルールによって異なります。

固定金利との違い

固定金利は返済期間中の適用金利が一定になる金利タイプで、以下のタイプがあります。

  • 借入当初の一定期間のみ金利が固定される「当初固定金利タイプ」
  • 返済期間全体の金利が固定される「全期間固定タイプ」

金利変動の影響を受けにくい点が、固定金利の大きな特徴です。変動金利と比べると、借入時点の金利はやや高めに設定される傾向があり、全期間固定金利の場合は融資実行時に返済総額や利息額が確定します。

金利が決まる要因

住宅ローン金利は、日銀の金融政策、景気動向、物価、為替相場など、さまざまな要因によって決まります。例えば、景気が拡大し物価が上昇する局面では、インフレを抑えるために金利が引き上げられる傾向があります。一方で、不景気やデフレ局面では金利が引き下げられることが一般的です。

また、円安が進むと輸入物価が上昇しやすく、金利が上がる要因になることがあります。こうした経済環境を踏まえて、日銀は金融政策を決定しています。

5年ルール・125%ルールとは

変動金利では、半年ごとに金利が見直されますが、金利が上昇してもすぐに毎月の返済額が増えるとは限りません。これは、多くの金融機関で5年ルールが採用されているためです。

5年ルールとは、金利が変動しても毎月の返済額は5年間据え置かれ、5年経過後にあらためて返済額が見直される仕組みです。また、返済額の見直し時にも、返済額は直前の返済額の125%までとする「125%ルール」が設けられているケースが一般的です。

ただし、これらのルールは返済額の急激な増加を抑えるためのものであり、金利上昇分の利息が免除されるわけではありません。将来的な負担が増える可能性がある点には注意が必要です。

変動金利が上昇するとどうなる?

変動金利が上昇した場合、住宅ローンの返済にはどのような影響があるのでしょうか?ここでは、返済額・利息・返済期間への影響を整理します。

返済額への影響

5年ルールがあるため、金利が上昇してもすぐに返済額が増えることはありません。しかし、返済額が据え置かれている間は、返済額のうち利息の割合が増え、元金の減りが遅くなることになります。5年後の見直し時には、金利上昇分が反映され、返済額が引き上げられる可能性があります。

125%ルールにより急激な増加は抑えられますが、返済額が25%増加すると家計への影響は小さくありません。

利息の増加

金利が上昇すれば、住宅ローン全体の利息負担は増加します。返済額が据え置かれている間でも、利息部分が増えることで元金返済が進みにくくなります。

金利上昇が大きい場合には、利息が毎月の返済額を上回り、未払利息が発生する可能性もあります。未払利息は後の返済に繰り越されるため、最終的な総返済額が増える点には注意が必要です。

返済期間への影響

通常、金利上昇によって返済期間が自動的に延びることはありません。ただし、未払利息が発生し元金が減らない状態が続いた場合には、総返済額が増加したり、完済時期に影響が出たりする可能性も否定できません。

変動金利は今後どうなる?

変動金利が今後どうなるのかは、住宅ローンを組んでいる方にとっては気になるところです。ここでは日銀の政策金利・金融政策決定会合などの情報から、金利動向の考え方や注意したいポイントについて解説します。

金融政策との関係

変動金利は、日銀の金融政策のうち短期政策金利の動向に影響を受けるとされています。2024年以降のマイナス金利政策解除を受け、各金融機関では短期プライムレートを見直す動きが見られました。その結果、住宅ローンの変動金利にも影響が及んでいます。

日銀は2026年1月22日・23日に開催された金融政策決定会合において、政策金利の誘導目標を0.75%で据え置くことを決定しました。一方で、今後の経済や物価情勢の改善状況によっては、政策金利を引き上げていく可能性があることも示しています。

こうした点を踏まえると、急激な金利上昇が起こるとは限らないものの、物価や賃金の動向に応じて、金利が段階的に変化していく可能性は考えられます。

参考元:ロイター記事(2026年1月23日)

注意したいポイント

日銀の政策金利については、今後の経済や物価の状況によって変動する可能性があり、市場ではさまざまな見方が示されています。ただし、将来の金利水準については不確実な要素が多く、必ずしも想定どおりに推移するとは限りません。

現在は国際情勢や景気動向の先行きが読みづらい状況にあり、国内外の経済環境が大きく変化した場合には、金融政策の方向性が見直される可能性もあります。そのため、金利が上昇局面にあると考えられる場合であっても、特定の予測だけを前提に判断するのは避けましょう。日頃から金利動向を確認し、状況に応じて柔軟に対応できるよう備えておくことが大切です。

変動金利のリスク

変動金利は、固定金利と比べて借入当初の金利が低く設定されることが多く、毎月の返済額を抑えやすい点が特徴です。一方で、返済期間中は金利上昇の影響を受ける可能性もあります。

ここでは、住宅ローンで金利タイプを選ぶ際に、押さえておきたい注意点を整理します。

返済額増加リスク

金利上昇によって返済額が増える可能性がある点は、変動金利のリスクのひとつです。5年ルールや125%ルールにより返済額の急激な増加は抑えられる仕組みになっていますが、金利上昇が続いた場合には、5年ごとの見直しで返済額が引き上げられることがあります。

また、返済額が据え置かれている期間でも金利上昇により利息の割合が増え、元金の返済が進みにくくなる点には注意が必要です。状況によっては、利息が返済額を上回り、未払利息が生じる可能性もあります。

家計への影響

金利上昇によって住宅ローンの月々の返済額が増えると固定費が増加し、家計への影響が生じる可能性があります。借入額によっては、毎月の返済額が数万円単位で増えるケースもあり、生活費とのバランスを考慮することが重要です。

また、返済負担が大きくなることで、将来に向けて準備したい教育費や老後資金の確保に影響が及ぶことも考えられます。家計への負担を抑えるためには、住宅ローンの返済額だけでなく、支出全体を見直す視点を持つことが大切です。

長期借入の注意点

住宅ローンなどの長期借入で変動金利を選択する場合、返済期間を通じて金利変動の影響を受ける可能性がある点を理解しておくことが大切です。5年ルールや125%ルールにより返済額の急激な増加は抑えられますが、金利上昇分の利息そのものが免除されるわけではありません。

そのため、借入当初の金利水準だけで判断するのではなく、数年後、数十年後の金利環境や家計の変化も見据えて検討することが重要です。住宅ローンの返済に加え、子どもの進学や老後資金なども含めた、総合的な資金計画を立てたうえで判断するとよいでしょう。

返済額のシミュレーション

ここでは、金利が上昇した場合の影響を把握するための一例として、西日本シティ銀行のローンシミュレーションをもとに返済額の変化を計算し、表にまとめました。実際の条件とは異なる場合もありますが、目安としての数値を確認しながら、ご自身に合った対策を検討する際の参考にしてみてください。

モデルケースの前提条件

シミュレーションの前提条件は以下のとおりです。

借入額が3,000万円の場合と4,000万円の場合について、毎月の返済額を比較しています。なお、借入期間と返済方法はいずれも同一とし、金利は年0.5%で計算しています。

借入額

3,000万円

4,000万円

借入期間

35年

35年

返済方法

元利均等返済

元利均等返済

総支払額

3,271万円
※1,000円以下は四捨五入

4,361万円
※1,000円以下は四捨五入

毎月の返済額

77,875円

103,834円

金利0.5ポイント上昇時の変化

金利が年0.5%から1.0%に上昇した場合を想定し、住宅ローンを組んだ際の毎月の返済額を試算しました。なお、借入期間および返済方法は変更せず、金利のみを引き上げた場合の比較としています。

借入額

3,000万円

4,000万円

借入期間

35年

35年

返済方法

元利均等返済

元利均等返済

総支払額

3,557万円
※1,000円以下は四捨五入

4,742万円
※1,000円以下は四捨五入

毎月の返済額

84,685円

112,914円

金利0.5%との差額

6,810円/月

9,080円/月

このように、金利が0.5ポイント上昇した場合、毎月の返済額は借入額3,000万円で6,810円、4,000万円で9,080円増加する試算となります。借入額が大きいほど、金利上昇による返済負担も大きくなることがわかります。

金利1.0ポイント上昇時の変化

続いて、金利が年1.5%まで上昇した場合を想定し、住宅ローンの返済額を試算します。なお、借入期間および返済方法はこれまでのシミュレーションと同じ条件とし、金利のみを変更しています。

借入額

3,000万円

4,000万円

借入期間

35年

35年

返済方法

元利均等返済

元利均等返済

総支払額

3,858万円
※1,000円以下は四捨五入

5,144万円
※1,000円以下は四捨五入

毎月の返済額

91,855円

122,473円

金利0.5%との差額

13,980円/月

18,639円/月

この試算では、金利が0.5%から1.5%へ1.0ポイント上昇した場合、毎月の返済額は借入額3,000万円で13,980円、4,000万円で18,639円増加する結果となりました。

また、総支払額についても、100万円単位で差が広がることが確認できます。

ケーススタディ|金利が上がったAさんの場合

ここでは、シミュレーション条件を一部変更し、住宅ローンの返済開始から5年後に金利が0.5%から1.5%へ上昇したケースを想定します。実際の返済の流れを確認することで、金利上昇時の影響をより具体的にイメージできます。

Aさんの前提条件

  • 借入金額:3,000万円
  • 返済期間:35年(当初)
  • 当初金利:0.5%
  • 5年後の新金利:1.5%
  • 返済方法:元利均等返済

最初の5年間の返済月額(0.5%)

77,875円

5年間の総返済額

467万円
※1,000円以下は四捨五入

5年経過時点のローン残高

2,804万円
※1,000円以下は四捨五入

5年後に金利が1.5%へ上昇した場合

返済開始から5年が経過し、残りの返済期間が30年(360回)となった時点で、ローン残高約2,804万円を新しい金利1.5%で再計算します。

この条件で試算すると、見直し後の毎月の返済額は96,771円となります。

125%ルールの確認

ここで、変動金利における125%ルールを確認しましょう。

  • 見直し前の返済額:77,875円
  • 125%の上限額:77,875円 × 1.25 = 97,344円 ※1円未満は四捨五入

今回の試算では、見直し後の返済額96,771円は125%の上限内に収まっています。そのため、このケースでは6年目以降の毎月の返済額として96,771円が適用される想定となります。

期間

適用金利

毎月の返済額

差額

1年目~5年目

0.5%

77,875円

-

6年目以降

1.5%

96,771円

+18,896円

変動金利への対策

変動金利は借入期間が長くなるほど、金利上昇リスクが高くなります。そこで、借入期間が長い住宅ローンを組む場合のリスク軽減対策について紹介します。

繰り上げ返済

住宅ローンは返済期間が最長35年と長期にわたるため、残債が大きいほど金利上昇の影響を受けやすくなる傾向があります。そのため、繰り上げ返済によって残債を減らしておくことは、変動金利における金利上昇リスクを抑える方法のひとつといえるでしょう。

繰り上げ返済には、返済期間はそのままで毎月の返済額を減らす「返済額軽減型」と、毎月の返済額を変えずに返済期間を短縮する「期間短縮型」があります。毎月の家計負担を軽くしたいのか、できるだけ早く完済したいのかといった目的に応じて、適した方法を選びましょう。

固定金利への切り替え

金利上昇への対策として、固定金利への切り替えを検討する方法があります。これは、金利上昇が見込まれる局面において、一定期間または全期間について、変動金利から固定金利へ変更するものです。

固定金利に切り替えることで、将来的な金利上昇による返済額増加のリスクを抑えられる点がメリットです。一方で、住宅ローンの固定金利は一般的に変動金利よりも高めに設定されているため、切り替え直後は毎月の返済額が増える可能性があります。金利動向だけでなく、家計への影響も踏まえたうえで慎重に判断することが大切です。

返済計画の見直し

変動金利で住宅ローンを利用する場合は、借入時に返済計画を立てて終わりにするのではなく、定期的に見直していくことが重要です。日頃から金利動向を把握する習慣をつけておくことで、金利上昇時にも落ち着いて対応しやすくなります。

また、金利が上昇した場合に、繰り上げ返済や固定金利への切り替えを行うとどの程度の効果が見込めるのかを、あらかじめシミュレーションしておくことも大切です。判断に迷う場合は、早めに金融機関の窓口へ相談し、専門的なアドバイスを受けるとよいでしょう。

変動金利が向いている人

変動金利のメリットは理解していても、金利上昇による影響が不安に感じられる方も多いでしょう。ここでは、変動金利が向いている人の特徴を整理して解説します。住宅ローンの金利タイプを検討している方は、判断材料の一つとして参考にしてください。

返済余力がある人

「返済余力がある」とは、家計が安定しており、一定の貯蓄を確保できている状態を指します。また、共働きで将来的な収入増加が見込める世帯も、金利上昇時の返済額増加に比較的余裕をもって対応できるため、変動金利に向いているといえるでしょう。

金利上昇のリスクは、返済額が増えることで家計を圧迫する点にあります。家計に十分な余裕があり、金利上昇による負担を吸収できる場合は、生活費への影響を抑えながら返済を継続しやすくなります。

借入期間が短い人

変動金利は一定期間ごとに金利が見直されるため、借入期間(返済期間)が長くなるほど金利上昇の影響を受けやすくなります。そのため、借入期間が比較的短く、10〜15年程度で完済できる見込みがある場合は、金利上昇リスクに直面する可能性は低くなります。

また、変動金利は固定金利よりも低い水準で設定されていることが多いため、借入期間が短い人ほど利息負担を抑えやすい点も特徴です。もともとの返済期間が短ければ、金利上昇リスクへの備えとして繰り上げ返済を行う効果も高くなります。

金利動向を把握できる人

日頃から経済ニュースに目を通し、国際情勢や金利動向を定期的に確認している人は、変動金利に向いています。金利上昇の兆しを早めに把握できれば、返済額増加に備えた対策を検討しやすくなるためです。

一方で、金利動向にあまり関心がなく、経済ニュースをほとんど確認しない場合は、金利上昇による返済額の変化に気づきにくくなります。できるだけ手間をかけず、金利変動のリスクを避けたい人は、変動金利よりも固定金利を選ぶほうが安心といえるでしょう。

まとめ

変動金利は、固定金利に比べて借入当初の金利が低く、毎月の返済額を抑えやすい点が特徴です。一方で金利上昇の影響を受ける可能性があるため、仕組みやリスクを理解したうえで選択することが重要です。

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