外貨定期預金とは?メリットやデメリット、おすすめの運用方法などを解説
外貨定期預金は、米ドルや豪ドル、ユーロなどの外国通貨で一定期間預け入れることで、外貨の高金利や為替差益による収益を狙う資産運用の一種です。本記事では、外貨定期預金の仕組みからメリットとデメリット、おすすめの運用方法までわかりやすく解説します。
外貨定期預金とは?

近年、円預金と比べて高い利回りが期待できることから、外貨定期預金が注目されています。まずは、外貨定期預金の仕組みについて具体的に見ていきましょう。
外貨で預ける定期預金のこと
外貨定期預金とは、日本円ではなく米ドルや豪ドル、ユーロなどの外国通貨で一定期間預け入れる資産運用の方法です。預け入れ期間中は原則解約できない分、日本円より高金利で運用できるのが一般的です。
例えば、日本円を米ドルに両替し、その米ドルで一定期間、金融機関に預け入れます。満期時には、金利と元本が預入通貨で払い戻されます。日本円に両替する場合は、その時点の為替レートが適用されます。
通貨の価値が上がっていれば利益となりますが、下がっていれば損失となるため、為替リスクを理解しておくことが大切です。
金融機関によって扱う外貨定期預金が異なる
外貨定期預金は、金融機関ごとに取り扱う通貨や金利、預入期間などの条件が大きく異なります。例えば、米ドル・豪ドル・NZドル、またはユーロや人民元などを扱う銀行があります。
また、同じ通貨でも金利や手数料、預け入れの最低金額が異なります。
どの金融機関を選ぶかによってリターンが異なるため、複数の銀行を比較し、最も条件の合う金融機関を選ぶことが重要です。
外貨普通預金との違い
外貨定期預金と外貨普通預金は、預入期間と流動性に違いがあります。外貨定期預金は定められた期間預ける必要があり金利が高いですが、為替変動のリスクも伴います。一方、外貨普通預金はいつでも引き出せて流動性が高いものの、金利は低めです。
選択のポイントは、リスクと流動性のどちらを重視するかです。
外貨定期預金のメリット

ここでは、外貨定期預金がなぜ資産運用に有効なのか、その代表的なメリットを紹介します。
将来の資産形成をしやすい
外貨定期預金は、長期的な資産形成に適した資産運用方法の一つです。積立型外貨定期預金を活用すれば、ドルコスト平均法の考え方でリスクを分散しながら運用することも可能です。
通貨を分散して持つことは、経済が不安定なときのリスクヘッジにもなります。外貨建て資産を一部に組み込むと日本経済だけに依存しない資産運用となるため、安定した資産形成を目指す人には特におすすめです。
>>為替手数料が通常よりお得な西日本シティ銀行の「外貨de積むつむ」はこちら
日本円より高い金利で預金できる
外貨定期預金は、日本円の預金に比べて高い金利で預金できます。例えば、米ドルや豪ドルでは年利2〜3%程度の定期預金が可能なケースもあり、日本では得られない利息収入を得るチャンスがあります。安定して高金利を維持している通貨を選べば、リスクを抑えつつ資産運用も可能です。
ただし、為替変動や預入手数料には注意が必要です。高い金利だけを見て飛びつくのではなく、為替や手数料も含めた実質利回りを考慮し、自身の目的や投資スタイルに合う通貨・金融機関を選ぶことが重要です。
為替差益を得られることがある
外貨定期預金では、為替差益による利益を得ることも可能です。例えば、1ドル=130円の時に預け、満期時に1ドル=140円になっていれば、その差額10円分が差益として収益になります。為替差益と利息収入、2つの収益機会がある点も外貨定期預金の魅力です。
ただし、逆に為替が預入時より円高になっていると、差損が発生するリスクもあります。
日本円のインフレ対策ができる
近年、日本でもインフレが進んでおり、現金を円で保有しているだけでは資産価値が目減りするリスクがあります。外貨定期預金は、インフレ対策としても有効です。
外貨に資産を分散しておけば、円安の影響をある程度抑えられる可能性があり、インフレ時の資産保全にもつながります。将来的に日本円の金利が大きく上昇しない限り、外貨での運用の方が利回りもよく、インフレ時でも実質的な資産の価値を維持しやすいという点も、外貨定期預金のメリットです。
外貨定期預金のデメリット

外貨定期預金には多くの利点がある一方で、注意すべきデメリットも存在します。
為替変動によって元本割れすることがある
外貨定期預金で注意すべき点は、為替変動による元本割れのリスクです。
例えば、1ドル=130円のときに米ドルで預けた資金を、満期時に1ドル=120円で日本円に戻す場合、10円の損失になります。利息がついていても、為替差損の影響で、最終的に受け取る日本円が元本を下回ることもあります。
このリスクは定期預金だけでなく、外貨を扱う限り避けられません。金利の高さだけで判断せず、通貨の発行国の金利政策やインフレ率、経済成長率などを踏まえて検討することが重要です。
手数料や金利の適用条件がある
外貨定期預金にはさまざまな手数料があります。代表的なものには、預け入れ時に適用されるTTS(銀行が顧客に外貨を販売するときのレート)と払い戻し時に適用されるTTB(銀行が顧客から外貨を買い取るときのレート)があります。それぞれ為替手数料を含めた交換レートです。これらの手数料は金融機関によって異なり、実質的な利回りを下げる要因となります。
また、表示されている高金利がすべての預入額や期間に適用されるわけではなく、一定額以上や特定の期間を満たした場合にのみ適用される条件付き金利であることが多いです。契約内容をよく確認せずに申し込むと、期待したほどの利益が得られないこともあります。
基本的に途中解約ができない
外貨定期預金は一定期間資金を預けるタイプの預金であるため、原則として途中解約はできません。資産としての流動性が非常に低い点は、デメリットとして理解しておきましょう。
途中解約が可能な金融機関があっても、通常は金利が大幅に下がったり、ペナルティが課されることがほとんどです。外貨定期預金をする際は、あらかじめ長期間引き出す予定のない余裕資金かどうかをよく確認し、運用前に、引き出し時期を含めた資金計画を立てておくことが大切です。
留意点:為替差益がある場合は確定申告が必要
外貨定期預金で為替差益が発生し、雑所得として年間20万円を超えると、原則として確定申告が必要です。
例えば、預けたときよりも円安になっていた場合、その差額が利益となるため、税務署に確定申告書を提出する必要があります。給与所得者であっても、副収入がこの金額を超えると課税対象となるため、申告漏れがないようにしましょう。
外貨定期預金がおすすめな人の特徴

ここでは、外貨定期預金が特におすすめな人の特徴を紹介します。為替リスクや手数料といった注意点はありますが、仕組みを理解し、自分の目的に合わせて活用すれば効果的な資産運用手段となります。
中長期的に資産形成をしたい人
中長期的な資産形成を目指す人には、外貨定期預金が適しているといえるでしょう。短期的には為替変動の影響を受けやすいですが、長期的には金利メリットを享受しやすい運用手段です。特に外貨は日本円と比べて金利が高めに設定されていることが多く、長期間預けることで複利効果も期待できます。
定期預金であれば時間を味方にして為替変動の影響を平均化でき、一時的な円高局面でも、冷静に運用を続けやすくなります。
高金利で定期預金がしたい人
外貨定期預金は、金利の高い通貨を選ぶことで、利息収入を得られる可能性が高まります。
例えば、米ドル、豪ドル、NZドルなど、金利の高い国の通貨に預ければ、年率数パーセントの利息が得られることもあります。もちろん為替変動の影響は受けますが、日本円預金の低金利に物足りなさを感じている人にとっては、有力な選択肢となるでしょう。
日本円のインフレ対策をしたい人
インフレ対策をしたい人にも、外貨定期預金はおすすめです。インフレが進むと、同じ金額の日本円で購入できるモノやサービスの量が減り、実質的な資産価値が目減りします。
しかし、外貨建て資産を保有することで、円の価値下落に対する一定のヘッジ効果が期待できます。
日本は今後、物価上昇や日銀の金融政策の転換などの影響でインフレが進む可能性が高いです。資産の一部を外貨に分散しておくことは、将来のインフレリスクに備える手段の一つといえるでしょう。
外貨定期預金のおすすめの運用方法

外貨定期預金を始める際は、高金利の通貨を選ぶだけでは不十分です。ここでは、外貨定期預金をより効果的に運用するためにおすすめの考え方を紹介します。
預入期間を慎重に検討する
外貨定期預金は、預入期間が非常に重要です。長期間預けるほど金利は高くなりますが、その分、為替相場の変動リスクも大きくなります。一方、短期間であれば為替リスクは限定的ですが、金利は低くなります。
自分の資産運用の目的やリスク許容度に合わせて、無理のない期間を設定することが大切です。初心者は、まず3か月〜6か月程度の短期運用から始め、相場の動きを確認しながらステップアップするとよいでしょう。お金を一度にすべて預けるのではなく、期間をずらして分割投資するのも、リスク分散にはおすすめです。
満期時の為替次第で継続を検討する
外貨定期預金は、預入時よりも円安で満期を迎えれば為替差益が出ますが、円高になると差損が発生する可能性もあります。そのため、満期のタイミングで為替レートをよく確認し、継続するか円に戻すかを冷静に判断しましょう。
為替レートの改善を待ちながら柔軟に対応できるため、一時的に外貨普通預金に移すのも一案です。逆に為替が有利な局面では、一部を日本円に戻して利益を確定する判断も検討しましょう。
複数の通貨に分散投資をする
1つの通貨にすべての資金を預けるのではなく、複数の通貨に分けて投資することで、為替変動や金利変動のリスクを抑えられます。
例えば、米ドルは安定性が高いものの金利は中程度で、メキシコペソは金利が高めですが、為替の変動も大きくなります。通貨ごとにリスク・リターンの特徴が異なるため、バランスよく配分することがポイントです。
通貨を分散することで、一部の通貨で損失が出ても、他の通貨でその影響を緩和できる場合があります。資産の安全と成長のバランスを取るためにも、通貨の分散を検討してみましょう。
まとめ
外貨定期預金は、日本円ではなく外国通貨で資産を運用する方法です。円預金に比べて高い金利が期待でき、為替差益による収益も狙えます。一方で為替差損のリスクや手数料、途中解約できないなどのデメリットもあり、双方を比較して賢く資産運用に取り入れることが大切です。
>>西日本シティ銀行の外貨定期預金についてはこちらをご覧ください。
■あわせて読みたい記事
・外貨預金のメリット・デメリットを徹底解説!不安を解消してから始めよう
・外貨預金の入金のタイミングは?メリットやデメリット、運用のコツなどを解説
※外貨預金には、為替変動による元本割れなどのリスクがあります。 詳しくは
「外貨預金についてのご留意事項」をご確認下さい。
商号/株式会社 西日本シティ銀行
※LIFUQU noteのサイトポリシー/プライバシーポリシーはこちら。

古賀 清香
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
広告代理店勤務を経て、フリーライターとして6年以上活動。自身の投資経験をきっかけにFP資格を取得。投資・金融・不動産・ビジネス関連の記事を多数執筆。現在はフリーランスの働き方・生き方に関する情報も発信中。