元気が出るお金の話|短期間で大学費用を準備するためにすることは?

相談者:Mさん(福岡県在住)
夫46歳(会社員)、妻49歳(議員秘書)、長男22歳(大学生)、長女16歳(高校生)
Q.短期間で大学費用を準備するためにすることは?
夫婦共働きで、同世代としては就労収入は多い方だとは思いますが、これまでに大学3年生(県外一人暮らし)になる長男の学費に約700万円(塾代、予備校授業料、大学受験費用、大学入学金、大学授業料、生活費用を含む)を捻出しており、預貯金がほとんどありません。
その状態で高校1年の長女の大学費用を工面するにはあまり時間がなく、夫婦の就労収入の中からどのように準備をしたらいいかと悩んでいます。
変額個人年金保険を長女18歳到達時に解約し、約190万円を解約返戻金として受け取る予定。また祖母が長女にかけてくれている学資保険100万円も利用できます。不足分については、預貯金からの捻出や日本学生支援機構からの奨学金の借り入れも検討しております。
NISAは毎月1万円ずつ投資信託(国内株式・債券中心、米国株中心)を購入。以前は月3万円の積立で3本のファンドを購入していましたが、長男の学費に充てる必要があり、一部解約してしまいました。学費もですが、夫婦の老後資金も心配です。年金のみに頼らない方法を教えていただきたいです。

A. 解約返戻金をあてにせず黒字分を家計と別口座に
長女の大学卒業まで教育費に費やし、その後は同額を老後用貯蓄に
大学の授業料や施設費用、自宅外で通う費用は高額ですよね、その中で黒字化できているのは、とても素晴らしいです。毎月の収支とボーナス収支の黒字を合わせると、年間約270万円は捻出できる家計になっています。このペースは崩さないようにしましょう。
長男が大学卒業後、長女が高校3年生の1年間で大学入学費用は確保できるはずです。変額個人年金保険の解約金を入学準備に予定しているようですが、それはあてにしない方がよいかと思います。なぜなら、変動商品ですので必ずしも長女が18歳になったときに予想している解約返戻金額ではないことと、途中解約すると元本割れする可能性があるからです。家計とは別の口座に毎月の黒字とボーナス時の黒字を移動して、管理しておきましょう。
長女の進学先によって、支出額は大きく異なります。国公立で自宅から通う場合は、授業料と同時に老後資金が積み立てられます。一方、私立大学で下宿の場合、年間の就労収入だけでなんとか支払えます。
奨学金を検討する場合は、Mさんの世帯収入ですと貸与有利子の奨学金は利用できますが、現在金利が上昇傾向にありますので、長女が大学卒業後に返済していく金額が無理のないようにしっかり親子で話し合いを。
長女の大学卒業までは他に老後のための貯蓄は難しいと思いますので、今までのNISAや変額個人年金保険は解約せずに、6年後から教育費に費やしていた金額をそのまま老後資金として貯蓄していくことを検討してください。
回答者 髙杉雅紀子さん
監修 安田まゆみさん
東京・銀座の「元気が出るお金の相談所」所長。FP歴27年目(CFP認定者)。
これまでの相談件数7,000件以上、講演回数1,000件を超える。
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掲載元: 「リビングふくおか」「リビング北九州」2025年3月22日号掲載
「リビングかごしま」2025年3月29日号掲載
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髙杉 雅紀子
ファイナンシャルプランナー
2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP(日本FP協会認定)、住宅ローンアドバイザー、スカラシップ・アドバイザー。地域支援団体の代表も務める。子育て世帯からの相談実績多数。