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【福岡のFPさんコラム】|保険料が家計を圧迫!教育費も貯めたいのにどうしたらいいの?

日本は長い間、超低金利の時代が続いたので、日本の預金よりも利率の高い外貨建て保険に加入して貯蓄を増やそうとする人も多いと思います。
この外貨建て保険の支払いが難しくなったという相談が、あちらこちらで聞かれます。その原因について、ファイナンシャルプランナーが具体例を参考に解説します。

Aさんの事例

相談内容
結婚3年目の共働き夫婦です。結婚後に契約した保険の支払いが、子どもが生まれて急に苦しくなりました。このまま払っていけるのか心配です。また、子どもの教育費も、これからどうやって貯めればいいのか不安です。NISAも新しくなったと聞きました。投資のほうが良かったのかなと悩んでいます。(Aさん30代男性)

近年Aさんのような共働きの家庭は増加しており、実際に相談に訪れる若いご夫婦のほとんどが共働きです。妻がフルタイムという家庭も多くあります。共働きの家庭は二人分の収入があるため、そうではない家庭より貯金ができそうな印象がありますが、実際はそうでもありません。このような相談は、共働きの家庭によく見られる傾向にあります。

支払いが難しくなった原因は?

では何が原因だったのでしょう。少し整理してみましょう。

共働き家庭の落とし穴

Aさんの妻もフルタイムで働いています。結婚前一人暮らしだったときに比べると、家計の収入が二倍になって生活は楽になりました。そこで、将来のために貯蓄型の外貨建て保険に夫婦それぞれで加入することにしました。その他の生命保険や医療保険も合わせると、月100,000円支払っています。

二人で頑張ればなんとか払える額でした。ところが待望の子どもができ、妻が産休・育休に入って収入が半減したため、余裕がなくなってしまいました。
子どもができて妻がフルタイムでは働けなくなることが、実際の生活にどう影響するのか想定できていなかったのです。

為替リスクを甘く見ていた

外貨建て保険には、月の支払いが外貨で固定されているものと円で固定されているものがあります。Aさんが入っている保険は米ドル建てで、月の支払いがドルで固定されているタイプでした。例えば月の保険料が100ドルだとすると、1ドル100円の時には円に換算すると10,000円です。では円安が進んで1ドル150円になるとどうなるでしょうか?15,000円になってしまいます。

このように、ドルで固定されているものであれば、円安になると月々の支払いは増加します。逆に1ドル80円というように円高になれば、月々の支払いは8,000円と減少します。
外貨ではなく円で固定されているタイプであれば、月々10,000円なら10,000円分のドルを買うことになるので、円安の時は買えるドルの量は減りますが、円での支払額は一定です。家計への負担は少なくなります。

どちらが良いというものではないのですが、外貨建て保険に加入するときは、自分たちにはどちらが合っているかよく検討するべきです。また、Aさんのような事態になる為替リスクについて、しっかりと理解したうえで判断するべきです。外貨建ての商品は、支払いのたびに為替の影響を受けるということになります。そして同じように、満期になって受け取るときにも為替の影響を受けます。

保険の目的をよく考えていなかった

Aさんが加入した外貨建て保険は、老後資金を貯めるための保険でした。満期が60歳以降になっています。生活に余裕があったため深く考えず、目いっぱいの額にしてしまったのです。
実際にAさんが払っていた月々の保険料は300ドル、契約した時には1ドル110円だったので一人あたり33,000円でした。

ところが最近の相場では1ドル150円*ほどですので、月々の保険料はおよそ45,000円になります。夫婦二人分だと66,000円だったのが、およそ90,000円に増えてしまいました。しかも他の保険の支払いもあるので、このまま支払い続けることはできそうにありません。

また、Aさんの家庭ではこれから子どもの教育資金が必要になりますが、これでは貯めるためのお金も捻出できません。
*2024年5月現在

どうすれば良かったのか

ライフプランで家計を見える化

1人暮らし、結婚、子どもの誕生、住宅購入など、人生には環境が変わる節目があり、そのときどきでお金がかかるものです。長い人生の中には貯め時もあれば多くのお金が出ていくときもあります。収入も支出もずっと一定ではないのです。前もって具体的に考えておかないと、いざ必要なときにお金が不足するといった状況に陥ることもあります。

ライフプランとは、将来自分たちはどんな仕事をしてどう生きていきたいかを考え、人生の中で起こるさまざまなイベントを想定して予算を立て、生涯を見渡して生活設計をすることです。ライフプランを立て、キャッシュフローシミュレーションをしてみれば、いつが貯め時でいつ頃不足するか見えてきます。そこから、どんな方法でお金を準備したり、保険で万一に備えたりすればいいのか対策を立てていくのです。

AさんはNISAに興味をお持ちですので、NISAを取り入れたキャッシュフローシミュレーションも作成してみるのもいいでしょう。
このように長期的な視点で見てみると、今後の教育資金から住宅資金、老後資金まで、どのように貯めていくべきか計画することができます。

Aさんご夫婦は、これまで家計に対するお互いの考え方を話し合ったことはなかったそうです。結婚当初から具体的な話し合いができていれば、今回の事態は避けられたかもしれません。

>>ライフプランで家計を見直すなど、お金に関するご相談はプロにお任せください。 

改善策は?

Aさんのように現在契約している保険が家計の現状に合わなくなった場合は、なるべく早く改善策を探しましょう。
実際は各家庭によって改善策は違いますので一概には言えませんが、もし「解約」を考えるなら次のような方法も検討しましょう。

「払済保険(はらいずみほけん=保険料の支払いを止めて、その時点での解約返戻金をもとに保障額の小さい保険に加入する方法。保険期間は変わらない。保険の種類などによって利用できない場合もある)」
にできないか、「減額(保険の一部を解約して保障額を減らす方法。解約返戻金を受け取れる場合もある。以降の保険料の支払いを少なくできる)」をしてはどうか、もしくはすべて「解約」するか、などを比較検討します。

今回のように、契約した保険を予定より早く解約しなければならなくなると、「解約控除」というペナルティのようなものがかかる場合があります。契約から短期間で解約する場合に、早く解約すればするほど解約返戻金から引かれる控除率が高く設定されています。
それでも解約したほうが良いのか、解約するならその代わりに何で増やしていくのか、家庭に合う方法を見つけていきましょう。

教育資金を何で貯めるか

まずは預貯金

Aさんは子どもの教育費をどうやって貯めればいいのか不安に思っています。
そのような相談に私が答えるときは、「まずは児童手当には手を付けずに預金で貯めましょう」と言います。これで子どもが中学を卒業するまでに約200万円貯まります。現状の制度で一般的な家庭では、生まれてから3歳になるまでは月15,000円、中学校を卒業するまでは月10,000円支給されますので、合計すると198万円になります。

これを大学入学のための初年度の資金と思って貯めましょう。またこの制度は令和6年10月分から、「高校を卒業するまで(18歳到達後の最初の3月31日まで)月10,000円支給」に拡充されることが決定しています。その他にも所得制限の撤廃や第3子加算の拡充も行われます。子育て世代には朗報ですね。

NISA(少額投資非課税制度)

今年からはNISAが新しい制度になったのでこれも大きな味方になります。非課税保有期間(非課税で保有しておける期間)が無期限になったため、2023年までの一般NISA5年、つみたてNISA20年よりずっと使い勝手が良くなりました。

ただ教育資金に関しては必要になる時期が決まっています。自分の子どもの教育費がかかるときに市場が良くなっているとは限りません。預金が足りなければ投資に回しているお金を取り崩すことになります。そのときに市場が好調で投資したお金が増えている状態なら喜んで取り崩しができますが、リーマンショックのように市場全体が落ち込んでいるときだったらどうでしょう。

そのようなときには、自分が投資している商品が良い悪いに関わらずすべての商品が下がります。せっかく働きに出しているお金の価値が非常に下がっているのに解約しなければならなくなるのです。

それを避けるためには、投資に回すお金と預貯金とのバランスが大事なのです。きちんと自分たち独自の計画を立て、手持ち資金をすべて投資に回すようなことはしないようにしましょう。投資は長期目線で、10年以上先を見据えて取り組みましょう。

>>西日本シティ銀行でNISAを始めませんか?

まとめ

今回は共働きの若いご夫婦が子どもの誕生を機に不安を覚え、家計に対する意識改革をしようと相談に来られた事例をもとにお話ししました。いざというときに慌てないために、また現在の暮らしを不安なく楽しく生きるために、生涯を見渡して生活設計をしましょう。預貯金、保険、投資をどう組み合わせればより効果的か、お金の専門家に相談して一緒にプランを立て、実行していくことをお勧めします。

>>相続、資産運用、保険、ローンなど、お金に関することのご相談はプロにお任せください。

投資信託のご留意事項(必ずご確認ください)
商号等:株式会社西日本シティ銀行 登録金融機関 福岡財務支局長(登金)第6号
加入協会:日本証券業協会、一般社団法人金融先物取引業協会

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